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ローソク足パターン完全ガイド|強気&弱気の定義と実戦で使える見方

2026.01.09

はじめに

チャート分析を学ぶと、必ず目にするのが「ローソク足パターン」です。
ローソクの形や配置から相場を読み解く分析手法で、日本では一般に「罫線分析」とも呼ばれます。
ただし、形を覚えるだけでは実戦では機能しません。重要なのは「どこで、どんな流れの中で出たか」です。

ローソク足パターンは、
その時点における売りと買いの力関係(相場参加者の心理)が、価格変動として表れたものにほかなりません。
重要なのは、パターンの名前ではなく「実戦で使えるかどうか」です。

そこで本記事では、

・ローソク足パターンを体系的に整理し
・実戦で再現性の高いものに絞り
・「どのように使えば分析精度が高まるのか」

という観点から、実践で活用できるよう初心者にもわかりやすく解説します。

なお、海外発祥の「パターン分析(フォーメーション分析)」については、罫線分析との違いを整理したうえで概要のみに触れ、詳細は別記事で解説します。

1. ローソク足パターンとは?

1-1. ローソク足パターンの定義

ローソク足パターンとは、

1本または複数本のローソク足の組み合わせから、相場の転換や継続を読み取る分析手法です。

重要なのは形そのものではなく、

  • どの価格水準で出現したのか

  • どのような相場環境で形成されたのか

という「文脈(コンテキスト)」です。

同じ足形でも、

  • 高値圏

  • 安値圏

  • トレンド途中

では、示唆する意味は大きく異なります。

1-2. 罫線分析とパターン分析の違い

ローソク足パターンを用いた分析は、「罫線分析」と呼ばれます。
混同されやすいのが、海外発祥の「パターン分析(フォーメーション分析)」です。

両者は似ているようで、分析対象と時間軸が異なります。

1-2-1. 罫線分析(日本発祥)

罫線分析は、日本で発展したローソク足を中心とする分析手法です。

特徴は、

  • ローソク足そのものの形状に注目

  • 1本〜数本の組み合わせで相場心理を読む

  • 比較的短い時間軸の変化を捉える

点にあります。

罫線分析には、

  • 単線分析(1本のローソク足)

  • 複数本によるパターン

  • 酒田五法に代表される体系的手法

が含まれます。

本記事で扱うローソク足パターンは、この罫線分析を軸としています。

1-2-2. パターン分析(海外)

パターン分析は、数週間〜数か月にわたる価格推移の形状からトレンドを読む手法です。主に次の2つに分類されます。

リバーサルパターン(反転)

  • ヘッド・アンド・ショルダーズ

  • ダブル/トリプル・トップ・ボトム

  • ソーサー

  • ライン

コンティニュエーションパターン(継続)

  • トライアングル

  • フラッグ

  • ペナント

  • レクタングル

※詳細は別記事で解説します。

2. ローソク足パターンは「形」ではなく「心理」を読みとる

ローソク足分析で最も重要なのは、形ではなく、その背後にある売りと買いのパワーバランスです。

「この形が出たら買い」「出たら売り」と機械的に覚えるだけでは、分析精度は上がりません。どちらの力が、どの時点で優勢になったのかを読み取ることが重要です。

 

【ローソク足の形と意味合い】

例えば、

2-1. 実体が長い陽線(1.大陽線)

→ 買い圧力が終始優勢だった

2-2. 長い上ヒゲ(5.上影陽線、6.上影陰線)

→ 最終的には売り圧力が強くなった

2-3. 小さな実体が連続(7.小陽線、8.小陰線、9.寄引同事線、同じ価格帯で連続)

→ 売りと買いの圧力が拮抗=ほぼ互角で釣り合っている(均衡している)状態

このように、ローソク足は売買の力関係を視覚化しています。

 

