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チャートの時間軸とテクニカル指標のパラメータで“見えるトレンド”は全く異なる

2025.07.10

■ はじめに:「チャートの時間軸(足種別)の違い」と「パラメータ」の関係を見落としていませんか?

トレードにおいて「トレンドフォロー型の売買をしたい」「カウンタートレードを試してみたい」と考えることは自然です。
その際に見落とされがちなのが、「チャートの足種別」と「テクニカル指標のパラメータ」です。

たとえば、30分足チャートと1時間足チャート。
一見すると、1時間足チャートの方が“長めのトレンド”を捉えているように思えます。
しかし、パラメータの設定によっては、見えてくるトレンドは全く異なります。
場合によっては、上位足の1時間足より30分足の方が長めの視点で相場を見てしまっているというケースもあるのです。

■ 1. 時間足とパラメータが意味する“時間の長さ”

テクニカル指標、たとえば移動平均(MA)は平均化する「期間(パラメータ)」を設定してチャート上に表示します。
この“期間”は、使用する時間足によって「意味する時間の長さ」が異なります。

・30分足 48期間MA 30分 × 48 = 24時間分(1日分)
⇒30分足チャートの48MAは、過去24時間の価格の平均値を繋いだものを意味します。

・1時間足 6期間MA 60分 × 6 = 6時間分
⇒1時間足チャートの6MAは、過去6時間の価格の平均値を繋いだものを意味します。

このように、時間足が短くても、長いパラメータを設定すれば、長期間のトレンドを見ることができるのです。

■ 2. 同じ“トレンドフォロー”でも見ているトレンドが違う

以下は、価格とMAの位置関係で売買をおこなうストラテジーを2つのチャートで比較した例です。
ストラテジーのロジック:価格がMAを上回ったら買い、価格がMAを下回ったら売る

■ ① 30分足 × 48期間MA


→ 24時間のトレンドに着目した売買戦略
【結果】
取引回数:74回
勝率:17.57%
損益合計:2.43円

 

■ ② 1時間足 × 6期間MA


→ 6時間のトレンドに着目した売買戦略
【結果】
取引回数:110回
勝率:33.64%
損益合計:4.03円

■ ③ 30分足 × 12期間MA

上記のとおり、米ドル円の直近の相場動向においては、30分足の48MAより、60分足の6MAの方が、相場のトレンドを捉えることができていたことが分かります。
それでは、60分足の6MA(6時間の価格の平均値)を30分足に落とし込むとどうでしょう。
30分足では、12MAを表示させると6時間の価格の平均値(=12×30分÷60分)となります。その結果がこちらです。

【結果】
取引回数:156回
勝率:25.64%
損益合計:-0.03円

取引回数は増え、勝率は上がりましたが、損益合計はマイナスとなってしまいました。このような結果になってしまった最大の理由は、30分足の個々のローソク足が上昇下落を繰り返すような相場環境になっていたことにあります。
※陰線陽線を繰り返す相場を鯨幕相場(くじらまく・そうば)といいます。
さらにもう1つ理由を付け加えるとすれば、30分足の12MAと60分足の6MAはほぼ同じような推移になりますが、30分足の移動平均の方が価格への追随性が高く、ダマシが多くなってしまったことが挙げられます。

■ 3. 見誤りやすい“時間軸による戦略のイメージ”

多くのトレーダーは、チャートの足種別で次のように考えがちです。

・30分足チャート → より短期売買向き

・1時間足チャート → 30分チャートよりは時間軸が長めの取引

たしかに、ローソク足だけでテクニカル指標は利用しておらず、表示させている期間が上位足の一部になっているのであれば、そういった見方もできるかもしれません。
しかし、意識していないとできていない場合も多々あります。30分足と1時間足の表示期間が同じ(30分足のローソク足の本数が1時間足の倍)なら見ているものはほぼ同じです。

足形(罫線)分析は、やや異なるかもしれませんが、目につくトレンドは同じになることが多いでしょう。

トレンドについても同じです。1つのチャートには大小さまざまなサイクルが含まれています。(サイクル分析を参照)
するとそのチャートでどういったサイクルを見ているのかを意識する必要があります。
もう少しかみ砕いて説明すると「どういった期間のトレンド」を見ているのかです。(トレンドには3つある:ダウ理論を参照)

ダウ理論から派生したエリオット波動理論になると、さらに大きなトレンド(サイクル)や小さなトレンド(サイクル)についても定義づけされています。(エリオット波動理論を参照)

システムトレードでストラテジーを構築する場合だけでなく、裁量トレードでも、どのような期間のトレンドに着目しているのかが重要です。

また、チャートにテクニカル指標を表示している場合であれば、尚更です。
そのテクニカル指標のパラメータがどのレベルのトレンドやレンジ、サイクルをイメージしたものなのか意識することが重要です。

たとえば、30分足でも240MAなら、**5日間(30分 × 240 = 7,200分 = 120時間 = 約5営業日)**で平均化したトレンドを見ていることになります。
これは、日足の5MAを見ていることとほぼ同義です。

週足と月足でも同様で、週足で見えている26MAや52MAは、実は月足の6MAと12MAを意味しています。

■ 4. “トレード戦略の設計”における正しい考え方

本質的なトレード戦略(ストラテジー)の設計は、上記のとおり投資家自身がどのようなトレードスタイルで取引を想定しているのかによります。
それは、ポジション保有期間ということです。
これをベースにチャートの「足種別」と利用する指標の「パラメータ」をセットで捉えて設計するべきです。

もちろん、その際に、上位足のトレンドを確認することは重要です。
いわゆるマルチタイムフレームという考え方です。
しかし、1つの時間軸のチャートでも、ここまででご説明のとおり上位足のトレンドの確認はできます。

シンプルなトレード戦略を構築するためには、1つの足種別(時間軸)のチャートを利用して「トレードをおこなうトレンド」、その上位のトレンド、そのさらに上位のトレンドを確認する方が良いです。

■ 5. まとめ:足種別とパラメータは“セットで考える”

「トレンドフォロー」や「カウンタートレード」という言葉は便利ですが、
実際にどの程度のトレンドを追っているのかは、足種別とテクニカル指標パラメータの組み合わせ次第です。

✅ 足種別が長めのものを使っているからといって、長期トレンドを見ているとは限らない
✅ 短い時間軸の足種別でも、長い期間のパラメータを使えば“中長期的な視点”になる
✅ 戦略の本質は「どのような期間のトレンドを捉えたいか」にある

 


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