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RSIとは?意味・使い方・売買シグナルの読み解き方をわかりやすく解説

2025.07.22

【はじめに】RSI(相対力指数)の「数式が語る意味」を再考する

RSI(Relative Strength Index/相対力指数)は、1978年に出版された「「New Concepts in Technical Trading Systems」(邦題:ワイルダーのテクニカル分析入門 -オシレーターの売買シグナルによるトレード実践法-、著者:John Welles Wilder Jr.)で発表された、オシレーター系テクニカル指標の代表格です。

表面的には「買われすぎ・売られすぎ」を示すツールとして知られていますが、実際は相場のモメンタム(勢い)を数値化した指標で、一定期間における相対的な相場の速度を示したものになります。

1. RSIの構造と計算式


RSIの計算式には、ワイルダーが考案したものとカトラーが考案したものの2種類があります。

1-1. ワイルダーの計算式(オリジナル)

RSI = 100 – (100 ÷ (1 + RS))
RS = N期間における平均上昇幅 ÷ 平均下落幅
ここで、平均上昇幅・下落幅はいずれも絶対値を用い移動平均(修正移動平均)化して求めます。

上記の計算式をもう少しわかりやすくしたものが以下の計算式です。

RSI = 過去n期間の前日比プラスの平均 ÷ 過去n期間の前日比を絶対値化したものの平均 × 100

なお、ここでワイルダーは修正平均を使っています。
修正平均の計算方法は、期間をnとすると以下のとおりです。

修正平均 = ( 前日の修正平均 ×( n-1 ) + 当日の値 ) ÷ n

これは、平均の算出を簡素化する為に使われたものと思われます。

1-2. カトラーの計算式(バリエーション)

カトラーの計算式は、ワイルダーの計算式の単純移動平均版と呼ばれることがありますが、実際は、約分されるため移動平均の計算式は使いません。
計算式は以下のとおりです。

RSI = 過去n期間の前日比プラスの合計 ÷ 過去n期間の前日比を絶対値化したものの合計 × 100

1-3. RSIの計算式の違い

たとえば、5日間の値動きが前日比で3日10円ずつ上がり、2日10円ずつ下がった場合、5日間の前日比の合計は50円、平均値は10円、前日比プラスの合計は30円、前日比プラスの合計を5日で割り算すると6円です。

すると、カトラーの計算式でRSIを計算すると、以下のとおりです。
RSI(5) = 60% = 30円 ÷ 50円 × 100 (5日間値幅の合計で計算)
RSI(5) = 60% = 6円 ÷ 10円 × 100 (5日間の値幅の単純平均で計算)

なお、ワイルダーの計算式の場合、最初の5日分の計算はカトラーと同じですが次の日から変わります。例えば、6日目が前日比プラス10円であれば、ワイルダーの場合は以下のとおりです。

前日比プラスの平均: 6.8 = ( 6円 × 4 + 10円 ) ÷ 5
前日比の平均: 10 = ( 10円 × 4 + 10円 ) ÷ 5

RSI(5) = 68% = 6.8 ÷ 10 × 100

一方カトラーの場合は、

前日比プラスの合計:30 = 10 + 10 +10
※2日目と3日目と6日目の前日比の合計
前日比の絶対値の合計 : 50 = 10 + 10 + 10 + 10 + 10

RSI(5) = 60% = 30 ÷ 50 × 100

このように計算式が若干異なるため、ワイルダーの計算式とカトラーの計算式では、2日目以降に出力される結果が変わります。

なお、1970年頃は、電卓(電子式卓上計算機)も車1台分と高価(メーカーや機種にもよるが、概ね40万円~80万円程度)で、重量が15kgから20kg以上、消費電力も50Wから100Wを超える大型の卓上計算機でした。

当時、一般家庭では紙に書いて計算するか、日本ならそろばんを使っていたような時代です。

そういう時代だったからこそ、ワイルダーは、一定期間14日の値幅を計算手順の多くなる合計ではなく修正平均で算出していたのだと思われます。
一方、電子計算機(PC)が普及した現在では、複雑な(というよりも手数の多い)計算もPCで処理できるため、カトラーの計算式が一般的に使われるようになったと考えられます。

