
2024年7月。
日銀・植田総裁の発言をきっかけに、為替市場が大きく揺れ動いた――
いわゆる「植田ショック」です。
米ドル円相場は一時3円を超える急落を見せ、多くの投資家がポジションの維持に苦戦しました。
それではこの混乱期に、シストレセレクト365のストラテジーはどのように動いていたのでしょうか?
トレードツール上では過去1年分の履歴までしか閲覧できないため、当時の売買状況は直接確認できません。
そこで本記事では、前回の米ドル円のストラテジー検証に引き続き、バックテストデータを用いてユーロ円ストラテジーの売買動向やパフォーマンスを再検証します。
「急変相場で生き残った戦略」と「損失を拡大した戦略」を比較し、植田ショックを経た今だからこそ見える、自動売買の真価を探ります。
1. 「植田ショックとユーロ円相場」
植田ショック時のユーロ円相場は、7月30日の高値167.95から8月5日の安値154.42まで13円53銭下落。
これは、(ユーロ高)円安を見込んでユーロ円を10,000通貨買っていた場合、13万5,300円相当の損失です。
【ユーロ円 5分足 2024年7月30日~8月6日】

2. 検証条件(バックテスト概要)
上記のような相場推移の中で、シストレセレクト365のストラテジーはどのような運用結果だったのかを、以下の検証条件で各ストラテジーのロジック通りバックテストを実施します。
・対象:ユーロ円のストラテジー(全25ストラテジー)
・検証期間:2024年1月1日~2024年12月31日
・価格データ:ブルームバーグ インターバンク市場におけるEURJPYレート
・取引単位:1枚=1万ドル
・投資金額(証拠金額):1枚=69,600円(2024年の証拠金基準額の内最大値)
・バックテストの目的:「急変相場での運用結果の確認」
2-1.検証結果一覧
以下は、シストレセレクト365、ユーロ円のストラテジーのパフォーマンスを一覧化したものです。

・St名:ストラテジー名
・収益率 : 1枚運用した場合の投資金額(ユーロ/円1枚の証拠金額=69,600円)に対する損益合計の割合
※シストレセレクト365のトレードツールの収益率は、最大DDを加味したものになっている点に注意
・取引回数・利益回数・損失回数 : トレードの回数で、ポジション保有から決済までを1取引としてカウント
・損益合計 : 全トレードの損益を合算した金額
・総利益 : 全トレードのうち、利益のみを合算した金額
・総損失 : 全トレードのうち、損失のみを合算した金額
・PF(プロフィットファクター) : 総利益÷総損失
・平均損益 : 損益合計÷取引回数
・平均利益 : 総利益÷利益回数
・平均損失 : 総損失÷損失回数
・RRR : 平均利益÷平均損失
・勝率 : 取引回数に対する利益回数の割合
・ベージュの網掛け : 「平均利益>平均損失」で且つ「勝率は低め」のストラテジー(≒トレンドフォロー型)
・ブルーの網掛け : 「平均利益<平均損失」で且つ「勝率は高め」のストラテジー(≒カウンタートレード型)
2024年のユーロ円ストラテジーの結果は、「平均利益<平均損失」でコツコツ型のストラテジーの一部が成績上位3位を占めると同時に残りの3ストラテジーは不調でした。
一方、損小利大型のストラテジーで好調だったのは、カイトとレナぐらいで、それ以外のストラテジーは不調だったことがわかります。
なお、2025年10月16日現在、ユーロ円の直近1年間で損益合計が高いストラテジーベスト5は、以下の通りで2024年のパフォーマンスが低かったコツコツ型のユイ、タカ、レミと損小利大型のアカリが回復基調にあります。
・ユイ(カウンタートレード型):135,150円
・アンリ(カウンタートレード型):13,800円
・タカ(カウンタートレード型):-3,850円
・レミ(カウンタートレード型):-22,100円
・アカリ(トレンドフォロー型):-32,000円
※ストラテジー名()内トレードタイプ、2025年10月16日現在で過去1年間の損益合計
※損益合計はスワップポイントを除く
2-2. 各ストラテジーの詳細
次に各ストラテジーのバックテストの詳細を見ていきましょう。各ストラテジーにおける検証結果の画像の見方は、以下のとおりです。
上段のチャート:ユーロ円相場の推移と当該ストラテジーが売買を行ったタイミング
緑地に矢印:買いポジション保有タイミング
緑地に丸:買いポジション決済タイミング
赤地に矢印:売りポジション保有タイミング
赤地に丸:売りポジション決済タイミング
下段の白い折れ線チャート:ストラテジーの売買差損益累計の推移
※ポジション保有時の評価損益を含む
赤色の網掛け:2024年7月から9月末までの植田ショックを含む期間
2-2-1. テンカ

