
1.シストレセレクト365とは?
シストレセレクト365は、お好みのストラテジーを選ぶだけで簡単に FXの自動売買 ができる選択型の自動売買サービスです。
最大の特長は、東京金融取引所に上場する 「くりっく365」 で 自動売買 を実行できる点です。これにより、公正で透明性の高い取引所価格を活用しながら、戦略に基づいた 自動売買 を行い、取引のチャンスを逃しません。
※本サービスの利用には、当社での「くりっく365」口座の開設が必要です。
※シストレセレクト365 ランキング画面
2.運用を始める前に押さえておきたい4つのポイント
はじめに、シストレセレクト365を利用する上で知っておくべき重要なポイントを4つご紹介します。
シストレセレクト365は、FX(外国為替証拠金取引)ですので、相場変動等によって利益が出ることもあれば、損失が発生することもあるハイリスク・ハイリターンの取引です。特に初心者の方は、実際に取引を始める前にしっかりとご確認ください。
2-1. 定期的なモニタリングとストラテジーの見直しが重要
シストレセレクト365では自動で売買を行えますが、選んだストラテジーが永続的に利益を出し続けるわけではありません。ストラテジーには、それぞれ得意な相場と不得意な相場があります。例えば、強い上昇や下降トレンドで成果を出しやすいタイプもいれば、レンジ相場でコツコツ利益を積み重ねるタイプもいます。そのため、ストラテジーの特徴を理解したうえで選び、運用後も定期的に成績をチェックして必要に応じて入れ替えることが重要です。
2-2. 資金には余裕を持ち、無理のない運用を
シストレセレクト365で運用する際は、損益の変動に振り回されないよう、十分な資金を確保して取引を行う必要があります。シストレセレクト365では、ストラテジーの運用資金の目安として「推奨証拠金(運用資金)」や「リスクメーター」を表示しています。
※「リスクメーター」は画面上部に表示されています。
※「推奨証拠金」=1枚(10,000通貨)の必要証拠金+過去1年間の最大DD
※最大ドローダウン(最大DD)とは、累積損益の落込み幅をドローダウンといい、そのうち最大のもの。
特に初心者の方は、リスクメーターが「50%を超えないような運用」をおススメします。
また、どのくらいの資金で始めたらいいのという質問をいただくことがありますが、150万円以上のご資金で始めることを推奨しています。ストラテジーを1つ稼働するのにリスクも含めて最低限必要な証拠金額(推奨証拠金額)は、1万通貨あたり10万円程度から利用できるものもありますが、50万円前後のものまであり、平均すると約25万円前後です。仮に3つのストラテジーを各1万通貨で稼働するのであれば、75万円前後の資金が必要になります。その上でリスクメーターを50%以下になるようにするためには、150万円(75万円÷150万円=50%)の投資金が必要になる計算です。
⇒システムトレードを始めるにはいくら必要?最適な資金額とリスク管理のポイント
2-3. 1年以上の長期視点で取り組もう
長期的に優秀なストラテジーには、「勝率が20%から30%と低く、損切り幅が小さい一方で、利益確定幅が大きい」といった特徴があります。
※勝率が高めで長期でも安定した結果を残す例外的なストラテジーもあります。
そのため、ストラテジーを稼働させてから マイナスのトレードが続くと、停止したくなる 気持ちが湧くこともあります。しかし、過去の取引履歴を見ると、連続損切りを乗り越え、最終的に利益を積み上げてきた実績があります。目先の結果に惑わされず、長期的な視点で運用を続けることが大切です。「最低でも6ヵ月、できれば1年以上」の運用を目指しましょう。
2-4. 過去の成績の正しい見方
ストラテジーの損益は、ストラテジーランキング画面やストラテジー詳細画面で確認できます。また、ストラテジーランキングの順位は、デフォルトで一定期間の収益率を基に降順で表示されています。
※収益率=一定期間の損益合計 ÷ 推奨証拠金額
※推奨証拠金額=必要証拠金額 + 過去1年間の最大ドローダウン(DD)
たとえば、推奨証拠金額が10万円で、1年間の損益合計が10万円の場合、収益率は100%になります。簡単に言うと、10万円の投資金(推奨証拠金)で10万円の利益(損益合計)が出たことを意味します。
※ストラテジーランキングおよびストラテジー詳細画面に表示される損益合計には、スワップポイントの損益は含まれていません。
