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物価変動を品目別にみてみると何か見えてくる?No.2

2018年06月07日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

昨日家に帰ってテレビをみていたら、昔と比べて物価が上がっているとのコメンテーターのコメントがありました。

一般的なイメージでは、物価は上昇し続け、昔の価値と今の価値とでは全然違うとの認識になりやすいですが、実際のところは、日本の物価は1990年代後半から上昇していません。

前回と同じグラフですが、1970年以降の消費者物価指数の変動はご覧のとおりです。

1990年代後半からはほぼフラットな状況が続いていますので20年前の100万円の価値は今も変わらずほぼ100万円だと言えます。

前回は、物価が上がらない要因である昔と比べて値下がりしてしまっている品目について調べましたが、今回は、昔と比べて値上がりしている品目は何なのかを見て行きたいと思います。

昨日見た大幅に値下がりしている品目を除いたグラフが次のグラフです。

そうめんみたいにウネウネしていますが、この1本1本が消費者物価指数に組み込まれている品目ひとつひとつの価格変動です。2015年を100としていますので、2015年は100を通過します。

昔と比べ値上がりしているものが何なのか。値上がりしているということは、昔は安かったということなので、グラフの下のほうに表示された線がそれにあたります。

早速ですがそれが何なのか見て行きましょう。

一番下にある緑色の線は「タバコ」です。たばこは数年おきに増税を繰り返し、価格上昇してきました。1993年の値が53.2ですのでその頃と比べると2倍以上高くなった計算になります。
JTさんのホームページによれば440円のタバコのうち、国税が106.4円、地方税が122.44円、たばこ特別税が16.4円、消費税が32.59円となっており、タバコの税負担は1箱あたり277.47円(63.1%)となっています。半分以上税金ですね。

今後の話ですが、2018年10月から1箱あたり20円、2020年10月から1箱あたり40円、2021年10月から60円の増税が検討されています。実現されば愛煙家は困りますが、物価上昇の観点からみればありがたい話になります。

タバコ価格は一度上昇すると下がることがない魔法のアイテムですが、1970年以降乱高下している品目があります。それが茶色の線の「他の光熱」です。他の光熱とは、灯油のことです。原油価格の変動が灯油価格の変動に直接影響を与えています。2018年以降上昇している原油価格の上昇は灯油価格の引き上げに繋がりますので今後の物価上昇の後押しになりそうです。


続いて上昇しているのが青い線で示した他の諸雑費です。印鑑証明手数料、戸籍抄本手数料、パスポート取得費、介護料、保育所保育料、振込手数料、障害保険料などが該当します。気がつかないうちに上がっているようです。

緑色の線が「授業料等」、その線とシンクロして動いているのが「教育」です。両方とも2009年に頭打ちし、2010年以降は下降しています。
「授業料等」は「教育」の構成品目です。「授業料等」以外では「教科書・学習参考教材」、「補習教材」が「教育」に含まれます。

2010年の下落は、2010年に実施された高校無償化法によるものです。民主党政権が実施した政策で公立高校の授業料を国が負担し、私立高校生にも同額を支給するとの内容でした。

今日見た、物価上昇速度が速い品目のほとんどは、政策や税金などで価格が決まるものがほとんどでした。

物価上昇率2%を達成するためには、政府の力が重要なのかもしれれません。

本日はこの辺で。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献
タバコ税の仕組み-JT
https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/tax/index.html
高校無償化・高等学校等就学支援金制度を知ろ-All About
https://allabout.co.jp/gm/gc/44659/

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