3. ローソク足パターンの基本分類

ローソク足パターンは、大きく次の3つに整理できます。

① 単体のローソク足

(例:大陽線・大陰線・十字線など)

② 複数のローソク足

(例:包み足、はらみ足、入り首線、あて首線など)

③ 酒田五法の代表的パターン

(例:三川、三山、三空など)

次章からは、実戦で使用頻度が多く、再現性の高いものに絞り解説します。

 

4. 単線分析

はじめに単線分析です。単線分析は、1本のローソク足の形状から分析をおこないます。基本は、【ローソク足の形と意味合い】で示したとおりですが、「どの価格水準で出現したのか」「どのような相場環境の中で形成されたのか」といった「文脈(コンテキスト)」に着目することが重要です。

4-1. 大陽線

大陽線は、陽線の中でも実体の長さが比較的長いものを指し、以下のように細分化されます。

4-1-1. 陽の丸坊主

陽の丸坊主とは、大陽線でも特に強い相場を示唆するローソク足で、上下にヒゲが無いことから丸坊主と言います。
上下にヒゲが無いため、寄り付きから大引けまで買い圧力が強かったことを意味するため、今後も上昇する可能性が高いことを示唆します。

4-1-2. 陽の大引け坊主

陽の大引け坊主も、強い相場を示唆するローソク足で、上ヒゲが無いこと(終値=高値)から大引け坊主と言います。
上ヒゲが無いため、大引けまで買い圧力が強かったことを意味し、今後も上昇する可能性が高いことを示唆します。

 

4-1-3. 陽の寄付坊主

陽の寄付坊主は、上記2つの大陽線に比べると、大陽線ではあるものの、最終的に高値から値を戻したため、相場の上昇圧力は弱いと読み取れます。
なお、下ヒゲが無いこと(始値=安値)となるため、寄付坊主と呼びます。

4-1-4. 注意点

分析の精度を上げるためには、これら大陽線が、どのような文脈で形成されたのかにも注意する必要があります。例えば、上昇トレンドの中で形成されたものであれば、その後も上昇する可能性は高いと考えられます。一方で、大陰線が続いた後、これら大陽線が形成されたのであれば、単なる下落トレンドにおける反発の可能性もある訳です。
このような文脈と、相場環境の変化(それまでの弱気材料を覆す、強気材料が提示されたのかなど)をチェックする必要があります。

4-2. 大陰線

大陰線は、陰線の中でも実体の長さが比較的長いものを指し、以下のように細分化されます。

4-2-1. 陰の丸坊主

陰の丸坊主とは、大陰線でも特に弱い相場を示唆するローソク足で、上下にヒゲが無いことから丸坊主と言います。
上下にヒゲが無いため、寄り付きから大引けまで売り圧力が強かったことを意味するため、今後も下落する可能性が高いことを示唆します。

4-2-2. 陰の大引け坊主

陰の大引け坊主も、弱い相場を示唆するローソク足で、下ヒゲが無いこと(終値=安値)から大引け坊主と言います。
下ヒゲが無いため、大引けまで売り圧力が強かったことを意味し、今後も下落する可能性が高いことを示唆します。

4-2-3. 陰の寄付坊主

陰の寄付坊主は、上記2つの大陰線に比べると、大陰線ではあるものの、最終的に安値から値を戻したため、相場の下落圧力は弱いと読み取れます。
なお、上ヒゲが無いこと(始値=高値)となるため、寄付坊主と呼びます。

4-2-4. 注意点

大陽線と同様、分析の精度を上げるためには、これらの大陰線が、どういった価格帯やトレンドの中で形成されたのかに注目します。 例えば、下落トレンドの中で形成された大陰線であれば、その後も下落する可能性は高いですが、上昇トレンドの途中で形成された大陰線であれば、押し目買いのチャンスとなる可能性もあるため、相場環境の変化(それまでの弱気材料を覆す、強気材料が提示されたのかなど)など、確認する必要があるでしょう。

 