私もシストレ初心者の頃は、ストラテジーの収益率や損益合計をそのまま信じがちでした。しかし、これらはあくまで参考にするべき重要な指標であることを理解しておくことが大切です。特に注意すべき点が2つあります。
2-4-1. 【注意点1】過去の結果は将来を保証しない
これらの成績は過去の結果であり、将来の成果を保証するものではありません。運用を進めていく中で、過去の成績を期待値として参考にすることはできますが、「話半分腹八分」の気持ちで捉え、相場状況や運用結果によってはマイナスになる可能性があることを念頭に置きましょう。
2-4-2. 【注意点2】損益グラフの推移を確認する
ストラテジーランキングのストラテジー名(キャラクター画像)の右側に表示されている損益グラフをチェックしましょう。収益率が高くても、直近の損益グラフが下降基調にあるのか、上昇基調にあるのか、または大きく上下にブレているのかによって、そのストラテジーの評価は大きく変わります。
※損益グラフ=一定期間のストラテジーがおこなった売買の差損益を積み上げたグラフで累積収益グラフとも言います。
3.ストラテジーランキングを活用しよう
シストレセレクト365では、お客様が利用するストラテジーを選びやすいようにランキング形式でストラテジーを表示しています。ここではストラテジーランキングの実践的な見方や使い方について解説します。
3-1. ストラテジーランキングとは?
ストラテジーランキングは、シストレセレクト365に登録されているすべてのストラテジーの成績を、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の期間別に、一覧で確認できる画面です。
また、損益合計、収益率、推奨証拠金の三角形のボタンでソート(降順、昇順)することができます。
3-2. ランキングを見る際のチェックポイント
ストラテジーランキングを見る際のチェックポイントは、主に次の3つです。
3-2-1.「12ヵ月」の収益率を確認しよう
ランキングを見る際には、「12ヵ月」を選択して長期的な結果を重視しましょう。
その理由は、期間が長い程、上昇や下落、横ばい相場やボラティリティの高低など、多くの相場局面での運用結果が反映されている可能性があるからです。
また、もう一つの理由は、サンプルが多くなるからです。野球に例えるなら1打数1安打の「10割バッター」よりも、100打数30安打の「3割バッター」の方が統計的に後者数値の方がより信頼性が高いと言えます。
3-2-2.「損益グラフ」の推移を確認しよう
上記で長期的な収益率の重視に触れましたが、その上で長期の「損益グラフ」の推移もチェックしておきましょう。
また、「損益グラフ」がどのような変動(形状)をしているのか、例えば2024年夏の「植田ショック(日銀ショック)」時の売買動向など、大きく相場が動いたタイミングにも着目しておきましょう。〇〇ショックなど大相場で利益を積み上がるストラテジーは、投資家が手出ししづらいタイミングで売買の手助けをしてくれるハズです。
※植田ショック=2024年7月、日本銀行(日銀)の植田和男総裁が急激な利上げを示唆したことにより、歴史的な株価暴落と円高が引き起こされた出来事。日経平均株価指数は2024年7月31日の高値39,188円37銭から同8月5日の安値31,156円12銭まで8,032円25銭、ドル円相場は153.88から141.70まで12.18円の下落に至った。
3-3. ランキングを使ったストラテジー選定のコツ
ランキングからストラテジーを選ぶ場合のポイントは次の3つです。
3-3-1.長期的な収益がプラス
できるだけ12ヵ月の収益率を確認し収益がプラスになっているものを選びましょう。
3-3-2.損益グラフが右肩上がり
損益グラフを確認し右肩上がりになっているものを選びましょう。特にグラフが直線的に右肩上がりになっているものが理想です。
3-3-3.推奨証拠金が少ない
推奨証拠金が少ないものを選びましょう。ただし、通貨ペアによって1枚(10,000通貨)あたりの必要証拠金額が異なりますので、通貨ペア毎に確認しましょう。
3-4. ランキングに頼りすぎない!ストラテジー選びの落とし穴
ここまでは、ストラテジーランキングから簡単に利用するストラテジーを選ぶ方法を解説致しました。しかしながら、可能なら利用しようと考えているストラテジーについてしっかりと理解しておくことが重要です。そのためには、ストラテジー詳細画面でそのストラテジーの概要についても確認しておくことをおススメします。
