(NY貴金属)
15日のNY金は、6営業日連続の下落。NY金の期近12月限は、前日比2.8ドル安の2570.1ドル、NY白金の期近1月限は、同1.1ドル高の945.1ドル、NY銀の期近12月限は、同13.7セント安の3043.2セント。
週末のNY金は、売り買いが交錯する動きの中、小幅続落した。NY金の12月限は、米国の利下げペースの鈍化を警戒した動きによって序盤に2558.9ドルまで下落した。前日にパウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長が講演で、今後の金融政策について「指標と経済見通し次第」と強調した上で「利下げを急ぐ必要はない」と明言した。このパウエル米FRB議長の発言から、NY金は軟調地合いを継続していた。しかし、安値をつけてからのNY金は、為替のドル安・ユーロ高方向の動きと安値拾いの買いによって2580.8ドルまで上昇した。ただ、その後は米国の長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安基調を背景にNY金は2560ドル台半ばまで売り直された。この日発表された米国の10月小売売上高が、前月比0.4%増となり市場予想の0.3%増を上回った。この結果を受けて、再び米利下げペースの鈍化が意識され米長期金利の上昇と為替がドル高・ユーロ安基調に進んだ。
一方、NY白金は需要の拡大期待によって続伸した。NY白金の1月限は、序盤に938.4ドルまで下落した。しかし、その後は為替のドル安・ユーロ高方向の動きと白金需要の拡大期待が支援材料となり、NY白金は956.9ドルまで続伸した。トランプ次期米政権が、電気自動車(EV)の購入者に対する最大7500ドルの税控除措置の廃止を検討していると報じられ、ガソリン車などの排ガス浄化触媒に利用される白金やパラジウムの需要拡大が期待された。しかし、高値をつけてからのNY白金は、為替のドル高・ユーロ安基調の戻りによって943ドル台まで売り直された。
NY金12月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
NY白金1月限日足
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(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
15日のWTI原油は、急反落。WTI原油の期近12月限は前日比1.68ドル安の67.02ドル、北海ブレント原油の期近1月限は、同1.52ドル安の71.04ドル。RBOBガソリンの12月限は、同3.24セント安の194.93セント、NYヒーティングオイルの期近12月限は、同4.14セント安の217.09セント。
週末のWTI原油は、世界的なエネルギー需要の後退観測によって急反落した。WTI原油は、序盤に米国のエネルギー需要の後退を警戒した動きによって67.50ドル台まで下落した。前日にパウエル米FRB議長の発言によって、米利下げペースの鈍化観測から同国のエネルギー需要の後退が連想された。しかし、その後は為替のドル安方向の動きからWTI原油は68.60ドル台まで上昇した。ただ、WTI原油の上昇は一時的な動きとなり、世界的なエネルギー需要の後退を警戒した動きによって、WTI原油は66.82ドルまで急反落した。この日発表された中国の10月の鉱工業生産は、前年比5.3%増となり伸び率が前月の5.4%増から減速して市場予想の5.6%増を下回った。また、同国の10月の石油精製量も4.6%減と低調な内容となった。中国の景気低迷によるエネルギー需要の鈍化懸念などを背景に世界的なエネルギー需要の後退観測が、WTI原油の圧迫要因となった。
WTI原油期近12月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
(CBOTコーン)
15日のシカゴコーンは、5営業日ぶりに反発。シカゴコーンの中心限月12月限は前日比5.00セント高の424.00セント。
週末のシカゴコーンは、安値拾いの買いと週末要因による持ち高調整の動きによって反発した。シカゴコーンの12月限は、序盤から売りが先行すると417.00セントまで下落した。米国のトランプ次期大統領が、環境保護局(EPA)長官にバイオ燃料の反対派であるリー・ゼルディン元議員を指名したことで、同国のエタノール需要の後退懸念がシカゴコーンの圧迫要因となった。しかし、安値をつけてからのシカゴコーンは、安値拾いの買いや週末要因による持ち高調整の動きによって425.00セントまで反発した。
シカゴコーン期近12月限日足
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