4-3. 上影陽線と上影陰線

4-3-1.上影陽線


上影陽線(うわかげようせん)は、終値が始値より高い「陽線」でありながら、上ヒゲ(上影)が長く伸びているローソク足を指します。
つまり、「買いが強かったが、高値では強い売りに遭遇し値を戻した」という状態を表します。

上影陽線から読み取れる相場心理

上影陽線は、次のような心理を示唆します。

上昇局面で買い圧力が高かったが、高値圏で利益確定や戻り売りが増加し、最終的には陽線で終わったものの、上値の重さが意識された。

このため、「上昇の勢いが弱まりつつあるサイン」として解釈されることが多いローソク足です。

 

4-3-2. 上影陰線

上影陰線(うわかげいんせん)とは、一時的に上昇したものの、最終的には始値より安く引けた陰線で、上に長いヒゲ(上影)を持つローソク足です。

上影陰線から読み取れる相場心理

上影陰線は、次のような心理を示唆します。

当初は買い圧力が強かったが、高値圏で利益確定や戻り売りが増加し、売り圧力が増加。最終的には始値を下回って引けた。

このため、「下落の勢いが高まりつつあるサイン」として解釈されることが多いローソク足です。

・買いが試されたが、上値を維持できずに失速

・上昇トレンド中では天井示唆や反転警戒サイン

 

4-3-3. 出現場所による意味の違い(重要)

上影陽線と上影陰線は、どこで形成されたかによって意味が変わります。

・高値圏で出現 → 上昇一服・反転の兆し

・上昇途中で出現 → 押し目形成の可能性

・レンジ上限付近で出現 → 上値抵抗(レジスタンス)の確認

4-3-4. 実戦での注意点

・上影陽線・上影陰線=即売り、ではない

・出来高や直前のトレンドを必ず確認

直後に陰線が出るとシグナルの信頼度が上がる

4-3-5. ひとことでまとめ

上影陽線と上影陰線とは、「上昇したものの高値では売られ、最終的には失速した状態」を示すローソク足です。強気と弱気がぶつかり始めた“分岐点”と考えると理解しやすいでしょう。

 

4-4. 下影陽線と下影陰線

下値を試したものの、安値圏で買い戻しが入り反発した形を示すローソク足です。

4-4-1. 下影陽線

安く売られた後、買いが優勢となり始値より高く引けた陽線で、下に長いヒゲ(下影)を持ちます。

示唆

・強い押し目買い

・下値支持の確認

・下落トレンド中では反転の初動サイン

👉 「一時的に売られたが、急速に買い戻され始値を上回った」

4-4-2. 下影陰線

一時的に大きく下落したが、引けにかけて持ち直したものの、始値は超えられなかった陰線です。

示唆

・下値での買い抵抗の存在

・売り一巡の兆し

・下落トレンドでは下げ渋り・転換予兆

👉 「一時的に売られたが、急速に買い戻された」

4-5. 小陽線・小陰線・四値同事線

上下のヒゲが短く、実体(胴体)の小さいローソク足には、小陽線・小陰線・四値同事線(以下、四値同事)などがあり、これらのローソク足が形成される場合、売り買いのパワーバランスが均衡状態にあることがわかります。

示唆

・出来高を伴って均衡している場合で、相場が動かないケース

・出来高が減少し様子見が強い場合で、相場が動かないケース

・ストップ安やストップ高により、相場が動けない(値幅制限による影響)

したがって、値幅制限によるもの以外でこれらのローソク足が形成された場合は、相場自体が上下どちらに向かうか決めかねている状態です。

4-5-1. 出現場所による意味の違い(重要)

・上昇トレンドの高値圏で出現 → 反転の兆し(特に窓を空けた場合は可能性大)

・上昇途中、下落途中で出現 →一服中・踊り場の形成中で再度上昇(あるいは下落)する可能性

・下降トレンドの安値圏で出現 → 反転の兆し(特に窓を空けた場合は可能性大)