4.ストラテジーの評価方法
ここではストラテジーの評価方法について、ストラテジー詳細の画面で見るべきポイントや使い方などについて詳細に解説致します。
4-1. 損益グラフの見方と活用法
ストラテジー詳細画面では、ストラテジーランキングよりも細かく損益グラフを確認することができます。具体的な見方は次のとおりです。
4-1-1.損益グラフの見方
棒グラフ・・・個々の売買差損益を示しています。青色は「利益」、赤色は「損失」を意味します。
面グラフ・・・個々の売買差損益を積み上げたグラフです。面グラフが水色なら利益が積み上がっていることを、ピンク色なら損失が積み上がっていることを意味します。
4-1-2.損益グラフの活用方法
どういったタイミングで利益が積み上がり、DDが発生しているのかを確認しましょう。また、利益時の金額と損失時の金額のバランス、損失がどのくらいの期間続いているのかなどもチェックしておきましょう。損益グラフ(面グラフ)の傾向にも注目です。できるだけ損益が直線的に右肩上がりになっているのが理想です。
⇒アカリ:ドル円の過去12ヵ月の損益グラフ(2025年4月3日現在)
例えば、次のストラテジー(アカリ:ドル円)では、植田ショック時に利益が積み上がっていることがわかります。また、利益時の金額は損失時の金額に比べると大き目で、11月末から12月半ばまでの約1か月の期間は連続で9回の損切りをおこなったことがわかります。こういったことを理解しておけば、1カ月以上で10回以上の損切りが続くまではストラテジーを稼働し続けていても統計的にはおかしくないということがわかります。
4-2. パフォーマンスを正しく評価するには?
ストラテジーを評価するためには、ストラテジー詳細画面左下の『パフォーマンス』もチェックしておきましょう。
4-2-1.「パフォーマンス」の見方
推奨証拠金額・・・1枚(10,000通貨)の必要証拠金と1枚(10,000通貨)で1年運用したときの最大ドローダウン(最大DD)を加味した金額です。同じ通貨ペアのストラテジーであれば、この金額が少ない方がストラテジー自体のリスクは小さいと言えます。
※期間指定が12ヵ月以外でもここで算出されている最大DDは過去1年間の金額になっています。
損益合計・・・指定した期間の1枚(10,000通貨)の売買差損益合計額です。ストラテジー詳細画面の面グラフの現在値と同額で、スワップポイント損益は含まれていません。
投資家にとってはもっとも重要な指標の1つですが、たまたまストラテジーの売買ロジックがその期間の相場にマッチしていた可能性があるため、その期間の相場環境(値動き)も併せて確認すべきです。
(利益合計) ・・・指定した期間の1枚(10,000通貨)の売買差損益が利益だった金額の合計額です。ストラテジー詳細画面の青色の棒グラフを全て合算した金額で、スワップポイント損益は含まれていません。
(損失合計) ・・・指定した期間の1枚(10,000通貨単位)の売買差損益が損失だった金額の合計額です。ストラテジー詳細画面の赤色の棒グラフを全て合算した金額で、スワップポイント損益は含まれていません。
平均損益・・・指定した期間の1枚(10,000万通貨)における1トレードあたりの平均損益です。損益合計÷トレード回数で計算されています。
(平均利益)・・・指定した期間の1枚(10,000通貨)の売買差損益が利益だった金額の合計を利益時のトレード回数で割り算した金額です。
(平均損失) ・・・指定した期間の1枚(10,000通貨)の売買差損益が損失だった金額の合計を損失時のトレード回数で割り算した金額です。
収益率・・・推奨証拠金額(いわゆる投資金)に対する「指定した期間の損益合計」(損益金額)の割合です。投資家にとってはもっとも重要な指標の1つですが、たまたまストラテジーの売買ロジックがその期間の相場にマッチしていた可能性があるため、その期間の相場環境(値動き)も併せて確認すべきです。
PF(プロフィット・ファクター)・・・指定した期間における(利益合計)÷(損失合計)で算出されています。したがって、1より大きければその期間の損益合計は利益、1より小さければ損失という事です。
最大DD(最大ドローダウン)・・・一定期間から算出される最大リスクを示しています。シストレなどの資産運用において、DD(ドローダウン)とは資産の減少額(減少率)を意味します。DDの中で最大の落ち込み額(率)が最大DDです。
