(貴金属市場)
19日の金標準は、急反発。金標準の中心限月10月限は前日比92円高の9344円。
夜間立会での金標準の中心限月は、NY金の上昇と為替の円安方向の動きによって9346円まで急反発した。NY金の2月限は、為替のドル安・ユーロ高基調と中東の地政学的リスクによって、一時2048ドルまで急伸した。日中立会は、NY金の軟調地合いと為替の円高基調によって、金標準は9277円まで上げ幅を縮小した。しかし、日銀の金融政策決定会合後に為替が円安方向に動くと9355円まで急伸して日中の高値を更新した。その後は為替の円安方向の動きが一服すると、金標準は9323円まで上値水準を切り下げる動きも見せたが、引けにかけて9344円まで買い直された。
日中のNY金は、米長期金利の上昇によって2034.8ドルまで崩れている。NY金は12月14日に2062.9ドルまで上昇してから上値の重い展開となっている。先週からの米・欧・日の政策金利の発表が終わり、目先は週末にかけて発表される米国の第3四半期の国内総生産(GDP)や11月の個人消費支出(PCE)に市場は注目している。米PCEは、前回2年7カ月ぶりの低い伸びとなった。米FRB(連邦準備制度理事会)がインフレ指標として重要視していることから、今回も前回と同様に低下傾向となれば、早期利下げ観測が再び台頭すると見られる。米GDPは日本時間21日に22時30分、11月の米PCEは同22日22時30分の発表となっている。金標準は、日中に為替の円安方向の動きによって9350円台まで急反発している。日銀の金融政策決定後から為替は円安方向に進んでいるが、夜間でも円安基調が続くようであれば金標準の上値水準の切り上げが想定される。ただ、15時30分から植田日銀総裁の記者会見が予定され、記者会見の内容によっては円相場が反転することもあるので注意したい。
金標準の日足チャート
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