(貴金属市場)
28日の金標準は急落。金標準の中心限月6月限は前日比169円安の8725円。
夜間立会の金標準の中心限月は、NY金の値崩れと為替の円高基調によって8694円まで急落した。NY金は、米国の強気な経済指標によって米長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安基調が圧迫要因となって8月限は1941.7ドルまで崩れた。日中立会は、引き続き為替の円高基調によって金標準は8692円まで下げ幅を拡大した。ただ、日銀の金融政策決定会合後に急変して、為替が急速な円安方向に戻ると金標準は8847円まで下げ幅を縮小した。日銀の金融政策決定会合は、長期金利の変動上限を0.5%としつつ、市場動向に応じて0.5%の上限超えを容認した。この金融緩和の修正によって、円相場が一時141.00円台まで急伸した。ただ、金融緩和の修正は円高要因となることから、141円台の上昇は一時的となり、その後、138.00円台まで急落した。この急速な円高の動きによって金標準も8840円台の水準から8692円まで売り直された。その後は、円高一服の展開とNY金が1950ドル台まで反発すると、金標準は8740円まで下げ幅を縮小した。ただ、引けにかけては8720ドル台まで下がった。
日中のNY金は1954.8ドルまで反発している。前日に圧迫要因となった、ドル・ユーロは引き続きドル高・ユーロ安基調を維持しているが、前日の大幅安に対する持ち高調整でNY金は反発している。ただ、今後もドル・ユーロの動きに翻弄されると見て、NY金の戻りは限定的になると見たい。金標準は、日中の安値から8740円台まで戻りを見せているが、為替の円高基調が警戒され、戻りも今のところは限定的となっている。
金標準の日足チャート
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