(NY貴金属)
6日のNY金は、3営業日ぶりに反発。NY金期近2月限は前日比11.6ドル高の2047.9ドル、NY白金期近1月限は12.9ドル安の893.7ドル、NY銀期近3月限は同31.8セント安の2422.8セント。
昨日のNY金は、米国の長期金利の低下を背景に3営業日ぶりに反発した。NY金の2月限は、序盤に米長期金利の低下によって2053.4ドルまで反発した。しかし、高値をつけてからは、低下していた米長期金利が上昇すると、NY金は2037ドル台まで上げ幅を縮小した。ただ、その後は11月のADP全米雇用報告の発表をきっかけに、再び米長期金利が低下すると、NY金は2051.0ドルまで買い直された。11月のADP全米雇用報告での非農業部門の民間就業者数は、前月から10万3000人増となり市場予想の13万人増を下回った。前日は10月の雇用動態調査(JOLTS)の求人数が、2021年3月以来2年7カ月ぶりの低水準となっていた。この労働市場の軟化を示す雇用関連の経済指標の結果によって、米長期金利は約3カ月ぶりの4.10%台まで低下したことが、NY金の支援材料となった。しかし、引けにかけては、8日の米雇用統計を控え、ポジション調整の動きによって2043ドル台まで上値水準を切り下げた。
一方、NY白金は、売り買い交錯する中、終盤に為替のドル高基調によって続落した。NY白金の1月限は、序盤に為替のドル安・ユーロ高基調やNYパラジウムの上昇によって916.5ドルまで反発した。しかし、その後はNYパラジウムの上昇が一服して為替がドル高・ユーロ安方向に戻ると、NY白金は890.4ドルまで崩れ3営業日連続の下落となった。
NY金2月限日足
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NY白金1月限日足
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(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
6日のWTI原油は、5営業日連続の下落。WTI原油期近1月限は前日比2.94ドル安の69.38ドル、北海ブレント原油期近2月限は同2.90ドル安の74.30ドル。RBOBガソリン1月限は同8.01セント安の203.02セント、NYヒーティングオイル期近1月限は同6.49セント安の257.62セント。
昨日のWTI原油は、需要の後退観測の台頭によって、5営業日連続で下落した。WTI原油の1月限は、序盤から下落基調を維持して欧州取引時間帯に72ドル割れとなった。その後、米国取引時間帯に需要の後退観測が台頭して、WTI原油は7月6日以来の70ドル割れとなり69.11ドルまで下値水準を切り下げた。需要の後退要因としては、この日発表されたEIA(米エネルギー情報局)の週間在庫統計で、原油在庫は前週より460万バレル減少したが、ガソリン在庫が前週より540万バレル増加して、市場予想の100万バレルを大幅に上回った。更に、10月の米貿易収支が2カ月連続で赤字幅が拡大して景気後退観測が広がった。このガソリン在庫の積み増しや弱気な貿易収支による、米国の景気後退懸念によって、同国の需要の後退が懸念された。また、前日に米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、中国の信用格付け見通しを引き下げた。このエネルギー消費大国の米・中の景気の冷え込みによる、エネルギー需要の後退観測がWTI原油の圧迫要因となった。
WTI原油期近1月限日足
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(CBOTコーン)
6日のシカゴコーンは、6営業日ぶりに反落。期近3月限は前日比6.25セント安の484.25セント。
昨日のシカゴコーンは、ブラジルの天候リスクの後退や輸出需要の拡大が圧迫要因となり、6営業日ぶりに反落した。シカゴコーンの3月限は、序盤に堅調地合いを維持して493.75セントまで上値水準を切り上げた。8日に発表される米農務省の需給報告で、2023~2024年の米国と世界の期末在庫の下方修正が予想されている。また、ブラジルとアルゼンチンの生産高見通しも引き下げられる見通しとなっている。この需給報告の事前予想が、シカゴコーンの支援材料となった。しかし、その後はブラジルの天候リスクの後退と輸出需要の拡大によって、シカゴコーンは高値から崩れ486.50セントまで反落した。ブラジルの産地では、向こう2週間の降雨が予報され干ばつによる作柄の悪化懸念が後退すると見られている。また、ブラジル穀物輸出協会(ANEC)は、今年の同国トウモロコシ輸出高が過去最大になるとの見通しを明らかにした。このブラジルの天候リスクの後退と輸出需要の拡大が、シカゴコーンの圧迫要因となった。
シカゴコーン期近3月限日足
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