
トレンドフォローとカウンタートレードの違いを初心者にもわかりやすく解説します。相場に合わせた最適な戦略を身につけ、勝率アップを目指しましょう。
トレンドフォロー戦略とは?【順張りの王道手法】
トレンドフォロー(Trend Follow)戦略とは、相場の流れに沿って売買を行う「順張り」手法です。価格が上昇トレンドにある場合は買いでエントリーし、下降トレンドの場合は売りでエントリーすることで、トレンドに乗った利益を狙います。
■ トレンドフォローの具体例
・移動平均線を活用したトレンドと売買の判断
Long:価格が200日移動平均線より上にあり、価格が20日移動平均線を上回ったら「買い」20日移動平均線を下回ったら決済
Short:価格が200日移動平均線より下にあり、価格が20日移動平均線を下回ったら「売り」20日移動平均線を上回ったら決済
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。

米ドル円 日足 2022年1月1日から2025年6月25日まで
・使用しているテクニカル指標:SMA(200)、SMA(20)
・取引回数:34回(勝率47.06%)
・損益合計:40.07円
※1通貨単位での取引
・一目均衡表やパラボリックSARなどトレンドフォロー系テクニカル指標を利用した売買
Long:転換線が基準線より上のとき、価格がパラボリックSARを上回ったら「買い」、転換線が基準線を下回るか価格がパラボリックを下回ったら決済
Short:転換線が基準線より下のとき、価格がパラボリックSARを下回ったら「売り」、転換線が基準線を上回るか価格がパラボリックを上回ったら決済
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。

米ドル円 日足 2022年1月1日から2025年6月25日まで
・使用しているテクニカル指標:基準線、転換線、パラボリックSAR(0.02、0.02、0.2)
・取引回数:24回(勝率54.17%)
・損益合計:15.76円
※1通貨単位での取引
・オシレータ系指標やモメンタム系指標が基準値(中心線:50%や0ライン等)を超えた時
Long:スローストキャスティクスの%DがSlow%Dより上で%Dが50%ラインを上回ったら買い、%DがSlow%Dを下回るか%Dが50%ラインを下回ったら決済
Short:スローストキャスティクスの%DがSlow%Dより下で%Dが50%ラインを下回ったら売り、%DがSlow%Dを下回るか%Dが50%ラインを下回ったら決済
※トレンドフォロー戦略にカウンタートレード戦略のエッセンスも組み込んでいます。
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。

米ドル円 日足 2022年1月1日から2025年6月25日まで
使用しているテクニカル指標:スローストキャスティクス(14、3、3)
・取引回数:34回(勝率70.59%)
・損益合計:67.33円
※1通貨単位での取引
■ トレンドフォローのメリットと注意点
メリット:トレンドが継続すれば大きな利益が見込める
注意点:レンジ相場ではダマシが多くなり、損切りが頻発しやすい
カウンタートレード戦略とは?【勝率を高める】
カウンタートレード(Counter Trade)戦略とは、トレンドの反転を予想してポジションを持つトレード手法です。一見「逆張り」とも言えますが、「逆張り」自体は、価格が下落しているときに買うことや、価格が上昇しているときに売ることを意味する為、ややニュアンスが異なります。
カウンタートレード戦略は、相場の過熱感やチャートパターンから、相場反転の兆しが見られる場面で仕掛けることが特徴です。
■ カウンタートレードの具体例
・RSIやストキャスティクスの買われ過ぎ・売られ過ぎを利用
Long:スローストキャスティクスの%DがSlow%Dを上回ったら買い、%DがSlow%Dを下回ったら決済
Short:スローストキャスティクスの%DがSlow%Dを下回ったら売り、%DがSlow%Dを下回ったら決済
※カウンタートレード戦略にトレンドフォロー戦略のエッセンスも組み込んでいます。
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。

