(NY貴金属)
27日のNY金は急落。NY金期近8月限は前日比24.4ドル安の1945.7ドル、NY白金期近10月限は27.0ドル安の945.0ドル、NY銀期近9月限は同60.3セント安の2436.7セント。
昨日のNY金は、米国の強気な経済指標によって米長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安基調が圧迫要因となり急落した。昨日発表された米国の2023年4月~6月期の実質GDP(国内総生産)の速報値は、前期比2.4%増と前回の2.0%より伸び率が拡大して4四半期連続のプラス成長となった。インフレ指標として注目されているコア個人消費支出(PCE)は前期比3.8%と前回の4.9%から伸び率は鈍化したものの、景気の堅調さを維持した。新規失業保険申請件数は、前週比7000件減の22万1000件と市場予想の23万5000件を下回った。この強気な米経済指標を受けて、米長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安がNY金の圧迫要因となると、NY金の8月限は1941.7ドルまで急落した。また、下落局面では、FRB(連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)の今後の追加利上げの可能性を排除しなかったことが、NY金の下げに拍車をかけた。ECBは、この日0.25%の利上げを決定した。更に、前日の米FRBと同様に今後の金融政策について経済指標を踏まえて判断するとして、FRBと同様に今後の追加利上げの可能性を残した。NY白金も大幅続落。NY金と同様に為替のドル高・ユーロ安基調が圧迫要因となり、NY白金の10月限は980ドル台の高値水準から崩れ940.2ドルまで大幅続落した。
NY金8月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
NY白金10月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
27日のWTI原油は急反発。WTI原油期近9月限は前日比1.31ドル高の80.09ドル、北海ブレント原油9月限は前日比1.32ドル高の84.24ドル。RBOBガソリン8月限は同4.33セント高の295.05セント、NYヒーティングオイル期近6月限は同7.40セント高の291.69セント。
昨日のWTI原油は、米国の強気な経済指標による景気先行き懸念の後退が買い材料となり上昇した。WTI原油の9月限は、欧州時間帯で79ドル台で推移していたが、その後は強気な米経済指標による景気先行き不安の後退によって、同国のエネルギー需要の拡大が期待され2023年4月18日以来の80ドルまで上昇した。その後は、産油国の減産維持の中、ウクライナ情勢による供給混乱の警戒感や中国の景気刺激策によるエネルギー需要の拡大期待が、引き続き支援材料となって80.60ドルまで高値を更新した。しかし、高値をつけてからは、為替のドル高・ユーロ安基調によって80ドル割れの展開となり79ドル台半ばまで上げ幅を縮小する動きも見せた。
WTI原油期近9月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
(CBOTコーン)
27日のシカゴコーンは続落。期先12月限は前日比6.00セント安の542.25セント。
昨日のシカゴコーンは、米コーンベルトの天候リスクの後退が圧迫要因となり続落した。収穫量に影響を与える重要な受粉期が終盤に差し掛かる中、複数の天気予報会社が、8月の米コーンベルトの天候が、トウモロコシの生育により好ましい天候になると予報している。この生育に適した天候によって、トウモロコシの作柄の改善期待が膨らんだ。更に、トレーダーらは、今秋のトウモロコシの収穫高が予想を上回る可能性があると予想していることも、シカゴコーンの圧迫要因となった。この天候リスクの後退による作柄改善期待と、強気な収穫高予想によって、シカゴコーンの12月限は軟調地合いを継続して541.50セントまで続落した。
シカゴコーン期近12月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
ツイッター:https://twitter.com/@tazawa_fujitomi