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イールドスプレッドで2月8日の米国株市場を先取り!過熱感強まる!

2023.02.08

 

★NASDAQ総合指数の益利回りが無リスクの米10年債の利回りよりも低下していることから、市場の過熱感が強いことを示している。そのため、債券の割安に対して株価指数の割高感が強い。

 

★NY株式市場では、主要三指数は全てで反発する展開になった。強い1月雇用統計を受け、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁など連邦準備制度理事会(FRB)高官がタカ派色と強め金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後、パウエル議長がインタビューで連邦公開市場委員会(FOMC)会見と同様、ディスインフレの初期段階であると再表明し金利が低下すると上昇に転じた。議長が同時に、強い雇用データが続いた場合はピーク金利が上昇する可能性に言及すると一時下落に転じる荒い展開となった。しかし、終盤にかけ、本年に利上げ終了の軌道変わらずとの見方に再び買われ、上げ幅を拡大して終了した。一方、米長期金利は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のインタビューが警戒していたほどタカ派寄りではなかったと受け止められ、当初は買いで反応したものの、すぐに失速した。同議長が労働市場のデータ次第ではピーク金利がさらに上昇する可能性を示したことなどが相場の重しとなった。利回りは一時3.6886%前後と約1カ月ぶりの高水準を記録した。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したうえ、主要三指数全てで反発したことで、全ての指数で縮小する展開になった。全般的に割高感が非常に強まっていることから上値追いよりも引き続き下押し調整的な動きに注意が必要である。特にNASDAQ総合指数は、無リスクである米長期債利回りを下回る異常な状態となっている。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は19.43から18.66へ低下した。米国株が上昇したことで、VIX指数は低下した。本年に利上げ終了の軌道変わらずとの見方に再び買われ、リスクがやや後退する展開になった。しかし、米国主要株価指数は全般割高感は強い。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.167%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/9/27-▲1.573%、 22/10/13-▲1.556%

                22/10/24-▲1.001%、22/11/7-▲1.049%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月6日:▲1.235%⇒2月7日:予想▲1.165%(前日比で縮小:割高)

 

2月7日のNYダウが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値▲3.166%から▲2.001%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲3.061%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.937%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲3.376%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.852%下回った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.735%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/10/6-▲1.919%、22/10/13-▲1.892%

               22/10/24-▲1.378%、22/11/7-▲1.311%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月6日:▲1.436%⇒2月7日:予想▲1.340%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発したうえ、米国長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.736%から▲1.396%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲2.529%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲2.662%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.839%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲3.159%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.882%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.670%

・直近イールドスプレッド縮小:22/10/6-▲0.049%、22/10/13-▲0.063%

              22/10/24-+0.363%、22/11/7-+0.384%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月6日:+0.050%⇒2月7日予想▲+0.149%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.670%から▲1.819%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲2.328%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.234%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.647%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.952%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲4.243%下回った。

 

★NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価指数が反発したことで前日比で縮小した。スプレッド幅は平均値を大幅に下回っており、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、プラス圏に浮上したことは益利回りが債券の利回りを下回ったことで、債券利回りと比較すると割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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