米ドル円 日足 2022年1月1日から2025年6月25日まで
使用しているテクニカル指標:スローストキャスティクス(14、3、3)
・取引回数:128回(勝率39.84%)
・損益合計:65.35円
※1通貨単位での取引
・ボリンジャーバンドを使った逆張りエントリー
Long:価格がボリンジャーバンドの-2σを下回ったら買い、価格が-1σを上回ったら決済
Short:価格がボリンジャーバンドの+2σを上回ったら売り、価格が+1σを下回ったら決済
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。

米ドル円 日足 2022年1月1日から2025年6月25日まで
使用しているテクニカル指標:ボリンジャーバンド(20、±1σ、±2σ)
・取引回数:45回(勝率68.89%)
・損益合計:0.26円
※1通貨単位での取引
・MACDを使って反転ポイントを見極める手法
Long:ヒストグラムが0を上回ったら買い、ヒストグラムが0を下回ったら決済
Short:ヒストグラムが0を下回ったら売り、ヒストグラムが0を上回ったら決済
※カウンタートレード戦略にトレンドフォロー戦略のエッセンスも組み込んでいます。
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。

米ドル円 日足 2022年1月1日から2025年6月25日まで
使用しているテクニカル指標:MACD(12、26、9)
・取引回数:22回(勝率59.09%)
・損益合計:44.4円
※1通貨単位での取引
■ カウンタートレードのメリットと注意点
メリット:レンジ相場の方が機能しやすく、勝率は比較的高め
注意点:トレンドの確認前にポジションを持つことが多いため、損切りルールを設けておくことが重要
時間軸による使い分け【デイトレとスイングで異なる戦略】
トレンドフォローとカウンタートレードのどちらを選ぶべきかは、時間軸によって異なります。
【長期トレード(スイング〜ポジショントレード)】では、どちらかといえばトレンドフォローの方が機能しやすい傾向があり、ファンダメンタルズなどにより持続するトレンドを狙ったトレードイメージです。
【短期トレード(デイトレ〜スキャルピング)】では、カウンタートレードが好まれる傾向があります。短い時間軸のチャートでは、レンジ相場を形成している時間帯が長いことが理由です。ただし、指標発表などによるサプライズでボラティリティが急激に高まるような際には、大きな損失になり得るため注意が必要です。
また、使用しているテクニカル指標のパラメータ、ボラティリティやその変化の仕方などによっても戦略の有効性は変わるため、どのような相場環境で機能しやすい(利益を上げやすい)のかを確認しておきましょう。
トレード戦略における時間軸の違い
以下のストキャスティクスの売買ルールを利用しパラメータは変えずに、時間軸だけ変えた場合にどのような損益になるのかを示したものが以下のイメージです。(期間:2025年1月1日から2025年6月25日)
Long:スローストキャスティクスの%DがSlow%Dより上で%Dが50%ラインを上回ったら買い、%DがSlow%Dを下回るか%Dが50%ラインを下回ったら決済
Short:スローストキャスティクスの%DがSlow%Dより下で%Dが50%ラインを下回ったら売り、%DがSlow%Dを下回るか%Dが50%ラインを下回ったら決済
相場とテクニカル指標の推移(売買サインの発生タイミング)、損益グラフ(売買差損益を積み上げたグラフ)を見比べて、利益を積み上げやすい値動きやドローダウン(DD)になりやすい相場環境を確認することが重要です。
※損益グラフには保有しているポジションの評価損益も計算されています。
※以下のチャートはシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません。
【30分足の場合】

【60分足の場合】

【120分足の場合】

【240分足の場合】

【480分足の場合】

【720分足の場合】

【日足の場合】

まとめ|戦略は相場環境と時間軸で使い分けよう
「トレンドフォロー」と「カウンタートレード」は、まったく逆のアプローチですが、どちらも有効な戦略です。
・トレンドが強く明確なときはトレンドフォロー
・レンジ相場で推移しているときはカウンタートレード
・どちらを利用する場合でもパラメータの設定と相場環境が重要
どちらが優れているかではなく、相場環境に応じて使い分けることが成功のカギです。
自分のトレードスタイルや時間軸に合わせて、戦略を柔軟に選択できるようになれば、より安定した成果を期待できます。
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