このページでは、2010年から自動売買システムの構築とロジック作成に携わってきた筆者が、初心者にも分かりやすく解説します。
自動売買とは?
自動売買とは、投資の売買を自動で行う仕組みのことを指します。
自動売買のメリット
自動売買の主なメリットは、以下の2点です。
- 手間が省ける(トレードを自動化することで時間と労力を削減)
- ミスを減らせる(感情に左右されず、ルールに従った取引が可能)
自動運転、自動販売機、自動改札など、私たちの身の回りには多くの「自動化」があります。その最大のメリットは、「人的リソースの削減」と「ヒューマンエラーの防止」です。
投資においても、自動売買を活用することで、ルールに基づいた取引を行い、心理的なミスを防ぐことができます。
ヒューマンエラーとは?
投資におけるヒューマンエラーを理解するため、行動経済学の視点から説明します。
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーは、「プロスペクト理論(Prospect Theory)」を提唱しました。この理論は、「人は損失を避ける傾向があり、合理的な判断ができないことがある」ことを示しています。
実験1:利益の選択
次のどちらかを選んでください。
A:100万円を確実に受け取る
B:コインを投げて、表なら200万円を受け取るが、裏なら何ももらえない
→ 多くの人が「確実にもらえるA」を選びます。
実験2:損失の選択
次のどちらかを選んでください。
A:100万円を確実に支払う
B:コインを投げて、表なら200万円支払うが、裏なら支払いなし
→ 多くの人が「リスクを取ってB」を選びます。
これを投資に置き換えてみると、以下のような状況になります。
投資における選択
A:100万円の利益が出ているので決済する
B:100万円の利益が出ているが、決済せずに様子を見る
A:100万円の損失が出ているので決済する
B:100万円の損失が出ているが、決済せずに様子を見る
多くの人が 利益は早く確定し、損失は先延ばしする 傾向があります。これは「損失回避性」と呼ばれる心理的なバイアスによるものです。しかし、投資においては「利益は伸ばし、損失は早めに切る」ことが重要です。自動売買を利用すれば、このような感情的なミスを防ぐことができます。
自動売買とシステムトレードの違い
「自動売買」と似た言葉に「システムトレード(シストレ)」があります。
システムトレードとは?
システムトレード(シストレ)とは、 一定のルールに基づいて取引を行う手法 で、手動・自動を問いません。現在では「シストレ=自動売買」として使われることが多くなっています。
売買ルール(ストラテジー)とは?
売買ルールは「売買ロジック」や「ストラテジー」とも呼ばれます。
例えば、以下のようなシンプルなルールがあります。
移動平均線を利用した売買ルール
- 買い:価格が26週移動平均線の上側にあるときに26週移動平均線が、52週移動平均線を上回ったら買い、52週移動平均線を下回ったら決済
- 売り:価格が26週移動平均線の下側にあるときに26週移動平均線が、52週移動平均線を下回ったら売り、52週移動平均線を上回ったら決済
下のグラフは、いずれも米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、日経225、NYダウ、ナスダック100の2000年1月から2024年7月までの週足チャートに26週移動平均線(赤色)と52週移動平均線(青色)表示したもので、下段の白いラインは、上記のルールにしたがっていずれも1単位で売買した場合の売買損益を示しています。
【米ドル/円】
【ユーロ/円】
【ポンド/円】
【日経225】
【NYダウ】
【NASDAQ100】
このようにルールを決めてトレードを行うことで、感情に左右されることなく合理的な判断が可能になります。
自動売買のまとめ
自動売買(システムトレード)は、 一定のルールに基づいて取引を自動化する手法 です。
そのメリットは、
✅ 手間を省ける(人的リソースの削減)
✅ ミスを減らせる(ヒューマンエラーの防止)
次の記事では、 具体的なストラテジー(売買ルール) について詳しく解説します。
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