4-5-2. 小陽線・小陰線・四値同事のまとめ

同じ価格帯で膠着状態が長く続けば、売り買いの圧力も時間の経過とともに増加します。

その後、均衡が崩れて上昇あるいは下落し始めた場合は、雪崩のように値段が動くこともあるので、注意が必要です。

小陽線や小陰線などが続く場合は、価格の上限と下限を見極め、上回ったら買い、下回ったら売りとというのが基本的なセオリーです。

 

5. 複数のローソク足によるパターン

2本以上のローソク足から今後の相場の強弱を読み取る際は、それらのローソク足を合成した場合にどのようなローソク足になるのかをイメージします。

具体的には、以下の通りです。

【ローソク足の合成イメージとその手順】

1.陰線Aと陽線Bの2本のローソク足から1本のローソク足を合成

2.陰線Aの始値と陽線Bの終値で実体(胴体)をイメージする

3.陰線A及び陽線Bの高値と安値を見比べて、ヒゲをイメージする

4.合成されたローソク足がイメージできる

以上です。

今回の場合、A・B2つのローソク足を合成すると、下影陽線となります。あとは、単線分析と同様です。

3本のローソク足の場合も同様で、1本目の始値、3本目の終値、3本の最高値と最安値で、1つのローソク足をイメージするということです。

 

5-1. 代表的な2本のローソク足パターン

2本のローソク足のパターンでは、呼び名のある代表的なものがあります。

5-1-1. 抱き線(包み線)

短い陰線の次の足の高値が前日の高値を上回り、かつ安値が前日の安値を下回る陽線

あるいは、

短い陽線の次の足の高値が前日の高値を上回り、かつ安値が前日の安値を下回る陰線

意味:右側の短いローソク足を女性、左側の長いローソク足を男性と見立てて、抱き線と呼ばれています。下降トレンドの終盤(上側のパターン)や上昇トレンドの終盤(下側のパターン)で形成されると、トレンド転換の兆しと読み取られます。

 

5-1-2. 孕(はら)み線

長い陽線の次の足の安値が前日安値を上回り、かつ高値が前日高値を下回る陰線

あるいは、

長い陰線の次の足の安値が前日の安値を上回り、かつ高値が前日の高値を下回る陽線

意味:右側の長いローソク足を女性、左側の短いローソク足を胎児と見立てて、はらみ線と呼ばれています。下降トレンドの終盤(上側のパターン)や上昇トレンドの終盤(下側のパターン)で形成されると、トレンド転換の兆しと読み取られます。

 

ポイント💡

現在は、あまり聞かなくなりましたが以前は、市場関係者から「抱いたらしまい、はらんだらしまい」といった発言やレポートがあったものです。 これは、「はらみ線」や「抱き線」が形成されると、それまでのトレンドが終わり、トレンド転換する可能性があることを意味します。なお、海外でははらみ線を「インサイド・バー」抱き線を「アウトサイド・バー」と呼びます。

5-1-3. 切り込み線

大陰線の次の足の始値が、大陰線の安値を下回る水準で始まり、大陰線の実体の中心を上回って終わったものを切り込み線(切り替えし線ともいう)と言い、下降トレンドの終盤で形成された場合は、トレンド転換を示唆します。

5-1-4. かぶせ線

陽線の次の足の始値が、陽線の高値を上回る水準で始まり、陽線の実体の中心を下回って終わったものをかぶせ線と言い、上昇トレンドの終盤で形成された場合は、トレンド転換を示唆します。

