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イールドスプレッドで2月6日の米国株市場を先取り!異常事態発生!

2023.02.07

 

★NASDAQ総合指数の益利回りが、米10年物国債利回りを下回る異常事態(かなり過熱感強い状態)となっている。基本的な考えとしてリスクの無い国債利回りの方が低く、リスクの高い株式投資の益利回りの方が高いのが正常です。しかし、それが逆転している状態になっており、このような状態では、割高な株式を売って割安の債券を買うという投資が強まりやすくなります。割高感の解消には、米長期金利が低下するか、それとも株価が下落調整する必要がある。また、その両方の動きになれば、割高感は急速に解消される。

 

★NY株式市場では、主要三指数は全てで続落する展開になった。先週発表された雇用統計やISM非製造業指数が予想以上に強かったため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化懸念を受けた売りが継続し、寄り付き後は下落した。また、週末に政府が中国の偵察気球を追撃したため、米中関係の悪化を懸念した売りも強まり、一段安となった。終盤にかけては、パウエル議長のインタビューやバイデン大統領の一般教書演説を控えた買戻しに下げ幅を縮小して終了した。一方、米長期金利は、前週末の1月米雇用統計の結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退する中、債券売りが優勢となった。利回りは一時3.6530%前後と1月6日以来1カ月ぶりの高水準を付けた。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅上昇した一方で、主要三指数は続落展開となったものの、全ての指数で縮小する展開になった。全般的に割高感が非常に強まっていることから上値追いよりも引き続き下押し調整的な動きに注意が必要である。特にNASDAQ総合指数は、無リスクである米長期債利回りを下回る異常な状態となっている。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は18.33から19.43へ上昇した。米国株は続落したことで、VIX指数は上昇した。米FRBの早期の利上げ停止期待が後退したことで、米国株式市場へのリスクが高まってきた。また、米国主要株価指数は全般割高感は強い。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.167%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/9/27-▲1.573%、 22/10/13-▲1.556%

                22/10/24-▲1.001%、22/11/7-▲1.049%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月3日:▲1.335%⇒2月6日:予想▲1.218%(前日比で縮小:割高)

 

2月6日のNYダウは続落した一方で、米長期金利が大幅したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値▲3.167%から▲1.949%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲3.008%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.884%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲3.323%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.799%下回った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.736%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/10/6-▲1.919%、22/10/13-▲1.892%

               22/10/24-▲1.378%、22/11/7-▲1.311%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月3日:▲1.521%⇒2月6日:予想▲1.431%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続落した一方で、米国長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.736%から▲1.305%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲2.438%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲2.571%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.748%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲3.068%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.791%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.670%

・直近イールドスプレッド縮小:22/10/6-▲0.049%、22/10/13-▲0.063%

              22/10/24-+0.363%、22/11/7-+0.384%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月3日:▲0.019%⇒2月6日予想▲+0.066%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反落した一方で、米長期金利が大幅したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.670%から▲1.736%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲2.245%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.449%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.564%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.869%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲4.160%下回った。

 

★NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇した一方で、株価指数が反落したものの前日比で縮小した。スプレッド幅は平均値を大幅に下回っており、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、プラス圏に浮上したことは益利回りが債券の利回りを下回ったことで、債券利回りと比較すると割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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