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イールドスプレッドで3月18日の米国株市場を先取り!米長期金利は横ばいも米株高で割高感は強まる!

2025.03.18

イールドスプレッドは債券利回りと株式指数の益利回りを比較して、割安・割高を分析するツールである。当然に割高な方を売って、割安な方を買うという際に一つの目安になる。一般的には、リスクゼロの米国債利回りはリスクの高い株式市場の益利回りよりも低い。また、債券利回りと益利回りのスプレッドが縮小してくると、株を売って債券を買うという取引が強まる。一方、スプレッドが拡大すればその逆の取引が強まる。現在はスプレッドが過度に縮小する展開になっているが、米国の利上げ基調が継続していることから、債券買いも手控えられる展開になっている。『割高解消には』①株価の下落調整、②債券の利回り低下、または、③その両方の調整が必要となる。

18日の米国株主要三指数は、全てで続伸する展開となった。一方、米長期金利は米国株高で債券には重荷になったものの、金利はほぼ前日比で横ばいとなる展開となった。イールドスプレッドは、米国主要三指数全てで前日比で縮小して割高となった。シティバンクのストラテジー指数のエコノミックサプライズ指数はマイナス圏へ低下している。17日終了時でマイナス13.7(14日:マイナス9.7)と前日比でマイナス幅が拡大する展開。この指数のマイナス推移は、市場予想を下回る経済指標が増えていることを示している。そして、米景気はゼロ近辺で推移していることから停滞気味であることを示している。

NY株式市場では、小売売上高が予想を下回ったもののプラス圏回復で、警戒された程悪化せず安心感に寄り付き後は上昇した。NYダウは中国の小売り売上高の改善に加え、同政府が消費支出拡大する支援策を計画しているとの報道が支援となり、続伸した。ナスダックは、開発者会議「gtc 2025」でのエヌビディア(NVDA)最高経営責任者(CEO)の基調演説を控えた神経質な展開に一時下落も、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を受けた買いや押し目買いに上昇に転じた。相場は終盤にかけ、上げ幅を拡大して終了した。一方、米長期金利は、この日発表の米経済指標が低調な内容となったことを受けて買い(利回りは低下)が入った半面、米国株相場の上昇に伴う売り(利回りは上昇)が出たため相場は大きな方向感が出なかった。18-19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的な売買が手控えられた面もあった。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

米国株のVIX指数はから24.66から21.77へ低下した。ただ、VIX指数が20を上回っていることで、リスク回避の動きが強まってきている。そして、債券利回りに対して、株式指数の益利回りが米主要三指数のNASDAQ総合指数は下回っており、株式市場の割高感を維持していることには注意が必要。債券利回りよりリスクの高い株式益利回りの方が高いのが正常な状態であるが、逆転しているということは非常に株式市場の割高感が強いことを示している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

米国主要三指数のNASDAQ総合指数は、イールドスプレッドが益利回りより米10年債利回りの方が高いという異常なほどの割高感が強いままである。普通に考えればリスクの大きい株式の益利回りよりも、リスクが小さい債券利回りの方が低いというのが正常な市場である。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲2.711%

・直近イールドスプレッド縮小: 23/10/9‐+0.175%、23/10/19₋+0.335%

24/4/26‐+0.412%、24/5/10₋+0.376%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

20/2/28-▲4.541%、20/3/23-▲6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月14日+0.102%⇒3月17日:予想+0.135%(前日比で縮小:割高)

 

3月17日のNYダウは続伸した一方で、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値▲2.711%から▲2.846%平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲4.361%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲4.237%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲4.676%下回った。20年3月23日の6.017%から▲6.152%下回った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.406%

・直近イールドスプレッド縮小: 23/10/9‐▲0.274、23/10/19₋▲0.143%

24/4/11‐+0.051、24/4/25₋+0.056%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%

19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%、20/3/23-▲6.222%

・3月14日:▲0.404%⇒3月17日:予想▲0.376%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続伸したうえ、米長期金利は横ばいだったことでイー上昇スプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.406%から▲2.030%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲3.493%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲3.626%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲3.803%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲4.123%下回った。20年3月23日の6.222%から▲5.846%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.302%

・直近イールドスプレッド縮小:23/10/9‐+1.395%、23/10/19₋+1.546%

24/4/11‐+1.215%、24/4/16₋+1.183%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月14日:+0.462%⇒3月17日予想+0.471%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続伸した一方で、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.302%から▲1.773%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲2.650%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.854%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.969%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲3.274%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲4.565%下回った。

★NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、米長期金利が横ばいだった一方で、株価指数が続伸したことで前日比でイールドスプレッドは縮小した。そして、スプレッド幅は平均値を大幅に下回っており、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドでは、債券利回りを益利回りが下回った状態が継続。益利回りが債券の利回りを下回ったことから、債券割安・株式割高の状態が続いている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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