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イールドスプレッドで9月26日の米国株市場を先取り!

2022.09.24

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで続落する展開になった。英国政府が1972年来で最大とされる減税策を発表し、インフレ高進にさらに拍車をかけるとの懸念に欧州市場が大幅安となった流れに続き、寄り付き後は下落した。国内の長期金利も一段と上昇、景気後退懸念を受けた売りも強まり、一段安となった。引けにかけ、世界的な株安を警戒した投資資家心理の悪化で、買い持ちポジション手仕舞いの売りも巻き込み下げ幅を拡大して終了した。NYダウは一時820ドル超下落した。一方、長期金利は、英国債相場が暴落すると米国債にも売り(利回りは上昇)が波及した。利回りは一時3.8248%前後と2010年4月以来の高水準を付けた。ただ、米国株が大幅に下落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入ったため相場は上げに転じた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したうえ、主要三指数が全てで続落したことでイールドスプレッドは全てで拡大する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は27.35から29.92へ上昇した。VIX指数は20台後半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.219%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/8/19-▲1.825%

                22/8/24-▲1.809%、22/9/12-▲1.664%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月22日:▲1.687%⇒9月23日:予想▲1.799%(前日比で拡大:割安)

 

9月23日のNYダウが大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.219%から▲1.420%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.427%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.303%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.742%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.218%下回った。NYダウは、高金利政策の長期化による景気後退(リセッション)懸念が強まる中、金利の上昇や、ドル高進行に加え、ゴールドマン・サックスが年末のS&P500の見通しを現在から4%以上低い水準に引き下げたことも売り材料となった。NYダウは下落してスタートすると、一時826ドル安まで下落し、486.27ドル安(-1.62%)の29590.41ドルで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.767%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.989%、22/8/24-▲2.137%

               22/9/6-▲2.199%、22/9/12-▲1.927%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月22日:▲2.054%⇒9月23日:予想▲2.179%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.767%から▲0.588%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.690%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.823%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.000%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.320%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.043%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.721%

・直近イールドスプレッド縮小:22/8/24-▲0.404%、22/9/6-▲0.410%

              22/9/12-▲0.198%、22/9/22-0.233%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月22日:▲0.233%⇒9月23日予想▲0.330%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.721%から▲1.391%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.849%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.053%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.168%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.473%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.764%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下したうえ、株価指数は大幅続落したことで前日比では拡大した。イールドスプレッドは平均値の1/5超まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.3%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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