平均取引時間・・・一定期間のポジション保有期間の平均値です。
(平均取引時間(利益)) ・・・一定期間の利益時におけるポジション保有期間の平均値です。
(平均取引時間(損失)) ・・・一定期間の損失時におけるポジション保有期間の平均値です。
トレード回数・・・一定期間のトレード回数です。1回とは「ポジションの保有」⇒「ポジションの決済」までを指します。
勝率・・・一定期間におけるトレード回数に対する勝ちトレード回数の割合です。
4-2-2.「パフォーマンス」の評価の仕方
投資家が最も気になる項目は、「損益合計」や「収益率」になると思いますが、特に注目しておくべき項目は、次の4項目です。
4-2-2-1. (平均利益)と(平均損失)
この2つはストラテジーの特徴を示したものになります。
また、シストレにおいては、この比率(平均利益÷平均損失)のことをペイオフレシオ(=リスクリワードレシオ=損益比率)と呼び、勝率と併せて評価します。
傾向として
・トレンドフォロー型のストラテジーでは平均利益>平均損失で勝率は低め(概ね20%から40%程度)
・カウンタートレード型のストラテジーでは平均利益<平均損失で勝率は高め(50%以上)
になっていることが多いです。
4-2-2-2. 最大DD
上述のとおり、最大DDはそのストラテジーを利用する上で想定されるリスクになります。一般的に金融商品のリスクは期待値に対する分散、又は標準偏差になりますが、システムトレードにおいては、実際に発生した資産の減少額(率)を把握しておくことで、資金ショート(証拠金不足やロスカット)に陥らないよう運用に活かすことができます。ただし、将来的に最大DDを更新することが無いという意味ではないため、それ以上の余力を持って運用する必要があります。
4-2-2-3. 平均取引時間と利益時および損失時の平均取引時間
平均取引時間は、ポジションを保有してから決済するまでの平均時間になります。
例えば、投資家があるストラテジーを稼働しようと思っているとき、既にそのストラテジーはポジションを保有中なら決済注文がおこなわれて次の新規注文発注時までポジションを持つことはありません。具体的には、平均ポジション保有時間が60時間で1時間前にポジションを保有したストラテジーを今稼働したとしても、その後59時間程度はポジションを保有しないだろうと予想できます。
また、利益時と損失時の平均取引時間の関係は、平均利益や平均損失との関係に相関がみられることが多いです。具体的には、利益時の平均取引時間>損失時の平均取引時間となっている場合は、平均利益>平均損失となっている場合が多く、逆もまた然りということです。更にこういった観点から、トレンドフォロー型かカウンタートレード型かを見分けることが可能です。
4-2-2-4. 勝率
勝率については、確認だけはしておきましょう。勝率が高いことにこだわり過ぎてはいけません。基本的にトレンドフォロー型のストラテジーの方が長期的な利益に繋がりやすいことが知られています。そのため、勝率はあまり意識すべきではありません。それでは何故、勝率も確認しておくべきかという事ですが、シストレを運用していく際には、損切りとなるトレードが欠かせません。(損切りしないシストレは基本的に※ありません。)更にトレンドフォロー型のストラテジーにおいては、勝率は低めです。そのため、勝率は確認しておいた上で、それを下回る勝率でのトレードが続くようなら、そのストラテジーは現在の相場にマッチしていないため稼働をやめようといった判断ができるという事です。
※ナンピンマーチンゲール手法を利用したストラテジーなど、基本的に損切りをしないストラテジーも一部存在しますが、シストレセレクト365ではこういった手法のストラテジーは用意していません。
4-3. 売買サイン履歴をチェックしてリスクを把握する
ストラテジー詳細画面では、直近から過去一定期間の売買サイン履歴を確認できます。
また、CSVで過去の売買を出力できるため、平均利益や平均損失だけでなく、最大利益や最大損失や取引時間(ポジション保有時間)の詳細(最大ポジション保有期間等)や最大連勝記録や最大連敗記録なども算出できます。こういった詳細のデータを確認することで、稼働しようと思っているストラテジーの特徴を深堀りすることが可能です。
4-4. ストラテジーのリスクを測る指標とは?
