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物価と原油の因果関係

2022年08月19日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

8月17日に、7月に開催されたFOMCの議事要旨が公表されました。

6月と7月の会合では、0.75%ポイントの利上げが実施されましたが、今後の利上げペースに関しては今後入手されるデータ次第になる、との考えが示されました。

主要な経済指標の数値が改善されていれば、利上げ幅が縮小されることになりそうですね。

色々な経済指標が注目されていますが、最も注目を集めているのは「消費者物価指数(CPI)」ではないでしょうか。

なぜなら現在アメリカで行われている利上げの一番の目的が、上昇する物価を抑えることだからです。物価の上昇を抑えることができれば、極端な利上げを実施する必要もなくなるはずです。

今月発表された7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比が先月よりも0.6%ポイント低い8.5%、前月比が先月と変わらず0.0%でした。あくまで単月の結果ですが、6月までと比べて7月の結果は物価抑制に成功しているように思えます。

品目別に見たものが次の表です。

アメリカ消費者物価指数

2022年6月 2022年7月 前年同月比
すべての商品 1.3 0 8.5
食品 1 1.1 10.9
 自炊 1 1.3 13.1
 外食 0.9 0.7 7.6
エネルギー 7.5 -4.6 32.9
 エネルギー系商品 10.4 -7.6 44.9
 ガソリン 11.2 -7.7 44
 燃料油 -1.2 -11 75.6
 エネルギーサービス 3.5 0.1 18.8
 電気 1.7 1.6 15.2
 都市ガス 8.2 -3.6 30.5
食料とエネルギーを除いたすべての品目 0.7 0.3 5.9
 食料とエネルギーを除いた日用品 0.8 0.2 7
 新車 0.7 0.6 10.4
 中古車・トラック 1.6 -0.4 6.6
 衣料品 0.8 -0.1 5.1
 医療機器(1) 0.4 0.6 3.7
 サービス(エネルギーサービスを除く 0.7 0.4 5.5
 シェルター 0.6 0.5 5.7
 交通サービス 2.1 -0.5 9.2
 医療サービス 0.7 0.4 5.1

出典:米労働省

6月と比べて大きく下落したのがエネルギー価格です。エネルギー系商品、ガソリン、燃料油などがマイナスになっていますよね。これは、エネルギー関連商品の価格が6月よりも下落したことを表しています。
もう一つ注目して欲しいのが前年同月比のデータです。
1年前と比べるとすべての品目がプラス圏で推移していますが、その中でも大幅なプラスになっているのがエネルギー価格です。エネルギー価格は前年同月比で32.9%も上昇しています。食品が10.98%の上昇、エネルギーと食品を除いたすべての品目が5.9%の上昇でしたので、エネルギー価格の上昇が全体を引っ張ってきたことを表しています。
物価を左右する最大の要因がエネルギー価格なのであれば、その代名詞とも言える原油価格、中でも北米市場のベンチマークになっている「WTI」原油の価格を抑えることができればアメリカの物価上昇を抑制することができそうです。

直近1年間、WTI原油の値動きは次のとおりでした。

WTI原油

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート

本日(8月18日)のWTI原油価格は87.28ドルでした。一年前の価格は66.59ドルなので20.69ドル(31.1%)上昇したことになります。

消費者物価指数で発表されたエネルギー価格の前年同月比は32.9%の上昇でしたので、WTI原油の上昇率31.1%と近似値です。

まとめると次のようになるかどうかです。

WTI原油の下落 ⇒ 消費者物価指数の下落 ⇒ 政策金利の抑制 ⇒ 株価の上昇

原油が下がればすべてがうまくいく。そんな状況なのかもしれませんね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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