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ウクライナ情勢と黒海のロシア海軍

2022年02月16日


皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

最近の金融市場の相場展開はウクライナ情勢に振り回される状況が続いています。昨日の米主要株価指数は、NYダウが+422.67ドル、NASDAQ総合が+348.34ドル、S&P500が+69.33ドルと、3指数揃って上昇する展開となりました。15日ロシア国防省が、ウクライナ国境付近での軍事演習は終了し、部隊は基地に帰還したと発表したことを受け、緊張緩和から株式市場での買いが優勢な展開になりました。

しかしストルテンベルグNATO事務総長やバイデン米大統領は「現時点でウクライナ国境付近でのロシア軍の縮小などは確認できていない」とコメントしています。

実際にロシア軍は撤退したのかどうか。

衛星やレーダーなどを利用すればロシア軍側の状況はリアルに把握できそうですが、一番確実なのは海軍の動きかもしれません。

ウクライナは北部をベラルーシ、東部をロシアと陸地で面していますが、南部はクリミア半島を挟んで海と面しています。

海といっても面しているのは黒海です。

黒海

地図を見てお分かりのように黒海は陸地に覆われた内海です。太平洋や大西洋のような開かれた海ではありません。船舶が黒海に入るためには、黒海の南西、トルコ・イスタンブールにあるボスポラス海峡を通過しなければなりません。

ロシア海軍は4つの艦隊と1つの小艦隊で構成されています。

・北方艦隊
・太平洋艦隊
・バルト艦隊
・黒海艦隊
・カスピ小艦隊

黒海に駐留しているのは黒海艦隊です。それ以外の艦隊が軍事演習に参加するためには、黒海までやって来なければなりません。船舶が黒海に出入りするためにはボスポラス海峡を通過しなければならないので、他国に見つからず秘密裡に集結することはまず不可能です。

ボスポラス海峡の長さは南北に30km、幅は最も狭い場所で698m、深水は36mから124mとされています。

ロシア海軍の艦隊が黒海にやってくるためには必ずボスポラス海峡を通過しなければならないので、海峡を通過した船舶を確認すればどのくらいの戦力が黒海内に留まっているのかがわかります。

2月9日朝日新聞デジタルの記事ですが、バルト艦隊と北方艦隊の大型揚陸艦6隻が黒海に向かっており、その内3隻はすでにボスポラス海峡を通過しました。

ロシア、黒海に軍艦増派ウクライナ南側からも圧力警戒強める米
https://www.asahi.com/articles/ASQ296J0FQ29UHBI01F.html

本当に演習が終了したのであれば、揚陸艦がボスポラス海峡を通過して外に出ていくはずです。
大型揚陸艦が黒海から出ていったことを確認するまでは、ウクライナ情勢に振り回される相場展開が続くのではないでしょうか。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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