一般的には、「最大DD」がストラテジーのリスク指標になりますが、売買サイン履歴から得られる最大連敗記録や最大損失(とその際のポジション保有期間)なども参考データになります。また、利用するするストラテジーの「リスクリターンレシオ(リスクリターン率)=損益合計÷最大DD」や「ペイオフレシオ(平均利益÷平均損失)と勝率の関係」も含め他のストラテジーと比較するのも1つです。
5.ポートフォリオの組み方とリスク管理
ここでは、複数のストラテジーを組み合わせることでリスクを軽減しながら、収益の拡大を目指す方法について解説します。
5-1. ポートフォリオとは?基本の考え方
5-1-1.ポートフォリオとは
投資におけるポートフォリオとは、1つの金融商品に投資をするのではなく、複数の金融商品や銘柄に分散投資をすることで、リスクの軽減効果を狙った運用手法を言います。
” 卵は一つの籠(かご)に盛るな”や“1つの籠に卵を盛るな”という相場格言がありますが、これは、卵を1つの籠に盛ると、その籠を落としたときに全部割れてしまう可能性があるが複数の籠に盛っておけば、そのうちの1つを落としても、他の籠に盛られた卵からその果実が得られるという意味合いでポートフォリオ効果を意味します。なお、ここでは、システムトレードという狭義でのポートフォリオについて解説致します。
5-1-2.ポートフォリオの基本的な考え方
次の「ストラテジー1」と「ストラテジー2」という期待値とリスクが同じで、リスクのタイミングが逆相関のストラテジーがあったとします。
【ストラテジー1】
【ストラテジー2】
※リスクとは、一般的には期待値に対する分散または標準偏差でシストレにおいては最大DD
【ストラテジー1と2を同時に運用すると黒い直線に】
2つのストラテジーのうちどちらか1つだけに資金を集中させて利用するとリスク軽減はできませんが、それぞれ同額を資金配分して運用すると期待値は変わりませんが、リスクが軽減します。理論的には、これがポートフォリオを組んで分散投資をおこなう理由になります。
もちろん、「ストラテジー1」と「ストラテジー2」のような理想的な金融商品やストラテジーの組み合わせは稀ですが、2つ以上のストラテジーを組み合わせることで、できるだけリスクの軽減効果を計ろうという事です。
ポートフォリオの組み方の手順は以下のとおりです。
【手順】
①「ランキング画面」から利用したいストラテジーをいくつか選択「取引管理画面」を確認する
②「取引管理画面」の右下で「取引数量」を調整する
③「取引数量」に数字を入力して調整すると「損益グラフ」と「選択中ストラテジーパフォーマンス」が変化する
シストレにおける具体例については、「【最新版】システムトレードで安定運用!ほったらかし投資を成功させるストラテジー戦略」も併せてご確認ください。
5-2. ポートフォリオ作成時の重要チェックポイント
シストレでポートフォリオを作成する際にチェックすべきポイントは、次の5つです。
5-2-1.推奨証拠金額の合計
ポートフォリオを組んだ際の推奨証拠金額が小さい程、投資効率は高くなります。
5-2-2.損益合計
損益合計が大きい程、期待値は高くなります。
※あくまでも期待値が高まるという意味で、将来の利益を確約するものではありません
5-2-3.最大DD
最大DDが小さい程、リスクは軽減されていると考えられます。同じストラテジーで数量を2枚、3枚と増やすと最大DDも倍・3倍と増加してしまいます。ストラテジーを組み合わせる際には損益グラフの山と谷が逆になっているものを追加していく要領で作成してみてください。
5-2-4.リスクリターン率(損益合計÷最大DD)
リスクリターン率が高いほど、リスクが軽減されていると考えられます。損益合計(5-2-2)を大きく、最大DD(5-2-3)を小さく微調整していくことでリスクリターン率は高まります。
5-2-5.平均利益、平均損失、勝率
平均利益と平均損失の関係や勝率については、運用開始後の評価に利用します。運用開始後に定期的(3ヵ月毎や6ヵ月毎等)にチェックをおこない、結果が開始前にチェックしたデータから大きく乖離している場合は、ポートフォリオを組み直すなどの対応をおこないます。
5-2-6.損益グラフが右肩上がりで直線的になっているかどうか