 

1-4. 計算式からわかるRSIの本質

ワイルダーとカトラーの計算式には若干の違いがあるとはいえ、どちらの計算式もRSIが意味するところは同じです。

「一定期間の前日比における絶対値の合計に対して、前日比上昇の値幅合計がどの程度の割合なのか」

言い換えると、

「一定期間の値動きに対する上げ幅の割合」

です。

さらにもっとラフな言い方をすれば、「一定期間の上昇速度と下落速度」あるいは「一定期間の上昇圧力と下落圧力」といってもいいでしょう。
そして、上昇と下落の分水嶺が50%ということになります。

したがって、RSIが50%なら相場の速度は0、50%より高く100%に近いほど相場の上昇速度は速く、50%より低く0%に近いほど相場の下落速度は速いということになります。

また、市販の相場関連のムック本などでは、「RSIが70%以上は買われ過ぎなので売り」、「RSIが30%以下は売られ過ぎなので買い」という短絡的な表現をしているケースがあると思います。

確かにこういった表現の方がキャッチーでわかりやすいのでしょうが、上記のようにRSIは相場の上昇/下落の相対的な強さ(速度・圧力)をスコア化した指標で、価格変動の圧力バランスを評価するものとなるため、単なる「上下限での売買サイン」ではないことがわかります。

事実、強い上昇トレンドや下降トレンドが継続する相場では、RSIが買われ過ぎや売られ過ぎの水準に張り付いたまま推移することがあります。

RSIが70~80%あるいは100%に近いほど買われ過ぎ、20~30%あるいは0%に近いほど売られ過ぎとは、相場の上昇速度や下落速度が速すぎることを意味しており、必ずしも70%や30%を超えたら相場のトレンドが反転するという事ではありません。

テクニカル分析の教科書、NTAAの「第1次通信教育講座 テキスト 第3分冊」には、RSIを売買サインとして利用する場合は、RSIが上方基準線(一般的には70~80%)を下回るときに売り、RSIが下方基準線(一般的には20~30%)を上回るときに買いと書かれています。

これは、その後、RSIが50%に接近し、50%を超えることを見越した売買判断です。

仮にRSIが70%を下回ったとしても、その後も50%以上の水準で推移するなら、相場自体の速度は緩やかな上昇となります。

こういったことを理解して利用すれば、単にRSIが70%を超えた、あるいは70%を下回ったから売りという短絡的な判断は防げます。

2. RSIの特性とトレーディングへの示唆

■ 通常のシグナル基準

ここでは、RSIの水準とその解釈、更にテクニカル分析としての一般的な売買判断についてまとめます。
・70%超:相場の上昇速度が速すぎ≒買われすぎ ⇒ 売りの準備
・70%を下回る:相場の上昇速度が低下し下降トレンドに転じる可能性 ⇒ 売り
・50%を下回る:相場は上昇トレンドから下降トレンドに転換 ⇒ 売り、あるいは売り継続

・30%割れ:相場の下落速度が速すぎ≒売られすぎ ⇒ 買いの準備
・30%を上回る:相場の下落速度が低下し上昇トレンドに転じる可能性 ⇒ 買い
・50%を上回る:相場は下降トレンドから上昇トレンドに転換 ⇒ 買い、あるいは買い継続

■ 補足:ボラティリティとの関係性

勢いの強いトレンドが長く継続する場合、RSIが70以上または30以下の状態を長期間維持することがあります。
「トレンド相場」においてオシレーター系テクニカル指標が買われ過ぎや売られ過ぎで張り付いてしまう状態です。これをトレンド転換のサインとして判断しないためには、トレンド系のテクニカル指標なども併用し、トレンド転換を見極める必要があります。

3. RSIの応用的なトレーディング戦略

① ダイバージェンス(逆行現象)

ダイバージェンスとは、価格とテクニカル指標が逆行することです。具体的には、価格は上昇しRSIが下降している状態(ネガティブ・ダイバージェンス)、あるいは価格が下落しRSIが上昇している状態(ポジティブ・ダイバージェンス)です。
たとえば、価格は上昇しRSIが下降しているということは、上昇トレンドではあるものの相場の上昇速度が低下していることを意味します。
言い換えると、相場が(売り圧力に押されて)上がりにくくなっているという事です。

