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ブレント原油高騰のニュースとエネルギー需要の拡大

2021年06月24日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

2021年6月22日、北海ブレント先物が75ドルを突破したとのニュースがBloombergで報道されました。

6月24日午前の原油価格はご覧のようになっています。

・WTI原油(NYMEX)73.08ドル
・ブレント原油(ICE)75.22ドル
・ドバイ原油(TOCOM)69.38ドル(48,420円/キロリットル)

昨年末から原油価格は上昇していましたが、ついに75ドル台まで上昇してしまいました。
世界では色々な原油が取引されていますが、採掘場所によって品質が異なります。

世界で取引されている原油でメジャーなものは3つあり、一般的に価格の高い順に並べると、ブレント、WTI、ドバイとなります。

一番有名なのがWTI原油。世界の原油価格の指標となっています。
WTI原油は「West Texas Intermediate」の略でアメリカのテキサス州西部で産出される軽質低硫黄原油のことです。
WTI原油について、詳しくお知りになりたい方は、2017年の記事「WTI原油は何の略かご存じですか?」をご覧ください。

ブレント原油は「北海ブレント」とも呼ばれ、イギリスの東、北海にあるブレント油田などから産出される軽質油です。地図で見るとご覧のような場所です。

イギリスとノルウェーの領域にブレント油田があります。

ご覧のようにブレント油田は北海にある海底油田です。地上での採掘とは違い、巨大な採掘装置、貯油施設、海底送油管など大掛かりなインフラ整備が必要になるため、採掘には高いコストが発生します。通常ブレント原油の方がWTI原油よりも割り高な傾向にあるのはそのためです。

さて、原油価格の話です。

下のグラフは、WTI原油の推移です。

WTI原油

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート

2020年4月、新型コロナウイルスの影響から世界中で行動制限が行われた結果、原油の供給過剰が発生し、原油先物価格は0ドルを下回りマイナス37.63ドルまで下落しましたが、それから1年2ヶ月が経過し、今では73ドル台まで上昇してきています。

見てお分かりのように2020年後半から上昇が始まり、現時点ではコロナ感染拡大以前の水準まで回復しています。

このままでいけば2018年の高値76.90ドルを上回るのも時間の問題という見方も強くなってきました。

日本国内では、「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」で積極的に経済活動を行うような雰囲気ではありませんが、世界では、原油価格が上昇するほど経済に活気が戻ってきています。

世界のエネルギー需要


出典:Oil Market Report-June 2021

上のグラフは、OPECが6月に発表した世界のエネルギー需要の推移をグラフ化したものです。新柄コロナウイルスの影響から各地域の需要は2020年のQ1からQ2に掛けて需要が減少しましたが、それ以降需要は拡大してきています。特に中国はコロナ前の需要を上回る水準になっており、すでにヨーロッパを上回るエネルギー消費国になっており、アメリカとのギャップが狭くなってきています。

ワクチンの恩恵からコロナ騒動が落ち着いた頃には、米中の覇権争いが再過熱するのかもしれませんね。

今回は高騰する原油価格と景気の回復について考えてみました。

なお、フジトミでは東京商品取引所の上場銘柄である「ドバイ原油先物」を円建てで取引ししています。興味がある方は、原油の説明ページをご覧ください。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


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