そして、最も重要なのがポートフォリオ作成時の損益グラフの形状です。このグラフの形状が右肩上がりで上下のブレが少なく、できるだけ直線に近づくように作成することがポートフォリオを組むコツです。
5-3. リスク管理と長期運用のポイント
実際にポートフォリオを組む場合、最初は画面上部にあるリスクメーターが50%を上回らないように注意しましょう。リスクメーターは、有効証拠金額(お客様の純資産)に対する推奨証拠金額の割合を示したものです。それぞれのストラテジーにおける推奨証拠金額は、必要証拠金額+過去1年間の最大DDで算出していますので、これ自体がある程度リスクを考慮した金額になっていますが、ポートフォリオを組んだ推奨証拠金額の合計が、有効証拠金を下回っている(100%以下)という事は、仮に損失が続いたとしても少なくとも過去1年間の最大ドローダウン以上の損失がでなければ、運用が続けられるという訳です。
また、「2-3. 1年以上の長期視点で取り組もう」でもお伝えしたとおり、できれば1年以上、少なくとも半年程度は継続運用するイメージでご利用ください。半年や1年経過した際に、利用しているストラテジーのパフォーマンスが、利用開始前のパフォーマンスに比べ大幅に悪化している際にだけ、入れ替えを検討しましょう。
6.運用開始後にやるべきこと
6-1. 定期的なモニタリングで運用を最適化
機関投資家などがポートフォリオ運用をおこなう際は、定期的なモニタリングと必要に応じたリバランスをおこないます。
※リバランスとは、ある機関投資家が金融資産A:50%、金融資産B:50%という運用をおこなっていたとして、その後、Aの資産価値が大幅に上昇したことで、金融資産A:60%、金融資産B:40%となった際に金融資産Aを一部売却し、Bを買うことでバランスをA:50%、B50%に戻す作業を言います。
複数のストラテジーを利用したポートフォリオにおいては、パーセンテージでリバランスをおこなうのはあまり現実的ではありませんが、パフォーマンスの良いストラテジーは残しつつパフォーマンスの芳しくないストラテジーの稼働を止めて、他のストラテジーを導入するといった作業をおこないます。ただし、このモニタリングやリバランスの作業は、毎週毎週おこなうようなものではなく、短くても1か月程度は運用結果を見守りつつ、1ヵ月から数か月程度のスパンでおこなうのが理想的です。
6-2. 取引数量の見直しでリスクを調整
定期的なモニタリングに対し、運用結果が良い場合でも悪い場合でも取引数量の変更はその後の効果が高いと考えられます。運用結果が良い場合は、取引数量をそれぞれ引き上げていくことで、その後も好調な取引が続けば、複利的な運用効果が得られます。逆に運用結果が悪い場合は、取引数量を抑えることで、リスクを低減することが可能です。
具体的には、結果が出ている場合は「10枚から11枚に増加」、結果が出ていない場合は「10枚から9枚に減少」といった具合です。資金の増加に伴って少しづつ変更すべきで、ちょっと利益が出たからと言って倍増するということは避けましょう。
7.初心者を卒業するための活用テクニック
7-1. (禁断の)手動決済をうまく活用しよう
手動決済は、シストレに置いて禁断の果実です。基本的には手動決済は行うべきではないのですが、ある程度シストレに慣れ相場動向も把握できてくると、手動決済をした方が、資産を増やしやすいのではないかと考えるようになると思います。それでは、具体的に手動決済をおこなう場合、どういった考えを基に執行するのかについて解説します。
7-1-1.トレンドフォロー型のストラテジーの場合
トレンドフォロー型ストラテジーの理想的な売買のイメージ
トレンドフォロー型のストラテジーの多くは、トレンドの発生を確認してからポジションを持ち、トレンドの反転を確認してからポジションを決済する傾向にあります。
そのため、ポジション保有後から評価益になっていることが多いのですが、トレンドが長い時間続かずに反転してしまうと評価益が目減りし、場合によっては最終的に損切りになるなんてことがあり得ます。
こういった特徴から、トレンドに変化の兆しが出始めた際、手動決済をおこなうという方法です。
※上記イメージで黄色い星印より手前
