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ローソク足で分析?初心者でもわかるローソク足分析を徹底解説

2025.04.25

この記事では、ローソク足を使った相場分析の方法(罫線分析)について解説します。ローソク足の見方や意味合いを知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。

 

1本のローソク足だけで分析できる? それとも2本以上必要?

FXや株、コモディティ、債券、暗号資産など、すべての金融商品に共通するチャートが「ローソク足」です。

この記事では、「ローソク足」を使った分析手法(=罫線分析)を『ローソク足1本で分析する「単線分析」』と、『複数本で分析する「複線分析」』という2つのアプローチで解説していきます。

ローソク足分析には2つの手法がある

ローソク足から相場を分析する方法は、大きく分けて以下の2つです。
①単線分析(たんせんぶんせき):1本のローソク足で分析
②複線分析(ふくせんぶんせき):2本以上のローソク足を組み合わせて分析

どちらの手法も重要ですが、複線分析の基礎となるのは単線分析です。まずは1本のローソク足から相場の動きをどう読み取るかを理解しましょう。

 

【単線分析】ローソク足1本で相場の心理を読む

ローソク足の『実体(四角い部分)』の大きさと『ヒゲ(上下に伸びる線)』の長さから、相場の心理状態を読み取ることができます。

 

大陽線と大陰線

大陽線:買い圧力が強く、始値から終値まで一直線に価格が上昇。
大陰線:売り圧力が強く、始値から終値まで下落が続いた。
→ 大陽線が日足で出現した場合、今後も買い優勢の流れが続く可能性があります。

上下どちらかに長めのヒゲがあるローソク足の意味

下影陽線:「一度は下がったが、買い戻されて上昇して終えた」→ 上昇転換の兆し。
上影陰線:「高値を付けたが、売られて下落」→ 下落転換の兆し。
※上昇トレンド中の高値圏で出現すると、**「天井サイン」**として重要視されます。

実体の小さいローソク足

同時線(十字線)や小陽線、小陰線は、売りと買いの力が拮抗している状態。
チャート上でこれらが出たら、「高値を超えたら買い」「安値を割ったら売り」という判断が有効です。
(解説)
実体の小さいローソク足は、保ち合い(もちあい)相場になっていることを意味します。相場格言に「保ち合い離れに着け」というものがありますが、レンジ相場を形成している最中の市場参加者は、そのレンジが居心地が良いと感じています。しかし、何かしらの材料により価格がそのレンジを超えて推移し始めたとき、市場参加者の心理状況は一変、トレンドが発生しやすいということです。

【ローソク足の細分化】形状でわかる強弱

大陽線の種類

 

陽の丸坊主:始値=安値、終値=高値 最も強い買いシグナル
陽の大引け坊主:終値が高値 買い継続の期待あり
陽の寄付坊主:始値が安値 スタートは強いが終盤はやや弱い印象

上影/下影が長いローソク足

【上影が長いローソク足】

 

上影陽線・上影陰線:上ヒゲが長く、実体が小さい → 高値圏で出現すれば下落のシグナル。

トウバ(塔婆):上影が長い同事線、始値≒終値→ トレンド終焉のサイン
⇒欧米では、グレイブ(墓石)と呼ばれる

トンカチ:上影が長く実体が小さい→相場反転の可能性
⇒欧米では、ハンマーやシューティングスター(流星・流れ星)と呼ばれる

 

【下影が長いローソク足】

 

下影陽線・下影陰線:下ヒゲが長く、実体が小さい → 安値圏で出現すれば上昇の兆し。

トンボ:下影が長い同事線 → 上昇転換の可能性
⇒欧米では、ドラゴンフライと呼ばれる

カラカサ(首吊り線):下影が長く実体が小さい→相場反転の可能性
⇒欧米では、ハンギングマンと呼ばれる

 

【複線分析】複数のローソク足を組み合わせて読む

複線分析では、「2本以上のローソク足を合成し1つのローソク足として捉える」ことがポイントです。

 

ローソク2本を合成して考える

例:陰線Aと、陽線Bを合成した場合

 

→ 合成すると「カラカサ型(下影陽線)」になり、ABのローソク足の組み合わせが安値圏にあらわれれば上昇転換のサイン。

このような考え方で、2つ以上のローソク足を1つのローソク足に見立てて、相場動向を予測するという事です。

このように複線分析とは、2つ以上のローソク足(最初のローソク足の始値、全ローソク足の高値、全ローソク足の安値、最後のローソク足の終値)を合成して単線分析の考え方で市場の心理状況を把握して分析するため、単線分析さえ理解していれば簡単に応用できます。

 

酒田五法:日本発ローソク足のパターン分析

江戸時代の米相場師・本間宗久(ほんまそうきゅう)が発案したとされる(実際は違う!)「酒田五法」。

ちなみに、「酒田五法」の酒田とは、今の山形県酒田市の地名に由来します。
世界で最初の先物市場は、江戸時代、大阪堂島にあった米会所(こめかいじょ:お米の先物取引市場)で、このとき活躍していた相場師が酒田出身の「本間宗久(ほんまそうきゅう)氏」です。
本間宗久とは(wikipedia)

当時の酒田市が位置する庄内平野は、お米の一大生産地でした。
本間家はその庄内地方の商人で米相場で上げた利益などにより「本間様には及びはせぬが、せめてなりたや殿様に」と歌われるほどでした。
※本間物産(マルホンカウボーイ)や本間ゴルフは、この本間家の流れを汲んでいます。

