(NY貴金属)
10日のNY金は、4営業日連続の上昇。NY金の期近2月限は前日比24.2ドル高の2715.0ドル、NY白金の期近1月限は同0.7ドル高の984.4ドル、NY銀の期近3月限は同29.9セント高の3131.4セント。
週末のNY金は、引き続きリスク回避の買いによって続伸した。NY金の2月限は、前日の強調地合いを維持して序盤から買いが先行して2710ドル台まで取引水準を上げた。20日のトランプ次期大統領の就任を控え、市場では政策の不透明な状況を警戒して、この日も安全資産としてNY金は買われた。しかし、その後のNY金は米国の追加利下げ観測の後退を背景に2686.9ドルまで下振れした。この日発表された昨年12月の米雇用統計で、非農業部門の就業者数が前月比25万6000人増と、市場予想の16万人増を大きく上回った。失業率は、4.1%となり、前月の4.2%から低下した。この堅調な労働市場を示す結果となった米雇用統計をきっかけに、米国の追加利下げ観測が後退すると米長期金利が低下して為替はドル高・ユーロ安方向に進みNY金は売られた。ただ、NY金の下振れは一時的な動きとなり、NY株式市場が大幅安の展開になると、NY金はリスク回避で買われ2735.0ドルまで続伸した。
NY白金も続伸して昨年11月11日以来の1000ドル台まで上昇した。NY白金の4月限は、序盤からNY金の強調地合いに反応すると欧州取引時間帯に1000ドルまで続伸した。しかし、米国取引時間帯に入ると為替のドル高・ユーロ安基調によってNY白金は980ドル台まで崩れた。ただ、NY白金の下振れは一時的な動きとなり、その後は再びNY金の強調地合いに引っ張られ、1001.3ドルまで直近の高値を更新した。
NY金2月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
NY白金4月限日足
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(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
10日のWTI原油は、大幅続伸。WTI原油の期近2月限は前日比2.65ドル高の76.57ドル、北海ブレント原油の期近3月限は同2.84ドル高の79.76ドル、RBOBガソリンの2月限は、同4.66セント高の207.49セント、NYヒーティングオイルの期近2月限は、同12.35セント高の250.17セント。
週末のWTI原油は、需給の引き締まり観測によって大幅続伸した。WTI原油の2月限は、序盤から買いが先行すると77.86ドルまで直近の高値を更新した。米政府はこの日、ロシアへの追加の経済制裁を発表した。ロシアの石油大手ガスプロムネフチ、スルグトネフテガスの2社と各子会社に対し、米国内の資産の凍結と米国内外の金融機関との取引を制限した。この米国の追加制裁に英国も追随して、同様の措置を取った。また、ロシア産原油の取引を続ける「影の船団」の取り締まりも強化した。このロシアへの追加の経済制裁によって、ロシア産原油の供給減少観測がWTI原油の上昇要因となった。しかし、高値をつけてからのWTI原油は、米雇用統計の発表をきっかけに為替がドル高方向に進むと、利益確定の売りが台頭してWTI原油は75.40ドル台まで崩れた。ただ、WTI原油の下振れは一時的な動きとなり、その後は欧米の寒波による暖房需要がした支えとなり、WTI原油は76.50ドル前後まで買い直された。
WTI原油期近2月限日足
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(CBOTコーン)
10日のシカゴコーンは、大幅続伸。シカゴコーンの中心限月3月限は前日比14.50セント高の470.50セント。
週末のシカゴコーンは、強気な米国農務省の需給報告を背景に大幅続伸した。シカゴコーンの3月限は、米農務省の需給報告発表前まで457セントを中心としたレンジで推移した。しかし、その後は強気な結果となった米需給報告によって472.50セントまで急伸した。1月の需給報告で、2024~25年度の米国産トウモロコシの生産高予想が、148億6700万ブッシェルとなり、市場予想の149億6500万~151億9300万ブッシェルを下回った。単収は1エーカー当たり179.3ブッシェルとなり、こちらも市場予想の181.3~183.7ブッシェルより低い結果となった。期末在庫は15億4000万ブッシェルとなり、市場予想の15億4000万~18億1500万ブッシェルの下限の水準となった。この米国産トウモロコシの強気な結果を受けて、シカゴコーンは昨年6月20日以来の水準まで続伸した。
シカゴコーン期近3月限日足
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