米国株式市場は反落。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前日比0.29％安の2342.19で取引を終え、NYダウは113.64ドル（0.55％）安の20523.28ドルで取引を終了した。経済指標では3月の住宅着工件数は市場予想を下回ったが、先行指標とされる建設許可件数は市場の予想を上回った。地政学的リスクが警戒される中、ゴールドマンサックスの決算が嫌気され4.7％安と指数の上値を圧迫した。また、投票日が近づいてきたフランス大統領選への懸念や、米朝の緊張感、英国での総選挙前倒しの動きなどからリスクオフムードが高まった。
　ゴールドマン・サックス・グループの株価は、英国のEU離脱選択以降で最大の下落となった。１－３月（第１四半期）の債券トレーディング収入が市場予想を下回り、同業他社との比較でも不調だった。債券トレーディング収入は16億9000万ドルと市場予想の20億3000万ドルを下回った。発表によると、純利益は22億6000万ドル（１株当たり5.15ドル）と、前年同期の11億4000万ドル（同2.68ドル）からほぼ倍増となった。
　ＮＹＭＥＸのＷＴＩ先物５月限は前日比24セント（0.46％）安い１バレル＝52.41ドルで取引を終了した。石油サービス会社ベーカー・ ヒューズが発表した国内の石油掘削リグ稼働数は１３週連続で増加していた。これを受けて、米国内の供給過剰懸念が嫌気された。
　本日の日経平均は、北朝鮮地政学的リスクに加え欧州政治リスク懸念などから反落か。英国のメイ首相は前日、ＥＵ離脱推進に向けて総選挙を６月に実施すると表明した。一方ではフランスで大統領選も控えており、欧州政治の先行き不透明感からリスクオフムードが台頭しつつある。
　昨日、麻生副総理・財務相とペンス米副大統領は経済対話の初会合を持った。共同記者会見でペンス氏は、将来的な対日ＦＴＡへの意欲を表明し、ＴＰＰを推進したい日本側との溝が明らかになった。輸出関連企業への影響が懸念され、相場の重荷となりそうだ。

【買い材料】

・日銀のETF買い入れによる需給下支え期待
・IMF、日本の成長率見通し1.2％へ上方修正
・・IMF、世界成長率見通し3.5％へ上方修正
・NISA投資、累計10兆円へ
・バンカメ、1─3月は予想上回る　投資銀行・トレーディング好調
・米ヤフー、第1四半期は22％増収　中核事業売却は6月完了の見通し
・米3月建設許可件数 126.0万件〔予想 125.0万件〕（前回発表値 121.3万件）

【売り材料】

・米国株式は反落、ゴールドマン・Ｊ＆Ｊの急落が重しに
・NYダウ下落（20523.28、-113.64）
・ナスダック下落（5849.47、-7.32）
・ゴールドマン、第1四半期利益が予想下回る　トレーディング収入さえず
・米Ｊ＆Ｊ、第1四半期売上高予想割れ、買収効果で通年見通し引き上げ
・米3月住宅着工件数 121.5万件〔予想 125.0万件〕（前回発表値 128.8万件）
・米鉱工業生産指数、3月は0.5％上昇　製造業は予想外のマイナス
・ポンドが英総選挙前倒しで急伸、ドル全面安＝ＮＹ為替市場
・ドル円相場108円35-40銭
・ロンドン株式市場＝大幅続落、英首相が総選挙前倒し表明
・欧州株式市場－大幅安、英総選挙前倒し発表で
・NY原油先物－続落、米国シェールオイル産出量2年で最大に（52.41、-0.24）
・CME225先物は大阪取引所比で下落18330で引け
・トランプ政権、政策運営に不透明感
・北朝鮮地政学リスク
・ギリシャ、債務危機再燃
・フランス大統領選挙への不透明感

【その他注目点】

○日米経済対話（東京、最終日）

・米債券市場＝国債価格急伸、仏大統領選や地政学的懸念で
・欧州債－上昇、独10年債は0.156％まで低下
・NY金先物－続伸、一時下落もドル安を背景に再び上昇
・米3月鉱工業生産（前月比）+0.5％〔予想 +0.5％〕（前回発表値 ±0.0％）
・米3月設備稼働率 76.1％〔予想 76.2％〕（前回発表値 75.4％）

・英国、6月8日総選挙へ　メイ氏「ＥＵ離脱交渉に政治安定が必要」
・トランプ氏、査証審査を厳格化する大統領令に署名へ　
・日米経済対話、3本柱で推進　副大統領はＦＴＡの可能性に言及
・ＩＭＦ、17年の世界経済成長見通し3.5％に引き上げ　保護主義を警戒
・北朝鮮、ミサイル実験で挑発企て　向こう見ずな動き＝米国防長官
・ドルロングの推奨撤回、トランプ米大統領発言受け＝ゴールドマン
・上海モーターショーのプレスデー(20日まで、一般公開は21-28日)

《スケジュール》

16:00　　金融システムリポート(2017年4月号、日本銀行)　　　　
16:00　　訪日外国人客数(3月)　　

15:00　　欧州新車販売台数(3月)　
17:00　　3月南アフリカ消費者物価指数
17:00　　ハンソン・エストニア中銀総裁、講演
18:00　　2月ユーロ圏貿易収支（
18:00　　3月ユーロ圏消費者物価指数（ＨＩＣＰ）改定値
20:00　　ＭＢＡ住宅ローン申請指数
20:00　　モルガン・スタンレー第1四半期決算
21:00　　クーレ欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事、講演
23:30　　プラートＥＣＢ専務理事、講演
23:30　　ＥＩＡ週間在庫統計
20日01:00　　ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
20日03:00　　米地区連銀経済報告（ベージュブック）　　

場況はTwitterをご参考にしていただければ幸いです。https://twitter.com/fujitomi_8740