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ボリンジャーバンド完全ガイド|使い方・計算方法・実践テクニック

2025.06.06


前回の記事では、移動平均について解説いたしました。これからは、移動平均線を応用したテクニカル指標について解説致します。
まず、第1弾は「ボリンジャー・バンド」です。

1. ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差を組み合わせたテクニカル指標で、価格変動の範囲を視覚化し、売買のタイミングを分析するために活用されます。

中心の移動平均で相場の方向性を確認できる
移動平均の上下のバンドで、価格変動の範囲をイメージできる

【米ドル円 日足チャート ボリンジャーバンド(期間20、±2σ、±3σ)】

1-1.標準偏差(σ:シグマ)とは

ボリンジャーバンドの解説の前に、標準偏差を簡単に説明します。標準偏差とは「データのばらつき具合を表す指標」です。例えば、あるクラスの数学のテストの点数を考えてみましょう。

・Aクラスの平均点が70点で、大半の生徒が68〜72点の間にいる
・Bクラスの平均点も70点だけど、0点の人もいれば100点の人もいる

どちらも平均点は70点ですが、Bクラスは点数のバラつきは大きいです。 この「バラつきの大きさ」を数値で表したのが標準偏差です。

・Aクラス → 標準偏差が小さい(みんなの点数が似ている)
・Bクラス → 標準偏差が大きい(点数に大きな違いがある)

1-2.標準偏差の計算方法

標準偏差は、「各データと平均の差」を使って計算されます。
step1.各データの平均を求める
step2.各データと平均の差を計算して、それを二乗する。(二乗するとマイナスが消えて、ばらつきが強調されます)
step3.すべての値を合計し、データ数で割る(これを「分散」と呼びます)
step4.分散の平方根(ルート)を取る 。→ これが標準偏差です。

1-3.どんな時に役立つの?

標準偏差があると、データの「安定性」や「変動の大きさ」を比較できます。 身近な例では以下のようなものが挙げられます。
投資:価格の動きが安定しているか(ボラティリティの分析)
各種テスト:得点や品質のばらつき度合いを確認

このように、身の回りのいろいろな場面で標準偏差は利用されています。

1-4.正規分布(ベルカーブ)と標準偏差


正規分布(ベルカーブ)は、多くの自然現象やデータに適用できる統計モデルで、データが平均値付近に集中し、両端にいくほど少なくなるという特徴があります。
±1σ の範囲(平均 ± 1標準偏差) → 約 68.3% のデータがここに含まれる
±2σ の範囲(平均 ± 2標準偏差) → 約 95.4% のデータがここに含まれる
±3σ の範囲(平均 ± 3標準偏差) → 約 99.7% のデータがここに含まれる

つまり、あるデータの集合が正規分布なら、ほとんどのデータは ±3σ の範囲内に収まり、それを超えるデータは 極めて稀(まれ)ということになります。

1-5.ボリンジャーバンドの特徴


価格の変動範囲を予測:±1σ、±2σ、±3σのバンドを表示し、価格がどの範囲に収まるかを統計的に示します。
具体的には、過去一定期間の終値が平均値に対してどれくらいの範囲で収まっているのかを示しており、ボリンジャーバンドは、ベルカーブを横に寝かせたようなイメージになります。

一般的には、移動平均線(中心線)に加え、±2σ、±3σの組み合わせを利用しますが、中心線と±1σ、±2σを組み合わせて利用するケースも良く見られます。
トレンドの判断:中心線とバンドの収縮(スクイーズ)と拡張(エクスパンション)を利用して、相場の転換点を見極める。

中心線が横ばいでバンドがスクイーズしているときは、レンジ相場と判断
中心線でトレンドが確認できバンドがエクスパンションしているときは、トレンド相場と判断

2. ボリンジャーバンドの計算方法

ボリンジャーバンドの計算方法は以下の通りです。

・移動平均線 (SMA) の計算
・標準偏差(σ)の算出
・ボリンジャーバンド=SMA(n)±a×σ(aは通常1~3までの整数)