利用しているテクニカル指標
・移動平均
2-2-2. リンカ

利用しているテクニカル指標
・移動平均線
・MACD
2-2-3. レイヤ

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・MACD
2-2-4. アイバン

利用しているテクニカル指標
・ドンチャンチャネル
・パラボリック
2-2-5. エマ

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・MACD
・ドンチャンチャネル
2-2-6. マオ

利用しているテクニカル指標
・DMI
・ストキャスティクス
・移動平均線
2-2-7. シオン

利用しているテクニカル指標
・移動平均線
・ボリンジャーバンド
2-2-8. エミリー

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・MACD
2-2-9. ルカ

利用しているテクニカル指標
・移動平均線
・ストキャスティクス
2-2-10. ホノカ

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・ボリンジャーバンド
2-2-11. リオ

利用しているテクニカル指標
・ドンチャンチャネル
・ストキャスティクス
2-2-12. アンリ

利用しているテクニカル指標
・ボリンジャーバンド
・移動平均線
2-2-13. アカリ

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・移動平均線
2-2-14. キラ

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・ボリンジャーバンド
・MACD
2-2-15. レナ

利用しているテクニカル指標
・移動平均線
・ボリンジャーバンド
2-2-16. ユウリ

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
・MACD
2-2-17. ソーレン

利用しているテクニカル指標
・ストキャスティクス
2-2-18. ケント

利用しているテクニカル指標
・RSI
・移動平均線
2-2-19. ソラ

利用しているテクニカル指標
・ボリンジャーバンド
2-2-20. ユイ

利用しているテクニカル指標
・ボリンジャーバンド
・移動平均線
2-2-21. セラ

利用しているテクニカル指標
・ボリンジャーバンド
・移動平均線
2-2-22. カイト

利用しているテクニカル指標
・ドンチャンチャネル
・移動平均線
2-2-23. メイ

利用しているテクニカル指標
・DMI
・ボリンジャーバンド
2-2-24. タカ

利用しているテクニカル指標
・ボリンジャーバンド
・移動平均線
2-2-25. レミ

利用しているテクニカル指標
・ボリンジャーバンド
・移動平均線
2-3. 植田ショック時のバックテスト|検証結果のまとめ
シストレセレクト365搭載のユーロ円、全25ストラテジーのうち、7月から9月末までの損益は、セラやカイトなどをはじめ10ストラテジーがプラス、15ストラテジーがマイナスでした。
しかし、年間の損益がプラスだったストラテジーは、25ストラテジーのうち8ストラテジーとなっています。
多くのストラテジーにおいて年間のパフォーマンスに影響を与えたのは、植田ショック時のユーロ相場急落よりも、8月半ばから年末にかけてのトレンドとボラティリティだと思われます。
その証左に、8月頭に利益を上げていたストラテジーの多くが、8月半ば以降にドローダウンを増加させています。
3. 植田ショックとユーロ円のストラテジー
【EURJPY 日足 2024年7月~2025年10月16日まで】

昨年の植田ショック前後を振り返ると、ユーロ円相場は、7月11日に高値175.43を付けた後は8月5日の155.42まで急落、下落期間は17営業日、下落幅は21円1銭(-11.98%)です。
その間、シストレセレクト365のユーロ円のストラテジーは、10ストラテジーが利益、15ストラテジーが損失となりました。
中でも、レミ、タカ、ユイの3ストラテジーは、この相場急落時のパフォーマンスが悪かったことがわかります。
このように、ストラテジーごとの特色や特徴も理解しておくことが、今後のシストレ運用で役に立つものと思われます。