その本間宗久が考え出したと伝えられている(実際、ローソク足が考案されたのは、本間宗久氏が活躍していたよりはるか以降、明治30年代頃です。)のが酒田五法と呼ばれる複数のローソク足の組み合わせによる分析です。

ここでは、酒田五法の中でも代表的なものを以下に紹介いたします。

 

【三山(さんざん)】

三山:高値圏に3つの山 → 天井サイン。別名「三尊」。
相場の高値圏で形成され、相場が下降トレンドへ転換する予兆とされています。

 

 

【三川(さんせん)】

三川:安値圏に3つの谷 → 反転上昇の兆し。別名「逆三尊」。
三山の逆で、相場の安値圏で形成され、相場が上降トレンドへ転換する予兆とされています。

 

三川明けの明星:下落後に小陽線→大陽線 → 上昇転換のサイン。ちなみに明星とは、「金星(Venus)」の事です。安値で窓空けし現れた小陽線を金星に見立てているのが、風情があると思いませんか?

三川宵の明星:上昇後に小陰線→大陰線 → 下落転換のサイン。

 

明けの明星は、夜明け前なのでこれから上がりそう、宵の明星は、そこから夜が更けるので今後下がりそうと覚えるといいかなと思います。

 

【三空(さんくう)】

「三空 踏み上げには 売り向かえ」と「三空 たたき込みは 買い向かえ」

 

「空(くう)」とは、隣り合うローソク足の間で取引されていない「すきま」の価格帯があることを言います。この「すきま」の事を「空(くう)」又は「窓(まど)」、海外では「Gap(ギャップ)」と呼ぶんです。

チャート分析では、「窓埋め」という表現があります。
相場が窓(まど)を空(あ)けて上昇した場合であれば、一度その窓の空いた「すきま」の価格帯を埋め尽くすように相場が下がるケースが多く、これを「窓埋め(まどうめ)」と言います。

「三空」とは、そういった「空(窓)」が3回連続で出現するようなケースの事です。
ちなみに「踏み上げ」とは、それまで売っていた人達が踏みつけられるように相場が上昇(売り方が大損している)すること、「たたき込み」は、それまで買っていた人達が上から叩かれて相場が下落(買い方が大損している)することを言います。

「三空 踏み上げには 売り向かえ」は「異常なくらいに買われ過ぎとなる高値水準まで上昇したので売りポジションを持て」、「三空 たたき込みは 買い向かえ」とは「異常なくらい売られ過ぎとなる安値水準まで下落したので買いポジションを持て」と言う意味で、どちらも相場の転換を示唆している訳です。

【三兵(さんぺい)】

 

・連続する3つの陽線を赤三兵(あかさんぺい)と言い、保ち合い相場や下げ相場の底値圏で同じくらいの大きさの陽線が3つ平行に並んだ形です。このパターンが出現した場合、相場はその後上昇しやすいと考えられます。黒三兵(くろさんぺい)は三羽烏(さんばがらす)とも呼ばれその逆です。
さて上述のとおり、海外では陰線のローソクは赤色でも黒三兵。逆に緑色で赤三兵になる。
それから、ネットなどでは、黒三兵を「黒い三連星」などと揶揄することもあるみたいですが、、、、そんなことはテクニカルアナリスト協会の教科書に書いてません。

【三法(さんぽう)】

 

上げ三法は、陽線の後に小さな陰線が3つ並び、その後、更に陽線となるパターンで、上昇継続パターンとなります。
注意する点は3つの陰線が最初の陽線の安値を下回っていないことです。

一方、下げ三法は陰線の後に小さな陽線が3つ並び、その後陰線が出現するケースで、こちらも3つの陽線が最初の陰線を上回らないことが条件となります。

※なお、上記とは別に三法には「売るべし、買うべし、休むべし」の意味もあると伝えられています。
マーケットは、いつでも開いているわけですから、相場が「下がる」という確信があるときは売り、「上がる」という確信があるときは買い、どう動くか「わからない」ときは、休みなさいという意味です。

【その他】

上記他、2本のローソク足がピンセット(毛抜き)のように見える「毛抜き天井」や「毛抜き底」、複数のローソク足が鍋の底のように緩やかにカーブした底値形成パターン「なべ底」、高値圏の同じ価格帯で小さなローソクが続く「団子天井」など、数多くのパターンがありますがここでは割愛いたします。

【エクセル(Microsoft Excel)を使ってローソク足チャートを作ってみよう】

四本値のデータがあれば、エクセルを使ってローソク足チャートを作ることが出来ます。作成方法は以下のとおりです。
1.エクセルの横軸を、日付、始値、高値、安値、終値、(出来高)としてデータを入力
2.入力したデータを全て選択し、「メニューバー」⇒「挿入」⇒おすすめグラフをクリック
3.「すべてのグラフ」タブを選択し、「株価」をクリック

更に関数なども利用すれば、オリジナルの2日足や3日足のようなチャートの作成もできる訳です。

 

まとめ:ローソク足は“投資家心理の記録”である

ローソク足の形状には、その時間帯の投資家たちの心理状態が凝縮されています。
単線でも複線でも、形だけを覚えるのではなく、**なぜその形が出現したのか?**を理解すること、すなわち「マーケットはどういう心理状態だったためにそのような値動きになった」のかを探る事が重要です。

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