標準偏差を用いることで、価格のばらつきを視覚化し、相場のボラティリティを把握できます。

 

3. ボリンジャーバンドの使い方

ボリンジャーバンドを使った主なトレード手法を紹介します。

3-1.順張り・逆張りの戦略

3-1-1.順張り(トレンドフォロー戦略)

エクスパンションが発生し価格が±1σ、±2σに達した際に、トレンド方向に沿ってエントリーします。
考案者であるジョン・ボリンジャー自身の基本戦略です。価格が±1σや±2σに到達した場合は、これまでの相場環境と比較すると統計的な異常値と捉えることもできます。
これを強いトレンドの発生と考えて、トレンドフォロー戦略をとると言うもので、ボリンジャーバンドを利用する際の最もベーシックな考え方になります。ただし、後述するヘッドフェイクには注意が必要です。

3-1-2.逆張り(カウンタートレード戦略)

ボリンジャーバンドがスクイーズ状態の中で、価格が±2σまたは±3σに達した際に、相場の反転を狙ってエントリーする順張りとは真逆の売買戦略です。
価格は移動平均にからみつくように推移します。その上で±2σや±3σへの到達を買われ過ぎ・売られ過ぎと捉え売買する戦略で、レンジ相場が継続する相場環境で機能します。
イントラディチャート(日中足チャート)のようなより短い時間軸になる程、チャート上で確認できるのはトレンド相場よりレンジ相場形成期間が長くなりがちなため、短期売買のシステムトレード戦略として採用されるケースが多くあります。ただし、トレンド相場に変化すると大きな損失に繋がるため、ストップロスをどのように置くのかが重要です。

※そもそも論として価格は、移動平均に対し正規分布ではありません。移動平均自体が価格に対し遅行した指標であるという問題もあります。更に平均と標準偏差を計算する期間によって価格帯やボラティリティが異なるため、厳密に言えば、±1σや±2σへの到達が、統計的な異常値とはいえません。そういった前提を理解した上で、±1σや±2σへの到達をトレンドの発生や過熱感の高まりと読み取るということが重要です。

3-2.バンドウォーク

価格がバンドの上限または下限に沿って動く現象。強いトレンドが発生している可能性が高い。具体的には、上昇トレンド時に概ね+1σから+2σの間、+2σから+3σの間で、相場が推移するような状況やその逆の状況のことを指します。

3-3.スクイーズとエクスパンション

スクイーズ:バンドが収縮し、ボラティリティが低下。トレンド転換の前兆となる場合が多い。スクイーズが継続する場合はレンジ相場とも読み取れます。スクイーズの状態から、バント幅が拡大し始めた時に、トレンド相場への転換の予兆と捉えることができますが、後述するヘッドフェイクに注意が必要です。

エクスパンション:バンドが拡大し、ボラティリティが上昇。新たなトレンドが発生する可能性がある。バンド幅の拡大が継続する場合はトレンド相場と読み取れます。エクスパンションが続いた後、バンド幅が収縮し始めた時は、レンジ相場、あるいはトレンド転換の可能性が出てきます。

ヘッドフェイク:ボリンジャーバンドがスクイーズの状態からエクスパンションする際に、一度、相場がプルバックする動きを見せることがあり、これをヘッドフェイクと呼びます。具体的には、バンドがスクイーズし-2σや-3σを超えて下落したのちに、それらを上回って上昇トレンドに転じるような状況における「-2σや-3σへの一時的な下落する動き」やその逆を指します。

