
1. ユーロ高と「ユイ EURJPY」注目の背景
トランプ大統領が相互関税を発表した「解放の日(相互関税を発表した2025年4月2日)」以降、主要通貨、特にハードカレンシーと呼ばれる5通貨(米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、豪ドル)の中ではユーロが最も買われています。
⇒相互関税発表の日『解放の日』以降における為替相場のボラティリティ
ユーロ高トレンドが顕著になってきたのは今年2月末頃からで、その理由はいくつかありますが、以下のようなことが挙げられます。
1.トランプ米大統領の輸入関税の引き上げを嫌い、米国から投資資金を欧州に動かしている
2.ECBの利下げが最終盤に近づいているとの見方がマーケットにあるため
3.欧州株ファンドへの資金流入が続いているため
4.欧州において財政拡大の動きがあること
5.異例の「有事のユーロ買い」
こういった中で、シストレセレクト365でもユーロ円のストラテジーに注目する投資家も多く、中でも「ユイ EURJPY」が最も利用者数が多いストラテジーとなっています。
※2025年7月23日時点でEURJPYのストラテジーで稼働人数が最多
そこで今回は、「ユイ EURJPY」の売買動向にフォーカスしてみたいと思います。

2. ストラテジー分析:「ユイ EURJPY」の売買傾向と実績
それでは、「ユイ EURJPY」がどのような売買ロジックで運用し、どのようなパフォーマンスのストラテジーなのかを見ていきましょう。
2-1 「ユイ EURJPY」の売買
「ユイ EURJPY」で使用しているテクニカル指標は、ボリンジャーバンドと移動平均線で、運用タイプは「カウンタートレード型」です。
直近12カ月の売買履歴を見ると、損失1回あたりの平均額が利益1回あたりより大きいことが分かります。

損益グラフは、3月半ばに大きな損切りをおこない、その後、複数回の連続した利益確定が見られます。
このタイミングがどういった相場状況だったのかを、バックテスト(シミュレーション)でチャート上での売買タイミングを検証したところ、3月半ばから5月末まではユーロ円が160円〜165円のレンジ内で推移しており、この期間に戦略が機能していたことが分かります。
ご紹介したとおりに、ユーロ円は2月末から上昇相場でしたが、「ユイ EURJPY」の売買が機能していたのは上昇相場時ではなく、3月半ばから5月末までのレンジ相場時だったということです。

2-2. 「ユイ EURJPY」のパフォーマンス
次に「ユイ EURJPY」の直近1年間(2024年7月22日から2025年7月22日まで)のパフォーマンスは以下のとおりです。(2025年7月22日時点)
・損益合計:68,050円
・平均損益:1,479.3円
・平均利益:11,501.7円
・平均損失:-15,617.7円
・PF:1.25
・最大DD:59,100円
・平均取引時間:146時間39分
・利益時平均取引時間:70時間35分
・損失時平均取引時間:276時間26分
・トレード回数:46回
・勝率:63.0%
以下は、その1年前(2023年7月22日から2024年7月22日)のパフォーマンスです。
・損益合計:114,800円
・平均損益:1,913.3円
・平均利益:8,202.3円
・平均損失:-13,994.2円
・PF:1.48
・最大DD:79,100円
・平均取引時間:117時間58分
・利益時平均取引時間:65時間39分
・損失時平均取引時間:250時間15分
・トレード回数:60回
・勝率:71.6%
※利益を積み上げた期間は主に2023年7月から10月までと2023年12月から2024年2月まで
以下は、さらにその1年前(2022年7月22日から2023年7月22日)のパフォーマンスです。
・損益合計:76,100円
・平均損益:1,409.2円
・平均利益:10,510.8円
・平均損失:-18,400.0円
・PF:1.24
・最大DD:136,900円
・平均取引時間:125時間6分
・利益時平均取引時間:77時間14分
・損失時平均取引時間:229時間15分
・トレード回数:54回
・勝率:68.5%
※利益を積み上げた期間は主に2022年11月から2023年6月の間
1年毎のパフォーマンスで共通していえることは、以下5点です。
1.平均利益<平均損失
2.勝率は60%超
3.平均取引時間は概ね5日から6日程度
4.利益時の取引時間は、概ね3日~4日程度
5.損失時の取引時間は、概ね10日~24日程度
また、過去3年間において、概してレンジ相場の時期に「ユイ EURJPY」は利益を積み上げやすかったことがわかります。
※2024年7月から2025年3月半ばまでの間は、1~2ヵ月利益を積み上げ、1~2ヵ月でそれを吐き出してしまうというのが続いていました。

3. 今後の相場環境と「ユイ EURJPY」の活用戦略
ここまで見ていただいたとおり「ユイ EURJPY」は、レンジ相場や弱いトレンド相場の方が利益が出やすいことがわかります。
また、レンジ相場であっても2024年7月から2025年3月半ばのように上下動の波長が長いケースでは、利益と損失が拮抗しやすく、運用効率が下がる傾向があります。
2025年6月から7月にかけてのEURJPYの上昇局面に対しても「ユイ EURJPY」は、あまり上手く機能していません。
EURJPY相場は、7月16日に高値173.24を付けてから上値の重い展開になっていますが、上昇局面ではパフォーマンスが劣後する傾向があるため、今後、再び上昇トレンドに回帰するようなら、「ユイ EURJPY」の稼働には慎重を要するかもしれません。
一方で、EURJPYの上昇トレンドにも陰りの兆候がいくつか出ています。

まず、この10日間ほどは172円を挟んで上下1円程度のレンジ相場になってきていることが挙げられます。
また、MACDやストキャスティクスといったオシレータ系のテクニカル指標が、それぞれ下降トレンドになってきていることもその一つです。
さらにファンダメンタル的な観点からは、日米及び欧州の金融政策※の方向性の違い、参院選後の政治動向、日米が米国の相互関税15%で合意したことなどが挙げられます。
※欧州の政策金利については、6月のECB理事会における引き下げが最後と予想するマーケット関係者が多く、7月24日のECB理事会においては政策金利据え置きがマーケットのコンセンサスになっている
こういった観点から、今後、EURJPYがレンジ相場に入るようなら、「ユイ EURJPY」のストラテジー特性が活きる場面が増える可能性があります。
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