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物価変動で主要国の実質金利は挙ってマイナス

2022年04月07日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

4日に発表されたトルコの消費者物価指数(CPI)は61.14%と20年ぶりの高水準にまで上昇しました。

61.14%と言われてもあまりピンときませんが、去年10,000リラで買えた商品が今年は16,114リラを出さなければ購入できない程、物価が上昇したことになります。

現在、トルコの政策金利は14.0%です。

「実質金利は名目金利から期待インフレ率を差し引いたもの」なので、現在の政策金利14.0%からインフレ率61.14%を差し引いたマイナス47.14%が実質金利です。

仮に銀行金利が政策金利と同じ14.0%だった場合、1年間銀行に預けておくと10,000リラが11,400リラに増えますが、物価上昇によって、トルコ国内で販売される商品の価格が上がってしまっていますので、同じ商品を購入するのにより多くの資金が必要になります。

分かりやすく言うと、
①10,000リラの資金で100リラの商品が購入できるのは100個です。
②10,000リラの資金で161.14リラの商品が購入できるのは62個です。
③11,400リラの資金で161.14リラの商品が購入できるのは70個です。

上の3つの例で最も多く商品を購入することができたのは①の10,000リラで100リラの商品を100個購入したケースです。

銀行に預金して、10,000リラを11,400リラに増やしたとしても、そのお金で購入できるのは70個でしかありません。実質金利がマイナスだった際は、銀行にお金を預けておくよりも実物資産を保有していた方が資産価値の減少を防ぐことができるということが、この例から分かりますね。

トルコに関しては実質金利がマイナス47.1%と異常な数値になっているのである意味特殊なケースですが、現在主要国の実質金利はほぼマイナスです。

主要国の実質金利

実質金利
トルコ -47.1
ユーロ圏 -8.0
アメリカ -7.4
イギリス -5.5
南アフリカ -1.4
日本 -1.0
メキシコ -0.8
マレーシア -0.5
ブラジル 1.2
インドネシア 1.4
ロシア 10.8

出典:Bloomberg

現在、日本の実質金利はマイナス1.0%です。マイナスということは、銀行にお金を預けるよりも実物資産で保有していた方が得だったことになります。

日本の場合、何年もの間、銀行に預けてもほとんど金利が付かない状態だったものの、デフレも続いていたので実質金利のマイナスがそれほど気にならなかった方が多いと思いますが、世界的な物価上昇が日本にも波及すると、私たちの生活にも影響が出てきます。

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難しい課題ですが、考えないといけませんね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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