5-1-5. たすき線

陰線の次の足が陰線の終値より高く始まり陰線の高値を上回り陽線となったもので、下降トレンドの終盤で形成された場合は、トレンド転換を示唆します。

あるいは

陽線の次の足が陽線の終値より安く始まり陽線の安値を下回り陰線となったもので、上昇トレンドの終盤で形成された場合は、トレンド転換を示唆します。

5-1-6. 行き違い線

陰線の次の足が、陰線の始値とほぼ同じ水準から始まり陽線となったもので、下降トレンドの終盤で形成された場合は、トレンド転換を示唆します。

あるいは、

陽線の次の足が、陰線の始値とほぼ同じ水準から始まり陰線となったもので、上昇トレンドの終盤で形成された場合は、トレンド転換を示唆します。

5-1-7. あて首線

陰線の次の足が、陰線の安値を大きく下回って始まり、陰線の安値付近まで戻して陽線となったもので、上昇の予兆を意味します。

5-1-8. 入り首線

あて首線に似ていますが、陰線の安値を若干上回ったもので、上昇の予兆を意味します。

5-1-9. 差し込み線

入り首線に似ていますが、陰線の実体の中心近くまで上昇したもので、上昇の予兆を意味します。

5-1-10. 出合い線

陽線の次の足が、陽線の高値を大きく上回り始まったが、陽線の終値付近まで下落したもので、上昇トレンドの終盤であれば、トレンド転換を示唆します。

あるいは、

陰線の次の足が、陰線の安値を大きく下回り始まったが、陰線の終値付近まで上昇したもので、下降トレンドの終盤であれば、トレンド転換を示唆します。

 

5-2. 複数のローソク足パターンのまとめ

複数のローソク足パターンといっても、実は考え方は1本の場合と同様です。2~3つのローソク足から1つのローソク足を想像(イメージ)し、そこからは単線分析をおこないます。

なお、それらが形成される直前のトレンドと形成された価格水準にも注目するようにしましょう。

※複数のローソク足の合成については、チャートツール上で描画できないことが多いので、投資家自身が複数のローソクを観測してイメージするしかありません。

※1分足であれば、2分足、3分足として表示することできますが、日足や週足の場合は、2日足や2週足を表示できるチャートツールは少ないです。

 

6. 酒田五法の代表的パターン

酒田五法については、「江戸時代の米相場で活躍した本間宗久が考案した、日本独自のローソク足分析手法」と紹介されることがありますが、ムック本や一部証券会社のWEBサイトに見られるこの説明は、史料的には正確とは言えません。

昭和初期までにそれまで考案・蓄積されてきた罫線分析法が整理され、総称して酒田五法と呼ばれるようになりました。
(出所:日本テクニカルアナリスト協会 発行 第1次通信教育講座 テキスト第2分冊)

なお、「酒田五法」という名称の「酒田」は、江戸時代に米相場で名を馳せた本間宗久の出身地である庄内地方(現在の山形県酒田市周辺)に由来するとする説が広く知られています。

酒田五法は、「三山」「三川」「三空」「三兵」「三法」の5つの代表的な型を軸に、相場の転換と継続を読み解く体系として整理されています。

6-1. 三山とは

三山とは、高値圏で似た水準の山(高値)が3回現れ、上昇力の限界と天井形成を示唆する転換パターンです。

相場心理としては、
「2回目までは買いが続いたが、3回目で高値を超えられず、買い手が力尽きた状態」を表します。いわば、「上昇トレンドの息切れサイン」です。

三山のイメージ

したがって、上昇トレンドの終盤で三山が形成されると、下落トレンドに転換する可能性が高いと考えられます。

なお、海外のパターン分析では、こういった形状をヘッド・アンド・ショルダーズ・トップと呼び、下降トレンドへの転換のサインとしています。

ポイント💡

「三尊崩れは大相場」という格言があります。上記のイメージで三尊を形成した後、下落トレンドに入らず上昇し、真ん中の一番高い山の高値を上回るケースです。その場合は、再度、上昇トレンドに入ることが多いため、このように呼ばれます。したがって、売買をする際には、3つの山を形成後、直前2つの谷を割り込んだことを確認してから「売る」ということが重要で、この水準を再度上回る場合は、「売り」を損切りするなどして対応すべきです。

