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消費者物価指数の見かた(トルコ編)

2022年07月06日


皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

先日発表されたトルコの消費者物価指数(6月)は前年同月比78.62%のプラスでした。すごい数字です。

過去の変動と比べるとご覧のようになります。
消費者物価指数(CPI)トルコ(前年同月比)

出典:トルコ統計局

ここ数年、トルコの消費者物価指数は前年同月比10%から20%程度の上昇で推移していましたが、昨年12月以降急激な物価上昇が始まり、6月は78.62%まで上昇してしまいました。

グラフを見ると12月から上昇しており、物価上昇がまだまだ続いているように見えます。

同じデータを前月比でみるとどうなるでしょうか。

消費者物価指数(CPI)トルコ(前月比)

出典:トルコ統計局

6月の消費者物価指数は前月比4.95%のプラスでした。消費者物価指数は昨年12月と今年の1月に大きく上昇したことがよくわかります。6月の結果は急上昇前の水準と比べて高めですが、すでにピークを過ぎているように見えますね。

3つ目は消費者物価指数の数値がいくつなのかを表したグラフです。
消費者物価指数(CPI)トルコ(2003年=100)

出典:トルコ統計局

2003年を100とした指数では、2022年6月の数値は977.9でした。

こうやって見るとどれだけトルコの物価が上昇したのかがよくわかります。
2003年に100トルコリラだったものが、いまでは977.9トルコリラ出さなければ購入できません。また、昨年11月に604.84トルコリラで買えたものも、いまは977.9トルコリラ出さないと買えない状況です。

今回3つのグラフでトルコの消費者物価指数を確認しましたが、どれも同じ結果を表したものです。選んだデータによって受ける印象が違うと思いませんか?

将来の予想をするのであれば短期変動の分かりやすい「前月比」が適していますが、より実体経済の状況を知るのには、指数そのものの推移を表した3つ目のグラフが適しています。

同じ結果でもどのような分析結果を用いるかで答えが変わってきてしまいます。

投資であれば、ファンダメンタルズ情報やテクニカル分析を判断材料に使っていると思いますが、期間や計算式を変えると答えが変わってきます。

ひとつの材料で判断するのではなく、より多くの情報で判断した方が良い結果に繋がりやすいのかもしれませんね。

最後にトルコリラ円のチャートです。

トルコリラ円(週足)-くりっく365

トルコリラ円の長期的な値動きは、下落基調です。余程のことがない限りトレンドが変化することはなさそうですが、今起きているトルコでの物価上昇がトルコ円相場を反転させる可能性があります。

為替レートは、2つの国の通貨を交換するときのレートですから、自国の経済状況だけで決まるのではなく、相手国との比較や優劣も大きく影響します。今起きている全世界的な物価の上昇は、トルコにおける物価上昇のネガティブインパクトを和らげるため、相対的に投資しやすくなるはずです。

前月比でみた消費者物価指数では上昇のピークは過ぎたように見えますが、トルコリラ円の動きもここ数ヶ月落ち着いてきているように見えます。

どこが底値なのかは、バブルと一緒で後になってみないと分かりませんが、ポートフォリオの一部にトルコリラ円を組み込むという選択肢もありだと思います。

皆さんはどう思いますか?

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
トルコ統計局

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