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イールドスプレッドで4月3日の米国株市場を先取り!米株安と米長期金利大幅低下で割高感は大きく和らぐ!

2025.04.03

イールドスプレッドは債券利回りと株式指数の益利回りを比較して、割安・割高を分析するツールである。当然に割高な方を売って、割安な方を買うという際に一つの目安になる。一般的には、リスクゼロの米国債利回りはリスクの高い株式市場の益利回りよりも低い。また、債券利回りと益利回りのスプレッドが縮小してくると、株を売って債券を買うという取引が強まる。一方、スプレッドが拡大すればその逆の取引が強まる。現在はスプレッドが過度に縮小する展開になっているが、米国の利上げ基調が継続していることから、債券買いも手控えられる展開になっている。『割高解消には』①株価の下落調整、②債券の利回り低下、または、③その両方の調整が必要となる。

3日の米国株主要三指数は、全てで大幅反落する展開となった。そして、米長期金利は米株の大幅安などリスク回避の買いが優勢となり、金利は前日比で大幅低下する展開となった。イールドスプレッドは、全てで前日比大幅拡大して割安となった。シティバンクのストラテジー指数のエコノミックサプライズ指数はマイナス圏へ低下している。3日終了時でマイナス7.2(2日:マイナス4.8)と前日比でマイナス幅が縮小する展開。この指数のマイナス推移は、市場予想を下回る経済指標が増えていることを示している。そして、米景気はゼロ近辺で推移していることから停滞気味であることを示している。

NY株式市場では、トランプ政権の相互関税が想定以上に厳しいものとなり、景気への影響を警戒して寄り付き後は下落した。ISM非製造業景況指数が予想以上に低下したため景気後退入り懸念が一段と強まり大幅続落した。トランプ政権の相互関税を受け、欧州やカナダが報復措置に強い姿勢を見せたため、貿易摩擦悪化懸念も一段の売りにつながり、終盤にかけ下げ幅を拡大して終了した。一方、米長期金利は、トランプ米政権による相互関税導入を背景に米国株相場が急落すると、相対的に安全資産とされる米国債が買われた(利回りは低下)。低調な米経済指標も債券買いを促し、利回りは一時3.9966%前後と昨年10月以来の低水準を付けた。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

米国株のVIX指数はから21.51から30.02へ大幅に上昇した。ただ、VIX指数が30を上回っていることで、リスク回避の動きが強まってきている。そして、債券利回りに対して、株式指数の益利回りが米主要三指数全てで上回ったことで、株式市場の割高感は緩和されてきている。基本的には債券利回りよりリスクの高い株式益利回りの方が高いのが正常な状態であるため、逆転するということは非常に株式市場の割高感が強いことを示す。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

米国主要三指数のNASDAQ総合指数は、イールドスプレッドが益利回りより米10年債利回りの方が高いという異常なほどの割高感が強いままである。普通に考えればリスクの大きい株式の益利回りよりも、リスクが小さい債券利回りの方が低いというのが正常な市場である。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲2.702%

・直近イールドスプレッド縮小: 23/10/9‐+0.175%、23/10/19₋+0.335%

24/4/26‐+0.412%、24/5/10₋+0.376%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

20/2/28-▲4.541%、20/3/23-▲6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・4月2日▲0.054%⇒4月3日:予想▲0.352%(前日比で拡大:割安)

 

4月3日のNYダウが大幅反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値▲2.701%から▲2.349%平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲3.874%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲3.750%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲4.189%下回った。20年3月23日の6.017%から▲5.665%下回った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.398%

・直近イールドスプレッド縮小: 23/10/9‐▲0.274、23/10/19₋▲0.143%

24/4/11‐+0.051、24/4/25₋+0.056%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%

19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%、20/3/23-▲6.222%

・4月2日:▲0.522%⇒4月3日:予想▲0.884%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が4日ぶりに反落うえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.398%から▲1.514%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲2.985%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲3.118%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲3.295%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲3.615%下回った。20年3月23日の6.222%から▲5.338%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.296%

・直近イールドスプレッド縮小:23/10/9‐+1.395%、23/10/19₋+1.546%

24/4/11‐+1.215%、24/4/16₋+1.183%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・4月2日:+0.263%⇒4月3日予想▲0.109%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが3日ぶりに大幅反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)だった。平均値の▲1.296%から▲1.187%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲2.070%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.274%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.389%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.694%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.985%下回った。

★NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下したうえ、株価指数も大幅反落したことで前日比でイールドスプレッドは大幅に拡大した。そして、スプレッド幅は平均値を大幅に下回っており、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドでは、債券利回りを益利回りが上回まる状態に転換した。益利回りが債券の利回りを上回ったことから、債券割安・株式割高の状態が緩和した。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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