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イールドスプレッドで4月10日の米国株市場を先取り!割高感は高水準を維持!

2023.04.07

 

聖金曜日の祝日(グッドフライデー)で豪州、NZ、香港、シンガポール、インド、ドイツ、スイス、フランス、スウェーデン、ノルウェー、南アフリカ、英国、カナダ、メキシコ、ブラジルなど休場。米国は株式・商品市場が休場、債券市場が短縮取引。

 

イールドスプレッドは債券利回りと株式指数の益利回りを比較して、割安・割高を分析するツールである。当然に割高な方を売って、割安な方を買うという際に一つの目安になる。一般的には、リスクゼロの米国債利回りはリスクの高い株式市場の益利回りよりも低い。また、債券利回りと益利回りのスプレッドが縮小してくると、株を売って債券を買うという取引が強まりまる。一方、スプレッドが拡大すればその逆の取引が強まる。現在はスプレッドが過度に縮小する展開になっているが、米国の利上げ基調が継続していることから、債券買いも手控えられる展開になっている。『割高解消には』①株価の下落調整、②債券の利回り低下、または、③その両方の調整が必要となる。6日は米長期金利が低下した一方で、主要三株価指数は全て上昇した。ただ、イールドスプレッドはNYダウはわずかに拡大した一方で、S&P500指数とNASDAQ総合は縮小する展開になった。過熱感は高水準で維持している。

 

★NY株式市場では、主要三指数は全てで上昇する展開になった。週次失業保険申請件数が予想を上回ったほか、国際通貨基金(IMF)が今後5年の世界経済成長見通しが1990年来の低い伸びになると警告したため景気減速懸念を受けた売りに寄り付き後は下落した。セントルイス連銀のブラード総裁が利上げ継続支持を表明すると一段と売られた。その後、地銀セクターが回復し金融危機不安が一段と緩和したほか、航空機メーカー、ボーイング(BA)株の上昇が相場全体を押し上げ、上昇に転じた。終盤にかけて、グッドフライデーの祭日や雇用統計を控えた調整でプラス圏を維持して終了した。一方、米長期金利は、労働市場の軟化を示す経済指標が相次ぐ中、米景気への懸念から債券買い(利回りは低下)が進んだ。利回りは一時3.2477%前後と昨年9月9日以来約7カ月ぶりの低水準を付けた。ただ、明日7日発表の3月米雇用統計を前に、ポジション調整目的の売りが出ると上げ幅を縮めた。イールドスプレッドからは、米長期金利は低下した一方で、主要三指数は上昇する展開になったものの、NYダウは拡大した一方で、S&P500指数とNASDAQ総合は縮小する展開になった。全般的に割高感が非常に強まっていることから、上値追いよりも引き続き下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。一方で、米国株のVIX指数は19.08から18.40へ低下した。VIX指数が20を下回っていることで、過度な金融不安は後退気味になっている。このまま、VIX指数が低下するかがポイントになる。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.140%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/9/27-▲1.573%、 22/10/13-▲1.556%

                22/10/24-▲1.001%、22/11/7-▲1.049%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・4月5日:▲1.410%⇒4月6日:予想▲1.416%(前日比でわずかに拡大:割安)

 

4月5日のNYダウが小幅続伸した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値▲3.140%から▲1.724%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.810%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.686%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲3.125%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.601%下回った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.720%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/10/6-▲1.919%、22/10/13-▲1.892%

               22/10/24-▲1.378%、22/11/7-▲1.311%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・4月5日:▲1.900%⇒4月6日:予想▲1.887%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は反発した一方で、米国長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.720%から▲0.833%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.982%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲2.115%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.292%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.612%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.335%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.647%

・直近イールドスプレッド縮小:22/10/6-▲0.049%、22/10/13-▲0.063%

              22/10/24-+0.363%、22/11/7-+0.384%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・4月5日:▲0.241%⇒4月6日予想▲0.221%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.647%から▲1.426%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.958%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.162%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.277%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.582%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.873%下回った。

 

★NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下した一方で、株価指数が反発したことで前日比では縮小した。スプレッド幅は平均値を大幅に下回っており、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、2月8日来マイナス圏に低下した。これは、益利回りが債券の利回りを上回ったことを示しており、債券利回りと比較すると割高感が後退したことを示している。ただし、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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