 

6-2. 三川とは

三川には次の 2つの解釈 があります。

6-2-1.三山の逆形(逆三尊)で、三つの安値(谷)から底打ちを示唆するチャートパターン

三川(逆三尊)のイメージ

したがって、下降トレンドの終盤で三川(逆三尊)が形成されると、上昇トレンドに転換する可能性が高いと考えられます。

なお、海外のパターン分析では、こういった形状をヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトムと呼び、上昇トレンドへの転換のサインとしています。

6-2-2. 「三川 明けの明星」「三川 宵の明星」などに代表されるローソク足のパターン

三川のもう1つの解釈が、基本的には3本(あるいはそれ以上)のローソク足で形成されるチャートパターンで、代表的なものには、「三川 明けの明星」「三川 宵の明星」があります。

明けの明星と宵の明星のイメージ

三川 明けの明星

三川 明けの明星は、これから夜が明ける頃に天空にきらめく金星(明星)をイメージしたものです。ローソク足のパターンは、大陰線の次に、大陰線よりも低い位置で小陽線(あるいは小陰線)があり、これに続いて、これを上回る位置に大陽線が並びます。

下降トレンドの終盤で形成された場合、上昇トレンドへの転換の可能性が高いと考えます。

なお、この安値で形成された小陽線(あるいは小陰線)を金星に見立てていること、また、これから上昇トレンドに入ることを夜明けになぞらえている点が興味深いです。

 

三川 宵の明星

三川 宵の明星は、これから夜が更ける頃に天空にきらめく金星(明星)をイメージしたものです。ローソク足のパターンは、大陽線の次に、大陽線よりも高い位置で小陽線(あるいは小陰線)があり、これに続いて、これを下回る位置に大陰線が並びます。

上昇トレンドの終盤で形成された場合、下降トレンドへの転換の可能性が高いと考えます。

それ以外の三川パターン

実は、昭和中期ごろまでの文献を確認すると、三川には上記以外にも「三川 流れ星」「三川 両包み」「三川 両孕み」といった様々なパターンがあったのですが、現在では注目されなくなっているため、今回は割愛します。

 

6-3. 三空とは

三空とは、相場の中で「空(窓・ギャップ)」が3回連続して出現するチャートパターンです。特に三つ目の窓は、勢いの最高潮や行き過ぎ(買われ過ぎ・売られ過ぎ)を示す警戒サインとして重視されます。

三空のイメージ

相場格言では、「三空 踏み上げは売り向かえ」、「三空 たたき込みは買い向かえ」と呼ばれます。窓をあけた急激な上昇や下落は、その後、調整する可能性があるという事です。

6-4. 三兵とは

三兵とは、同方向に並んだ3本のローソク足から、トレンドの継続や勢いの強さを判断するチャートパターンです。

代表的なものに

赤三兵(三兵行進):強い買い継続を示唆

黒三兵(三羽烏):強い売り継続を示唆

があります。

三兵のイメージ

 

なお、1950年4月に株式之研究社より出版された「酒田戦術詳解」では、三兵は「赤三兵」を意味し、黒三兵(三羽烏)は三兵には含まれていませんが、現在は、三羽烏も三兵として扱われています。

赤と黒の由来は、ローソク足は、赤が陽線、黒が陰線で色分けされていたことにちなんでいます。一方、海外のローソク足の色は、緑が陽線、赤が陰線になっていますが、緑色が続いたら「赤三兵」、赤色が続いたら「黒三兵」と呼びます。

6-5. 三法とは

三法(さんぽう)にも、2つの解釈があります。

1つ目はチャートパターンによるもので、「上げ三法」と「下げ三法」があります。

三法(「上げ三法」と「下げ三法」)のイメージ

上げ三法:大陽線→小さな逆行のローソク足による保ち合い→再び大陽線という並び方

下げ三法:大陰線→小さな逆行のローソク足による保ち合い→再び大陰線という並び方

 

