
1. はじめに:ウィリアムズ%Rとは?
ウィリアムズ%R(Williams %R、W%R)は、1966年にラリー・R・ウィリアムズ(Larry Richard Williams)によって考案されたオシレーター系テクニカル指標で、相場の「買われすぎ」や「売られすぎ」の状態を測るために使われます。%Rは、0〜100%(後述する計算式の違いで0〜−100%の場合もある)の範囲で推移し、一般的に20%より下は買われすぎ、80%より上は売られすぎと判断されます。
逆張り戦略に活用されることが多く、特にレンジ相場に強みを発揮します。
図1:W%Rは0~-100%で表示されるチャートツールもある(ファスト・ストキャスティクス%KとW%Rを上下に並べて表示)
※W%Rを0~-100%で表示させると、他のオシレータ系指標と同様、オシレータが上限に近いほど買われ過ぎ、下限に近いほど売られ過ぎになります。

1-1. ラリー・ウィリアムズ
ウィリアムズは、W%R以外にも、1976年に考案した究極オシレーター(UO、Ultimate oscillator)や、毎週米商品先物取引委員会が発表するCFTC建玉明細を利用したCOT指数など、数多くの市場指標を開発しました。
ラリー・ウィリアムズの有名な話といえば、ロビンズトレーディングカンパニー主催の1987年先物取引ワールドカップ(ロビンスカップ)において、12か月で1万ドルを113万7600ドル(11,376%)に増やして優勝したことでしょう。ちなみにその10年後、1997年のロビンスカップでは、彼の娘で現在は女優のミシェル・イングリッド・ウィリアムズ(Michelle Ingrid Williams、当時17歳)が優勝しています。
2. 計算式と理論的背景
ウィリアムズ%Rの計算式は以下の通りです:
%R = (Hn – C) / (Hn – Ln) × 100
Hn:過去n期間の最高値
Ln:過去n期間の最安値
C:現在の終値
※100ではなく-100を掛けるツールもある
ラリーウィリアムズのデフォルトは「n=10」ですが、他のオシレータ系指標同様「n=14」もよく使われます。
この指標は、現在価格が過去一定期間の最高値・最安値レンジのどこに位置しているかを示しています。これはストキャスティクスの%KのY軸を逆転させたものになります。
※-100を掛けて0〜−100%で表示されている場合は、%Kと全く同じ動き方になります。
2-1. ストキャスティクスとの違い
W%Rとファスト・ストキャスティクスの違いは、W%Rがラインが1本なのに対し、ファスト・ストキャスティクスは%Kとそれを移動平均させた%Dの2本のラインがあるという点だけです。
W%Rとファスト・ストキャスティクスの%Kだけを見れば、軸が逆転している以外は、全く同じものです。
そのため、W%Rよりもファスト・ストキャスティクスの方が使いやすいです。それは補助指標である%Dがあることで%Kのトレンドが把握できるからです。
⇒ストキャスティクスについての解説記事
図2:ストキャスティクスの%KとW%R(0~100%で表示されるツールの場合)の違い(どちらもn=14、%KとW%を目立たせるためR%Dは薄い黒色で表示)

3. ウィリアムズ%Rの使い方
3-1. 売買サイン(0~100%表示のケース)
・W%Rが80%以上で反転下落 → 買いシグナルの可能性
・W%Rが20%以下で反転上昇 → 売りシグナルの可能性
・W%Rが50%より下側で推移 → 上昇トレンド
・W%Rが50%より上側で推移 → 下降トレンド
・ダイバージェンスの活用
⇒価格が安値更新しているにもかかわらず%Rが高い水準で下降(またはその逆)している場合、相場の転換が近いことを示唆することがあります。
3-2. 売買サイン(0~-100%表示のケース)
・W%Rが-80%以下で反転上昇 → 買いシグナルの可能性
・W%Rが-20%以上で反転下落 → 売りシグナルの可能性
・W%Rが-50%より上側で推移 → 上昇トレンド
・W%Rが-50%より下側で推移 → 下降トレンド
・ダイバージェンスの活用
⇒価格が安値更新しているにもかかわらず%Rが低い水準で上昇(またはその逆)している場合、相場の転換が近いことを示唆することがあります。
3-3. ウィリアムズ%Rの相場環境との相性
W%Rは、レンジ相場では逆張り的に機能しやすいですが、トレンド相場ではだましが多くなるため、トレンド系指標との併用が推奨されます。
※上昇トレンド時の押し目買い、下降トレンド時の戻り売りタイミングを計るといった使い方は可能
4. 他のテクニカル指標との併用例
◎ 移動平均線(SMA、EMA):トレンド方向を確認し、横ばいトレンド時に逆張りサインとして使う
※上昇トレンド時は押し目買いの売買サイン、下降トレンド時は戻り売りの売買サインとして使う
〇 MACDやRSI:モメンタム系指標と併用することで信頼性向上
✕ ストキャスティクス:同じ意味合いの指標となるため、併用は意味が無い
5. 注意点と誤解
トレンド発生時には、逆張りサインが機能しづらくなる
80%以上だからといって即買い、20%以下だから即売りではない
ノイズを避けるため、時間軸を長めにしたり、複数の指標を組み合わせると良い
W%Rの上位互換となるテクニカル指標がファスト・ストキャスティクスであり後者を利用した方が使いやすい
6. 設定値の考え方とカスタマイズ
ラリー・ウィリアムズオリジナルのデフォルト値は10ですが、オシレータ系指標で一般的に利用される14で設定されているツールが多いです。
また、多くのチャートツールで期間の変更が可能です。売買する銘柄や相場環境、取引スタイルに合わせてカスタマイズしてみましょう。
・~14期間:売買サインが多くなる
・14期間:標準設定
・14期間~:売買サインが少なくなる
図3:W%Rのパラメータによる推移の違い(上から順にn=5、n=14、n=28)

7. まとめ:W%Rよりストキャスティクスの方が使いやすい
ラリー・ウィリアムズは、投資金を1年で100倍以上にした「10,000%の男」として有名です。
そんな凄腕投資家が考案したテクニカル指標であるため、多くのチャートツールでW%Rが搭載されています。
※表示形式が0~100%のものと0~-100%のものがあるので、見方には注意が必要です。
W%Rは、逆張りのエントリーポイントを見つけるのに役立つ指標ですが、同じコンセプトで分析をおこなうのであれば、使い勝手の良いストキャスティクスの活用をお勧めします。
それでも、「10,000%の男」にあやかって使ってたいという場合は、運用する資産クラスや銘柄に合わせてパラメータをカスタマイズして利用するようにしましょう。
【フジトミ証券のトレードツールならウィリアムズ%Rも利用可能】
※パラメータだけでなく、ラインの色や太さも変更可能です。






