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イールドスプレッドで11月27日の米国株市場を先取り!米株高・米長期金利上昇で割高感は強まる!

2024.11.27

 

イールドスプレッドは債券利回りと株式指数の益利回りを比較して、割安・割高を分析するツールである。当然に割高な方を売って、割安な方を買うという際に一つの目安になる。一般的には、リスクゼロの米国債利回りはリスクの高い株式市場の益利回りよりも低い。また、債券利回りと益利回りのスプレッドが縮小してくると、株を売って債券を買うという取引が強まる。一方、スプレッドが拡大すればその逆の取引が強まる。現在はスプレッドが過度に縮小する展開になっているが、米国の利上げ基調が継続していることから、債券買いも手控えられる展開になっている。『割高解消には』①株価の下落調整、②債券の利回り低下、または、③その両方の調整が必要となる。

26日は、NY株式相場は、米国株主要三指数は全てで上昇する展開となった。一方、米長期金利は、5年債の好調な入札を受けて、買いが優勢となり小幅に低下した。イールドスプレッドは、主要株三指数は全てで縮小する割高となる展開となった。シティバンクのストラテジー指数のエコノミックサプライズ指数はプラス圏へ回復している。26日終了時ではプラス28.6(25日:プラス34.3)と前日比でプラス圏で大幅に縮小する展開となった。この指数のプラス推移は、市場予想を上回る経済指標が増えていることを示している。そして、米景気が好調であることを示している。

NY株式市場では、トランプ次期大統領が示した中国、メキシコ、カナダに対する追加関税案による影響を警戒し、寄り付き後はまちまちだった。NYダウは一部企業の低調な決算を嫌気した売りに続落した。ナスダックは半導体エヌビディア(NVDA)の反発で安心感が広がり、終日堅調に推移した。終盤にかけ、イスラエル治安内閣がレバノン停戦合意を承認したとの報道で、中東情勢の悪化懸念が後退して、さらに連邦準備制度理事会(FRB)が公表した11月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で労働市場や経済の下方リスクが後退したと指摘されたためNYダウはプラス圏を回復し連日で過去最高値を更新し終了した。一方、米長期金利は、トランプ次期米大統領は25日、メキシコとカナダ、中国に対する関税を強化する方針を表明。トランプ氏が掲げる関税政策で米国内のインフレ圧力が高まるとの見方から、債券売り(利回りは上昇)が広がった。もっとも、下値は限られた。5年債入札で、落札利回りが市場実勢を下回った(価格は上回った)。応札倍率も前回を上回り、「堅調な結果」と受け止められた。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

米国株のVIX指数はから14.60から14.10へ低下した。ただ、VIX指数が20を下回っていることで、リスク回避の動きは弱まってきている。ただ、債券利回りに対して、株式指数の益利回りが米主要三指数全てで下回っており、株式市場の割高感を維持していることには注意が必要。債券利回りよりリスクの高い株式益利回りの方が高いのが正常な状態であるが、逆転しているということは非常に株式市場の割高感が強いことを示している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

米国主要三指数のNASDAQ総合指数は、イールドスプレッドが益利回りより米10年債利回りの方が高いという異常なほどの割高感が強いままである。普通に考えればリスクの大きい株式の益利回りよりも、リスクが小さい債券利回りの方が低いというのが正常な市場である。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲2.787%

・直近イールドスプレッド縮小: 23/10/9‐+0.175%、23/10/19₋+0.335%

               24/4/26‐+0.412%、24/5/10₋+0.376%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-▲6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月25日+0.808%⇒11月26日:予想+0.826%(前日比で縮小:割高)

 

11月26日のNYは5日続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値▲2.786%から▲3.612%平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲5.052%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲4.928%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲5.367%下回った。20年3月23日の6.017%から▲6.843%下回った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.461%

・直近イールドスプレッド縮小: 23/10/9‐▲0.274、23/10/19₋▲0.143%

               24/4/11‐+0.051、24/4/25₋+0.056%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・11月25日:+0.241%⇒11月26日:予想+0.272%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が7日続伸したうえ、米国長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.461%から▲2.733%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲4.141%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲4.274%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲4.451%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲4.771%下回った。20年3月23日の6.222%から▲6.494%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.356%

・直近イールドスプレッド縮小:23/10/9‐+1.395%、23/10/19₋+1.546%

              24/4/11‐+1.215%、24/4/16₋+1.183%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・11月25日:+1.189%⇒11月26日予想+1.216%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが4日続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.356%から▲2.572%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲3.395%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲3.599%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲3.714%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲4.019%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲5.310%下回った。

 

★NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価指数が4日続伸したことで前日比でイールドスプレッドは縮小した。ただ、スプレッド幅は平均値を大幅に下回っており、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドでは、債券利回りを益利回りが下回った状態が継続。益利回りが債券の利回りを下回ったことから、債券割安・株式割高の状態が続いている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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