シストレセレクト365は「取引所FX」のシステムトレード
FXのシステムトレードといえば、開発型・リピート型・選択型のいずれも、多くのサービスが店頭FXで提供されています。
しかし、シストレセレクト365は、店頭FXではなく「くりっく365(取引所FX)」での自動売買を採用しています。その理由は何なのでしょうか?
自動売買サービスの多くは店頭FXを採用している
【開発型の自動売買(MT4・MT5)】
代表的な提供会社:楽天証券、FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)、OANDA JAPAN FOREX EXCHANGE等
これらはすべて店頭FXで提供されており、取引所FX(くりっく365)を利用したサービスは存在しません。
【リピート型の自動売買】
代表的な提供会社:マネースクエア(トラリピ)、インヴァスト証券(トライオートFX)、外為オンライン(iサイクル2注文)、トレイダーズ証券(みんなのリピート)、松井証券など
ほぼすべてが店頭FXで提供されていますが、外為オンラインのみ取引所FXにも対応しています。
【選択型の自動売買】
代表的な提供会社:トレイダーズ証券(みんなのシストレ)、フジトミ証券(シストレセレクト365)
こちらも、シストレセレクト365を除けば店頭FXで提供されています。
(ここでは、純粋にストラテジーを選んで運用するケースを指し、FX会社が作成したリピート系の複数注文を選ぶケースは対象外としています。)
このように、多くの証券会社やFX会社が提供している自動売買サービスは、取引所FXではなく店頭FXを利用したものだということがわかります。(2025年4月3日現在)
なぜ自動売買サービスは店頭FXで提供されるのか?
多くの会社が店頭FXを採用する背景には、店頭FXならではの「収益構造」があります。これを理解するためには「店頭FX」と「取引所FX」それぞれのビジネスモデルを把握することが重要です。
店頭FXのビジネスモデル
店頭FXでは、FX会社が独自の為替レートを提示し、顧客と直接取引を行います。これにより、
✅ 顧客の売買動向を分析しレートを調整
✅ スプレッドの調整 で利益を確保
✅ スワップポイントの付与率を調整
✅ カバータイミングの調整
といった仕組みが可能になります。特に、自動売買サービスは頻繁に取引がおこなわれ、ポジションも保有している状況が続くため、FX会社にとって「安定した利益源」となります。
以下は取引所FXと店頭FXのビジネスモデル(取引のスキーム)を簡単に説明したイメージです。
取引所FXの「くりっく365」の場合、お客様は取引所で提示されている価格で取引をおこないます。
注文の流れは、お客様⇒フジトミ証券(取引参加業者)⇒取引所で、これは証券取引所で取引されている上場有価証券(株やETFなど)と同じ流れです。
一方、店頭FXの場合は、店頭FX会社が独自の為替レートを提示し、お客様はその価格で取引をおこないます。
注文の流れは、お客様⇒店頭FX会社となっています。
取引所FXと店頭FX(OTC取引)のレート提示の違い
次に取引所FXの「くりっく365」と店頭FXにおける為替レートの提示方法について解説します。
取引所FXの「くりっく365」では、大手の銀行(MM:マーケットメイカー)がレート(BidとAsk)を提示し、その中で最も高いBid(お客様が売れる価格)と最も安いAsk(お客様が買える価格)をお客様に提示されています。
取引所公式のWEBサイトで、「透明な価格提供の仕組み」と謳っているのはこの仕組みのためです。
なお、取引所に為替レートを提示している金融機関(MM)は、以下の通り(五十音順)です。
・コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト(コメルツ銀行)
・ゴールドマン・サックス証券株式会社
・ドイツ証券株式会社
・野村證券株式会社
・バークレイズ・バンク・ピーエルシー(バークレイズ銀行)
・株式会社三菱UFJ銀行
一方、店頭FXの場合は、「お客様の売買の状況」と「カバー先銀行のレートの状況」などを鑑みて、FX会社が自身に利益が出るようレートを独自に調整し提示しています。
お客様の売買の状況とは、指値注文や逆指値注文、ポジション等を分析した上で、図のとおり買い注文が多ければBidとAskの価格を高めに提示し、逆に売り注文が多いようであれば、BidとAskの価格を安めに提示するという事です。
ちなみに、こういった価格提示の方法は、FXが始まる以前、具体的には、銀行の(カスタマー)ディーラーが輸出入をおこなう企業にクウォート(価格提示)していたときからのもので、これが為替取引が一物多価である所以です。
※イメージの店頭FXの提示レートは少し極端に表現しています。
※各店頭FX会社のカバー先金融機関は、取引説明書に記載されています。
取引所FXと店頭FX(OTC取引)のポジションの持ち方とスワップポイント
また、取引所FXと店頭FXの場合では、(顧客ではなく)FX業者のポジションの持ち方やスワップポイントの付与の仕方も異なります。
