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イールドスプレッドで10月13日の米国株市場を先取り!

2022.10.13

 

★NY株式市場では、主要三株価指数は小幅下落する展開になった。 9月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げを警戒した売りに寄り付き後は下落した。その後、債券相場が値ごろ感から調整などで反発し、長期金利が低下に転じたため安心感から買戻しが目立ち、一時上昇に転じた。足もとで相場下落が続いたあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入ると210ドル超上昇した。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が利上げ継続を公約したほか、9月消費者物価指数(CPI)の発表を控えた警戒感に引けにかけて、主要株式指数は再び下落して終了した。一方、米長期金利は、9月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ると売り(利回りは上昇)が先行したものの、明日の9月米消費者物価指数(CPI)を控えたポジション調整目的の買い(利回りは低下)が入ると持ち直した。なお、米10年債入札が低調だったことが分かると売りが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したうえ、主要三指数も小幅低下する展開になったことでイールドスプレッドは全てで拡大する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも引き続き下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は33.63から33.57へわずかに低下した。VIX指数が30台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.212%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/9/12-▲1.664%

                22/9/27-▲1.573%、22/10/6-▲1.628%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・10月11日:▲1.723%⇒10月12日:予想▲1.774%(前日比で拡大:割安)

 

10月12日のNYダウは小幅反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.212%から▲1.438%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.452%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.328%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.767%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.243%下回った。NYダウは、寄り前に発表された米9月生産者物価指数(PPI)は予想を上回る強い結果となったものの、午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、一部のメンバーが景気や金融市場に配慮して利上げペースを調整する必要あると指摘したことが株式市場の支援となった。しかし、翌日に発表される米9月消費者物価指数(CPI)への警戒感から取引終盤に売りが優勢となった。NYダウはおおむねプラス圏で推移したものの、28.34ドル安(-0.10%)と小幅に反落して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.764%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.989%、22/9/12-▲1.927%

               22/9/27-▲1.989%、22/10/6-▲1.919%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・10月11日:▲2.027%⇒10月12日:予想▲2.094%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は小幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.764%から▲0.670%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.775%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.908%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.085%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.405%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.128%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.714%

・直近イールドスプレッド縮小:22/9/12-▲0.198%、22/9/22-▲0.233%

              22/9/27-▲0.078%、22/10/6-▲0.049%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・10月11日:▲0.152%⇒10月12日予想▲0.200%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは小幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.714%から▲1.514%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.979%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.183%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.298%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.603%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.894%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下したうえ、株価指数も小幅続落したことで前日比では拡大した。イールドスプレッドは平均値の1/8超まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.200%で割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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