(NY貴金属)
30日のNY金は、5日営業日ぶりに反落。NY金期近2月限は前日比9.9ドル安の2057.2ドル、NY白金期近1月限は5.5ドル安の935.9ドル、NY銀期近3月限は同21.7セント高の2566.0セント。
昨日のNY金は、米長期金利の上昇と為替のドル高基調を背景に5営業日ぶりに反落した。NY金の2月限は、序盤から米長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安基調によって売りが先行した。その後、欧州時間帯に2055.3ドルまで下値水準を切り下げたが、米国取引時間帯に米個人消費支出(PCE)物価指数の発表後に2066.6ドルまで切り返した。この日発表された10月の米PCE物価指数は、前年比3.0%上昇と前月の3.4%から低下して4カ月ぶりに3.0%まで鈍化した。コアPCE物価指数も、前年比3.5%と前月の3.7%から低下した。この米景気減速とインフレ鈍化を示す内容となった米PCE物価指数の結果を受けて、米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策の転換が近いとの思惑によって、NY金は買われた。しかし、NY金の上昇は一時的な動きとなり、引き続き米長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安基調の継続がNY金の圧迫要因となり2051.2ドルまで崩れた。ただ、安値をつけてからは、再び2060ドル台まで戻る動きも見せたが、引けにかけて月末要因による持ち高調整や利益確定の売りによって2055ドル台前後の水準まで売り直された。
NY白金は続落。NY白金の1月限もNY金と同様に、序盤は為替のドル高・ユーロ安基調によって売りが先行したが、米PCE物価指数の発表後に947.0ドルまで上昇した。しかし、その後は為替のドル高・ユーロ安基調によって売り直され927.0ドルまで崩れた。ただ、安値をつけてからは為替のドル高・ユーロ安基調の下げ一服によって、NY白金は930ドル台半ばの水準まで下げ幅を縮小した。
NY金2月限日足
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NY白金1月限日足
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(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
30日のWTI原油は、急反落。WTI原油期近1月限は前日比1.90ドル安の75.96ドル、北海ブレント原油期近1月限は同0.27ドル安の82.83ドル。RBOBガソリン12月限は同8.38セント安の219.98セント、NYヒーティングオイル期近12月限は同5.80セント安の283.05セント。
昨日のWTI原油は、OPECプラスの閣僚級会合後に急反落した。WTI原油の1月限は、序盤からOPECプラスの減産幅拡大観測による需給ひっ迫懸念によって、買いが先行して79.60ドルまで上昇した。しかし、OPECプラスの閣僚級会合後に75.05ドルまで急反落した。OPECプラスの閣僚級会合では、2024年第1四半期から日量220万バレルの減産で合意した。ただ、今回の減産幅220万バレルのうち、少なくとも130万バレルはサウジアラビアとロシアが現在実施している自主減産となっている。アルジェリア、オマーン、クウェートなどは自主的に生産を縮小するとしているが、米ブルームバーグ通信によると、アンゴラはOPECプラスの生産目標を拒否して、目標を超過して生産する意向を示している。この産油国による自主減産の履行に対する懐疑的な見方が、WTI原油の下落要因となった。その後も、一旦77ドル台まで買い戻される動きを見せたが、再び75.10ドル台まで売り直されるなど、WTI原油は波乱の動きが続いた。
WTI原油期近1月限日足
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(CBOTコーン)
30日のシカゴコーンは、続伸。期近3月限は前日比7.00セント高の482.75セント。
昨日のシカゴコーンは、強気な輸出需要を背景に続伸した。シカゴコーンの3月限は、序盤から堅調地合いを維持すると、その後は米国の強気な週間輸出成約高によって484.50セントまで買い進まれた。この日発表された米国産トウモロコシの週間輸出成約高は、192万78000トンと市場予想の60~120万トンのレンジ予想より大幅に上回った。この強気な輸出成約高が、シカゴコーンの買い材料となった。
シカゴコーン期近3月限日足
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