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南アランド円のスワップと損益分岐点

2018年04月03日

皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

今日は高金利が魅力的な新興国通貨についてのお話です。

日本の個人投資家に人気の高金利通貨ペアはトルコリラ/円、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円の3ペアです。

高金利通貨から得られる不労所得で将来生活したいなんてお考えになられる投資家の方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

働かないで収入があるなんて夢のような話ですよね。

今回は南アフリカランド/円でそんなことができるのかを考えてみたいと思います。

現在の南アフリカの政策金利は6.5%、日本はマイナス金利ですので6.5%がそのまま年間で得られるスワップポイントとして計算すると6.5%分のスワップが得られる計算になります。

例えば、ランド円のレートが10円ジャストから1年間変わらなかった場合、6.5%のスワップポイントから得られる金額は0.65円です。くりっく365のように10万通貨の取引であれば0.65円×10万の65,000円が1年で得られるスワップポイントになります。

仮にレートが円高方向に進み、ランド円レートが下がった場合の損益分岐点は10円から0.65円を引いた9.35円がこの場合の損益分岐点になります。

高金利通貨はスワップで受払いされる金額がレートと比較しても大きいのでそれを目当てに投資さえる方も多いのではないでしょうか。

 
 

実際にチャートを見てみましょう。

取引されている方は飽きるほどご覧になっていると思いますが、下のチャートは南アランドの週足チャートです。2014年以降の値動きが表示されています。

南アランド/円

※チャートはフジトミの取引画面から

チャートが示す高値が2014年11月17日につけた10.815円、安値が2016年6月20日の6.21円です。

当然のことですが、現在のレートは8.915円ですので8.915円よりも安い値段で買っていればプラス。それよりも高いレートで買っていた場合、評価損益はマイナスになります。

一方、スワップポイントは日々付与されます。スワップポイントは保有期間が長ければ長いほど蓄積されていきますので、長期保有していれば多くのスワップが得られる計算になります。

少し細かな計算になりますが、月足のレートと政策金利から計算した過去のスワップポイント相当分をレートで表した際、損益分岐ラインがどのようなラインになるのかを計算してみたいと思います。

 
 

スワップポイントを計算してみよう。

例えば、現在の政策金利は「6.5%」ですが、
この「0.065(6.5%)」を1ヶ月で表すとすると「12」で除した
「0.005417」が1ヶ月あたりの金利です。
3月30日の南アランド円終値は「8.975円」でしたので
この「8.975円」に1ヶ月あたりの金利「0.005417」を乗じた
「0.0486円」がスワップポイントでカバーされるレートになります。

3月末の南アランド円レートが「8.975円」でカバーされるレートが
「0.0486円」ですので、「8.975円」から「0.0486円」を引いた「8.9263円」が
3月30日の終値で買った人の1ヶ月先の損益分岐点になります。

2月末のレート「9.05円」にも同じ計算をすると、2月のスワップ相当レートが「0.0509円」、3月のスワップ相当レートが「0.0486円」ですので差し引き「8.95円」が損益分岐点になります。

この計算をエクセルを使って繰り返しおこなうことで2015年1月以降の損益分岐点を計算しました。

例えば2015年1月30日の終値10.09円で買っていた場合、約1.807円相当分のスワップが発生しているはずなので損益分岐点は8.28円となります。

 
 

計算で得た結果をグラフにしてみよう。

この結果をグラフにしたものが次のものです。

青い線が月足終値、オレンジのラインが損益分岐ライン、そして棒グラフが月足終値と損益分岐ラインとの差分となります。

現在のレートが8.915円ラインをグラフに引くとご覧のようになります。

2015年1月以降すべての領域でオレンジ色のラインがピンクの現在値よりも下にありますので、この3年間、ランド円は買って今日まで保有していた方は皆さん利益がでている計算になりました。

改めてスワップの積み重ねってすごいことが立証される結果となりました。

スワップの力ってすごいですね。

なお、今回の計算には政策金利を用いております。実際のスワップとは異なりますのでご了承ください。

今後の投資の参考にしていただけたら幸いです。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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