そのため、ダイバージェンスの発生は、近い将来のトレンド転換を示唆している訳です。もちろん、ダイバージェンスが起きたら必ずしも近い将来にトレンド転換するということではありません。スピード調整の可能性もあります。
※スピード調整:上昇相場や下降相場における一時的な反落や反発、あるいは保ち合い相場などのことで、「日柄調整」ともいう

 

・ポジティブ・ダイバージェンス(上段の価格チャートと下段のテクニカル指標が近づいているため「コンバージェンス」とも表現します。)
⇒ 価格は下落しているがRSIが上昇している → 上昇トレンドに転換する可能性

・ネガティブ・ダイバージェンス(上段の価格チャートと下段のテクニカル指標が乖離しているため単に「ダイバージェンス」とも表現します。)
⇒ 価格は上昇しているがRSIが下降している → 下降トレンドに転換する可能性

 

② RSIのパラメータ調整

デフォルトは14期間(中期モメンタム向け)
ワイルダーがRSIのパラメータを14期間にした根拠は、ワイルダーがトレードしていた小麦の相場が28日のサイクルだったからです。
仮に相場が14日間1円ずつ上昇した後、その後の14日間は1円ずつ下落するようなケースであれば、RSIは最高値で100%、最安値で0%に達します。
このように、RSIのパラメータの設定は、取引する銘柄のトレーディングサイクルで検討するのが基本です。

・より鋭敏な反応が欲しい場合:5〜9期間

・長期投資や週足チャートなどの場合:21〜25期間

③ RSIと他指標のコンビネーション

・RSI × 移動平均線: モメンタム × トレンド

・RSI × ボリンジャーバンド: モメンタム × トレンド&ボラティリティ

・RSI × ADX: モメンタム × ボラティリティ(ADXが20~25以上など)

④ ラリー・コナーズのRSIの使い方

ラリー・コナーズ(Laurence A. Connors、Larry Connors)は、コナーズグループのCEOで、様々なトレーディングアイデアを構築しています。
その中の1つが200日MAと5日MA、RSI(2)を利用した売買です。
具体的には、以下のような売買をおこないます。
買い:価格が200日MAより上にあるときRSI(2)が5%以下のときに買いポジションを持ち、価格が5MAを上回ったら決済
売り:価格が200日MAより下にあるときRSI(2)が95%以上のときに売りポジションを持ち、価格が5MAを下回ったら決済

 

4. RSIの限界と注意点

■ 「だまし」への対応
RSIは、レンジ相場では有効に機能しますが、一方向の強いトレンド下では機能しづらくなる傾向があります。

たとえば、相場が強い上昇トレンド中は、RSIが70~100%付近で推移し70%を一時的に下回ることがあっても、価格はさらに上昇を続けます。
このため、「逆張りシグナルの過信」は禁物で、環境認識(特にトレンド分析)が必須です。

■ 水準に頼りすぎない分析が重要
RSIが70%だから売る、30%だから買うという機械的判断はリスクが高い。

RSIが「どのような地合いで」高水準/低水準にあるのか、コンテキストの読み取りが必要。

 

【まとめ】RSIは相場の「内部圧力」を数値化する強力なツール

RSIは、価格変動の勢い(速度)と売買の圧力をシンプルなスコアで表す優れたオシレーター系指標です。50%を分水嶺としてトレンドの確認もでき、反転シグナルの補助材料としても優秀です。

ただし、その運用にはトレンドとの相関、他指標との複合分析、パラメータ調整などの高度な視点が求められます。RSIの本質を理解し、コンテクストに応じた柔軟な使い方を心がけることが、テクニカル分析での成功に繋がるでしょう。

RSIは単体でも有用ですが、トレンド系指標やボラティリティ指標との組み合わせにより、さらに実践的なトレーディング判断が可能となります。RSIの特性を正しく理解し、相場環境に応じた柔軟な戦略立案が鍵となるでしょう。

【フジトミ証券のトレードツールならRSI(相対力指数)も表示可能】
※パラメータだけでなく、ラインの色や太さも変更可能です。

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