
ストラテジーとは?
自動売買(システムトレード=シストレ)におけるストラテジーとは、「売買ルール」のことです。ストラテジーの良し悪しが、利益を上げられるかどうかの分かれ道になります。優れたストラテジーを構築できれば、安定した収益を得られる可能性が高まりますが、不適切なストラテジーでは損失を招くこともあります。
今回は、ストラテジーの基本的な作成方法と市場環境の影響、そしてバックテスト(検証)の重要性について解説します。
ストラテジー作成の基本:ルール化が鍵
シンプルなルールが成功のカギ
ストラテジーを作成する際に最も重要なのは、ルールを明確かつシンプルに設定することです。複雑すぎるルールは最適化しにくく、想定外の相場変動に対応しづらくなります。例えば、以下のようなシンプルな売買ルールが考えられます。
売買ルールの例
• 経済指標を利用する:
米国の経済指標が市場予想を上回れば米ドル/円を買い、下回れば売る。上下50銭動いたら決済。
• 時間や日付を基準にする:
五十日(ゴトオビ)の午前3時に米ドル/円を買い、午前10時に決済。
• 他の金融市場を参考にする:
NYダウが上昇した翌日の日経225を寄り付きで買い、上下100円動いたら決済。
• テクニカル分析を活用する:
MACDがシグナルを上回ったら買い、下回ったら売る。
• 気候データ等を利用する:
全国的に晴で気温が平均よりも高いと予想されたら、寄り付きで買い、大引けで売る。
これらのルールは比較的シンプルですが、ストラテジーとして機能するかどうかは、市場の状況次第です。
市場環境は常に変化する 何がマーケットを動かすのか?
例えば、為替相場の変動要因には、以下のようなものがあります。
• 物価・金利動向
• 景気の状況
• 貿易収支の変化
• 通貨供給量の増減
• 投機的な取引の影響
また、マーケットが重視する要素は時代とともに変化します。
時代ごとの市場の関心の変遷
• 1970〜1990年代:日米の貿易収支が相場の主要要因。
• 2000年代以降:金融政策(FRBの政策金利や量的緩和)が重要視される。
• 2020年代:コロナショック以降、物価動向(インフレ)が最も注目されるトピックに。
例えば、2025年現在では、米国のCPI(消費者物価指数)の発表が市場に大きな影響を与えています。しかし、発表されるデータのどれに注目すべきか、また市場の反応は予測しきれない部分もあります。
米国の物価系経済指標
CPI(前月比) | GDP価格指数 |
CPI除食品・エネルギー(前月比) | ISM雇用 |
CPI(前年比) | ISM支払価格 |
CPI除食品・エネルギー(前年比) | 実質平均時給(前年比) |
CPI指数(季調前) | 実質平均週賃金(前年比) |
CPIコア指数 季調済 | PPI 最終需要(前月比) |
PPI (除食品・エネルギー、前月比) | |
PCE価格指数(前月比) | PPI 最終需要(前年比) |
PCE価格指数(前年比) | PPI (除食品・エネルギー、前年比) |
コア個人消費支出価格指数(前月比) | 輸出物価指数(前月比) |
コア個人消費支出価格指数(前年比) | 輸出物価指数(前年比) |
ストラテジーの検証:バックテストの重要性
ストラテジーを作成するだけでは不十分で、それが実際に機能するかどうかを確認する必要があります。この検証作業を「バックテスト」と呼びます。
バックテストの手法
バックテストには主に2つの手法があります。
1. インサンプル方式:過去の特定期間でストラテジーをテストする。
2. アウトオブサンプル方式:インサンプル方式の結果を基に、別の期間で再テストする。
この2つの結果が類似していれば、そのストラテジーはより信頼性が高いと判断できます。しかし、多くの場合、インサンプルとアウトオブサンプルで結果が異なり、何度も微調整が必要になることがほとんどです。
ストラテジー作成は労力のかかる作業
ストラテジー作成には、
1. シンプルなルールを設計する
2. 過去データを用いた検証(バックテスト)を行う
3. 必要に応じてルールを調整し、再検証する
といったステップを何度も繰り返す必要があります。
簡単に見えるかもしれませんが、実際に安定した利益を生み出すストラテジーを作るには、多くの時間と試行錯誤が必要です。そのため、初心者はまず既存のストラテジーを活用しながら、自分のトレードスタイルに合ったルールを見つけることをおすすめします。
まとめ
• ストラテジーは明確でシンプルなルールが基本。
• 市場環境は時代とともに変化するため、柔軟な対応が必要。
• バックテストを通じて検証し、最適化を繰り返すことが重要。
• ストラテジー作成は手間がかかるが、成功すれば大きなリターンを期待できる。
このページでは、ストラテジー作成の基本について解説しました。今後もマーケットの動向を見極めながら、最適な売買ルールを構築していきましょう!
次回は、テクニカル分析を利用した基本的なストラテジーの中でも著名なものをいくつか取り上げます。
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