4. 実際のトレードに活かす方法

ボリンジャーバンドを活用して、収益と勝率を高める方法を紹介します。

4-1.ボリンジャーバンドのトレンドフォロー戦略

上述のとおり、(中心線を含め、)±1σ、±2σを超えた際に順張りでエントリーする戦略です。短期相場で利用する場合は、レンジ相場の期間が多くなるため、長期的な時間軸でトレンド相場かレンジ相場かを判断して利用します。
具体的には、日足チャートや、4時間足、8時間足チャートのトレンドを移動平均線などのトレンド系指標を利用して相場の方向性を判断し、5分足や1時間足など前述のチャートよりも短い時間足のチャートにボリンジャーバンドを表示し、エントリーの売買判断を行う。(実際トレードに利用する5分足チャートなどに、日足チャートと同様の長期トレンド系指標を表示させるという方法もあります。例えば、米ドル円日足 20日MAは、理論上1時間足 480時間MAとほぼ同じです。)
エグジット(ポジションの決済)の判断は、以下のとおりいくつものアイデアが考えられます。

エグジット(ポジションの決済)の例
1.エントリーの判断根拠を否定した場合
2.保有したポジションの保有価格に対し、一定の値幅、一定の変化率でリーブオーダー(指値注文、逆指値注文)
3.ボリンジャーバンドのエントリーとは異なる指標を利用し決済
4.ボリンジャーバンド以外のテクニカル指標を利用して決済(例えば、短期EMAなど)
5.一定値幅、一定の変化率でのトレーリングストップ
6.一定時間(期間)による決済
7.上記1~6の組み合わせ

4-2.ボリンジャーバンドのカウンタートレード戦略

上述のとおり、±1σ、±2σ、±3σを超えた際の逆張り、または、±1σ、±2σ、±3σを交差して中心線に戻るタイミングでエントリーする戦略です。日足や週足などで利用するよりもレンジ相場の期間が多いイントラデイチャート(日中足)で活用した方が機能しやすい傾向にありますが、トレンド発生時に注意が必要で、エグジットの設定が重要になります。特に相場が±3σを超えた際に逆張りでポジションを保有した場合、ストップロスをどこに置くのかについては、±3.1σや±3.2σ、±3.3σ…..などの指標を利用する方法もあります。

4-3.売買戦略において大切な事はリスク管理

トレンドフォロー戦略でもカウンタートレード戦略でも最も大切な事はリスク管理です。すなわちエグジット(ポジションの決済)ルールの構築が最も重要だという事です。
上記のエグジットルールなども参考に、できれば、目視で過去の傾向をチェックするだけでなく、自身でバックテスト(過去その戦略で上手く機能していたのかをシミュレーションすること)をおこない、売買サインに利用する指標などのパラメータを修正(最適化)していくことが理想です。

4-4.過剰最適化にも注意

過剰最適化とは、ある一定期間の相場においてバックテストの結果が最大のパフォーマンスになるように修正することをいいます。確かにその一定期間では、「ベスト」のパラメータになりますが、今後の相場も全く同じ相場推移とは限りません。もしかしたら似たような相場推移になるかもしれませんが、どちらかといえば全く異なる相場推移になるでしょう。そのため、パラメータの修正をする上で重要なことは、同じ期間ではなく異なる複数の期間や、異なる複数の銘柄でもある程度のパフォーマンスが期待できるかを確認することです。

5. まとめ

今回は、移動平均線の応用の第一弾としてボリンジャーバンドを取り上げました。後半最後の部分は、ボリンジャーバンドを利用したシステムトレードまで踏み込んでしまいましたが、ボリンジャーバンドがどういうコンセプトで考案されたのかをしっかり理解することができれば、正しく活用することができ、トレードの精度を向上できます。是非、みなさんの売買戦略にもボリンジャーバンドを活用してみましょう。

※今回は、狭義のボリンジャーバンドについての説明となります。広義のボリンジャーバンドには、中心線とその上下のバンドライン以外に、Bandwidth(バンドウィズと読み、帯域、バンド幅という意味)、%B(パーセントビーと読む)という2つの指標があります。
Bandwidthは、バンド幅をわかりやすく示したものでスクイーズやエクスパンションが把握しやすくなります。
%Bは、下方バンドを0%、上方バンドを100%として、価格がどのあたりにいるのかを%表示したもので、ストキャスティクスの計算式と同様ですが、%Bの場合は、0%を下回ることも100%を上回ることもあります。

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