2つ目は行動原理による解釈です。
「売るべし 買うべし 休むべし」という相場格言がありますが、この「売る」「買う」「休む」という行動を表したものです。特に重要な事は、「休む」ことです。

「相場は、明日もある」と言われるように、「休む」(=チャンスを見計らって)を経て、ポジションを持つことが重要だという教えです。

『本間宗久翁秘録』においても「休む」ことの重要さが説かれています。

相場で思惑が外れた際や利益確定後、あるいは荒れた相場や、状況が読めない時には、一旦、マーケットから身を遠ざけて、相場動向を冷静に分析することを意味します。

7. FAQ

Q1. ローソク足パターンは本当に使えるのですか?
A1. 罫線分析の基本は、未来予測ではなく、相場心理の整理ツールです。市場全体の心理状態と売買の力関係を確認することで、今後の動向をイメージできるということです。

Q2. ローソク足パターンだけで売買しても大丈夫ですか?
A2. 罫線分析だけで売買するのは危険です。深い罫線分析と併せ、移動平均などのトレンド系指標やRSIなどのオシレーター系指標、出来高系指標による分析も組み合わせることで分析の精度が上がります。

Q3. ダマシが多いのはなぜですか?
A3. 罫線分析だけで判断しているケースが多くないでしょうか?トレンド・売られ過ぎや買われ過ぎ・出来高・時間軸などを無視せず、多角的に分析することが重要です。

Q4. 酒田五法と海外のパターン分析は何が違いますか?
A4. 大きな違いは、「時間軸」です。パターン分析は数週間から数か月以上にわたる期間で形成された価格推移のパターンとなります。

Q5. 初心者はどのローソク足パターンから覚えるべきですか?
A5. まず、単線分析の意味合いから覚えるようにしましょう。なぜなら、複線分析は、その応用だからです。また、酒田五法については、パターン分析と重なる部分が数多くあります。例えば、「三山及び三川」が「ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ及びボトム」、「団子天井及びなべ底」が「ソーサー・トップ及びボトム」、「毛抜き天井及び毛抜き底」が「ダブル・トップ及びボトム」などといった具合です。したがって、酒田五法は後回しにして世界的に広く知られるパターン分析を先に勉強すると良いと思われます。

Q6. FXと株でローソク足パターンの見方は変わりますか?
A6. 基本的には変わりません。しかし、基本的に24時間取引されるFX取引では窓(マド)空けとなるケースや、切り込み線やかぶせ線のように、次のローソク足の始値が前のローソク足からかけ離れた価格で始まるようなケースは、週末を跨ぐようなケース以外では稀です。また、店頭FX(取引所FX以外)においては、出来高の確認ができないため、他の分析手法なども併用して分析するようにしましょう。

Q7. ローソク足パターンはどの時間足が有効ですか?
A7. 日足以上の長い時間軸の方が有効と考えられます。罫線分析は、日足、週足、月足などから経験則的帰納法で考案された分析手法です。そのため、イントラディチャートで使えないという訳ではありませんが、有効度合いは日足以上のチャートの方が高いと考えられます。

Q8. 出来高が見られない市場でも有効ですか?
A8. 出来高が見られない市場でも有効ですが、出来高も確認できた方が信頼度は高まります。

8. まとめ

ローソク足のパターン分析(罫線分析)には、単線分析、複線分析、酒田五法があることが理解できたのではないでしょうか?

基本的に、ローソク足のパターン分析は、経験的帰納法によるもので、100%そうなるというものではありません。

ローソク足のパターン分析は、ローソク足1本、あるいは複数本の形状、価格帯、前後のトレンドに着目し、「マーケットのパワーバランス」と「市場参加者全体の心理状況」を読みとろうとすることがその極意です。


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