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エネルギー大国ロシアと経済制裁

2022年03月07日

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

ウクライナ情勢の影響で、株安、商品高の動きが続いています。

特に大きく上昇しているのが原油です。

WTI原油

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート

先週末のWTI原油相場は、前日比7.44%高の115.68ドルで取引を終えています。

リーマンショック後の高値はすでに更新しており、このまま上昇し続ければ2008年7月に付けた史上最高値147.27ドルを上回るのも時間の問題となってきました。

今話題になっているロシアは世界を代表する産油国のひとつです。
ロシアの原油供給量を表したものが次のグラフです。

ロシアの原油生産量

※出典:OPEC Monthly Oil Market Report 2022 2月

2022年にロシアが生産する原油の量は、1177万バレル/日との予想でした。世界で利用さ
れる原油の量は1億バレル/日ほどなので、世界で利用される原油の約10分の1がロシアによって供給される予定でした。

3月2日のニュース記事ですが、国際エネルギー機関(IEA)は、備蓄石油6000万バレルを協調放出することで合意しました。6000万バレルと言われてもピンと来ませんが、ロシアの生産量は1177万バレル/日なので5日分にしかなりません。世界はそれだけ多くのエネルギーをロシアに頼っていた訳です。

IEAは、EUがロシア産天然ガスへの依存度を下げるための10項目計画を発表しています。


1. ロシアとの新たなガス供給契約は結ばない
2. ロシアからの供給を代替供給源からのガスで置き換える
3. 市場の回復力を高めるために、最低限のガス貯蔵義務を導入する。
4. 新規の風力・太陽光発電プロジェクトの展開を加速する
5. 既存の低排出ガス電源(バイオエネルギー、原子力)からの発電量を最大化する
6. 電力消費者を価格高騰から守るための短期的な措置の実施
7. ガスボイラーからヒートポンプへの更新を加速させる
8. 建物および産業におけるエネルギー効率の改善を加速する
9. 消費者による一時的なサーモスタット調整の奨励
10. 電力系統の柔軟性の源泉を多様化し、脱炭素化するための取り組みを強化する。

ロシアへのエネルギー依存を下げる計画ですが、何れも即効性があるものではないので、目先のエネルギー不足を解決することに繋がりそうにはありません。このままの状態が続けば、世界的エネルギー不足によって色々な製品価格が上昇してもおかしくありません。

ウクライナ情勢はNATOとロシアだけではなく、私たち日本人にも大きな影響を及ぼす大問題です。今後どうなるか分かりませんが、ある程度の対策を取っておいた方が良さそうですね。

一日も早く、情勢が落ち着きますように。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


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