なお、基本的にトレンドが変わらなければ、ポジションを持ち続けることで大きな利益を目指すというのがトレンドフォロー型の運用姿勢ですので、手動で決済する際には、できるだけトレンド転換の確信が持てるタイミングでおこなうのがベターです。
7-1-2.カウンタートレード型のストラテジーの場合
カウンタートレード型ストラテジーの理想的な売買のイメージ
カウンタートレード型のストラテジーは、トレンドの転換前にポジションを持つという傾向があります。言い換えれば、トレンド転換の予兆でポジションを持つため、ポジション保有後は評価損が出やすく、想定どおりにトレンドが転換しない場合は、大きな損失に繋がるといった傾向があるという事です。
したがって、カウンタートレード型のストラテジーにおける禁断の手動決済は、利益確定にフォーカスするトレンドフォロー型とは異なり、「早めに損切りする」事を念頭におこなうのがベターです。
※上記イメージで黄色い星印より手前
7-2. 売買サインを活かした裁量トレードの方法
シストレセレクト365の口座をお持ちであれば、全てのストラテジーの売買サイン履歴を確認できます。ストラテジーを利用して自動売買するのが基本ですが、今、発生している売買サインが買いなのか、売りなのかなどを確認し裁量取引にも活用できます。その際には「ランキング画面」のお気に入りで参考にしているストラテジーにチェックを入れておくと便利です。
ある程度、シストレに慣れてきた際には、裁量トレードのサポートツールとしてもシストレセレクト365をご活用ください。
7-3. トレード日記をつけて改善しよう
裁量トレードにおいてもそうですが、トレード日記(=トレード日誌、トレード記録)を記録していない投資家は結構多いです。
トレード日記とは、なぜ、この時にポジションを持ったのか、なぜこの時に決済したのかなど、取引の根拠等を記録したもので、その利点は、運用方針や相場動向などを客観的に判断できているのか、それても直感や感情で判断しているのかを確認することにあります。
次の2つのテストを確認してみましょう。
7-3-1. 例1:先祖から相続した資産
あなたは、先祖代々から受け継がれているある銘柄の株式を保有しています。しかし、その企業は不祥事を起こし、現在大きく下落し始めています。あなたは、この株式を保有したままにしておきますか?それとも売却しますか?
7-3-2. 例2:あなたはファンドマネージャー
あなたは、ファンドマネージャーです。いくつもの株式を保有していますが、ある銘柄はその企業の不祥事で現在大きく下落し始めています。あなたは、この株式を保有したままにしておきますか?それとも売却しますか?
7-3-3.人間は、感情で取引をおこなう傾向がある
行動経済学や行動ファイナンスにおいて、人間は経済的に合理的な行動がとれないことが示されています。上記2つの例であれば、今後も下落する可能性がある銘柄なら、本来一時的に売却し、再度上昇し始めた時に買えばいいわけです。
しかし、先祖代々の遺産であれば、心情的に売却しにくいものです。
また、ファンドマネージャーではないとしても、自分が上がると判断し保有した銘柄が下落し始めた時に売却を決断することは難しいんです。
なぜなら自分の決断が間違いだと認めることになるからです。
認知的不協和によって、心理的に「これは一時的な下落で落ち着けばまた上昇するかも」といった根拠の無い楽観的な見通しを持ちたがるのが人間です。
こういった判断を避けるためにも、トレード日記をつけることで客観的に分析できるようになっていくわけです。シストレにおいても同様で、どうしてそのストラテジーを選んだのか、何故入れ替えたのかなどを客観的な判断で記録しておくといいでしょう。
7-4. 脱初心者のまとめ
まず、「手動での決済」は、ある程度の経験値を積んでからおこなうようにしましょう。その際のポイントは、トレンドフォロー型では利益確定を大きくするため、カウンタートレード型では損失の拡大を防ぐためです。
また、トレード日記は、裁量トレードでもシステムトレードでも必ず記録するようにしましょう。ノートなどの紙媒体に記録を書き込んでもいいですし、ExcelやWord、ブログなどに記録するのも1つです。
シストレセレクト365の操作方法についてはこちらをご覧ください。