店頭FXでは、「FX業者が保有しているポジション」は、下の図のとおりお客様の売り買いのポジション数量の差っ引きで、買いポジションか売りポジションしかありません。これをスポットで保有し日々ロールオーバー(トゥモローネクスト:トムネ)しています。
※外国為替取引におけるトムネとは、保有しているポジションを翌営業日になった段階で1日決済日を伸ばす作業で、これを毎日続けることで通貨の現物受渡決済を行わずに外国為替のポジションを維持できる仕組みです。具体的に言えば、ドル円の買いポジション(ドル買い円売り)を持っている場合、本来なら2営業日後に、円を渡して米ドルを受け取るのですがトムネという作業をすることで、受け渡し日を1営業日伸ばすことができます。なお、トムネの際にFX取引でいう「スワップポイント」が付与されます。すなわち店頭FX会社が、高金利通貨の買いポジションを保有していれば店頭FX会社にはスワップポイントが入り、売りポジションを保有していればスワップポイントを支払うという事です。
店頭FX(OTC取引)のスワップポイントの付与の仕方
店頭FX会社の場合、こスワップポイントは会社の保有するポジションに対してトムネ時に付与されます。
例えば、店頭FX会社がドル円を5万通貨買いで保有しスワップポイントが800円=160円×5であれば、買いポジションを保有している顧客に1万通貨あたり150円、売りポジションを保有している顧客に1万通貨あたり155円付与すれば、店頭FX会社はそれぞれの顧客から1万通貨あたり5円分の収益が得られます。
逆に店頭FX会社が、売りポジションを5万通貨保有していて、トムネで生じたスワップポイントが-800円=-160円×5であれば、仮に顧客には売り買いともに180円のスワップポイントを付与したとしても、店頭FX会社が保有しているポジションは売り5万通貨なので、100円=(180円-160円)×5の利益になるという仕組みです。
なお、取引所FXである「くりっく365」のスワップポイントは、取引所の公式WEBサイトでも記載されているように、取引所も当社のような取引参加者もスワップポイントで差益を得ない仕組みになっています。
⇒「取引所WEBサイト スワップポイントは一本値」
店頭FXの隠された「もう2つ」の収益構造
1つは、「マリー」と呼ばれるもので、同じタイミングで異なる顧客から売り注文と買い注文が同数あればスプレッド分の利益が生じます。店頭FX会社が保有するポジションは、そもそも売ポジションと買いポジションが相殺されているからです。
もう1つは、カバーのタイミングです。
例えば、顧客の「買い指値注文」が並んでいる場合を想像してください。経済指標の発表で大きく急激に大きく下落し始めたとします。店頭FX会社がカバーのタイミングを少しだけ遅らせるだけで収益を得られます。
具体的には、145円、144円、143円に大きな買い指値が入っていたとして、146円から一気に142円まで下落したとします。顧客の指値は、145円、144円、143円ですからその価格で約定しますが、店頭FX会社はカバー取引を少し遅らせることで、142円でカバーできその差額分が利益になるという訳です。
※取引所FXの場合は、発注された注文は全て取引所で金融機関が提示しているレートで約定します。
店頭FXの収益構造にとって自動売買は美味しい果実
例えば、開発型であれば、売買ロジックに基づいて頻繁に注文が発注されます。更に売買ロジック(プログラム)を逆コンパイルできればいつ注文が発注されるのか店頭FX会社側で予測可能です。
また、リピート型の注文は、一定の価格帯に複数の注文を発注しそれを繰り返します。そのため売り注文と買い注文が同じ価格で発注されるケースが増え、マリーによりノーリスクで店頭FX会社は収益を得られます。
開発型・リピート型・選択型のどのタイプであっても、ポジションを保有し続けてもらえれば、ロールオーバー時にスワップポイント収益がノーリスクで入ってくるという訳です。
シストレセレクト365が「くりっく365」を採用した理由
シストレセレクト365は、「家族や友人にも勧められる金融商品」をコンセプトに開発されています。そのため、顧客にとって透明性が高く、公正な取引環境が最も重要だと考えています。
✔ レートやスワップポイントが明確で、不透明なコストがかからない
✔ 取引所FXの厳格なルールにより健全な取引環境が維持されている
✔ そのため長期的に安定した運用を行いやすい
こうした理由から、シストレセレクト365は「くりっく365(取引所FX)」を選択しました。現在、シストレセレクト365では 100種類のストラテジー を提供しており、更に新しいストラテジーの開発も進めています。是非、透明性の高い取引環境で自動売買をご検討ください。
※この記事で店頭FXについて解説した部分については、筆者がこれまでに経験したことをベースにお伝えしております。
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