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イールドスプレッドで9月16日の米国株市場を先取り!

2022.09.16

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで反落する展開になった。小売売上高が予想を上回ったほか、先週分新規失業保険申請件数の減少で連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げを織り込む長期金利の上昇を警戒した売りに寄り付き後は下落した。一時、押し目買いが見られたものの、長期金利の上昇でハイテクが売られたほか、過剰な利上げによる景気後退懸念を受けた売りも強まり、主要株式指数は一段安となり終了した。一方、長期金利は、米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まる中、債券売り(利回りは上昇)が優勢となった。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時3.8710%前後と2007年11月以来の高水準を付けた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇した一方で、主要三指数は反落したもののイールドスプレッドはNYダウは縮小した一方で、S&P500とナスダック総合指数はわずかに拡大する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は26.16から26.27へ低下した。VIX指数は20台半ばで推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.222%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、 22/8/17-▲1.845%

                22/8/24-▲1.809%、22/9/6-▲1.900%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月14日:▲1.827%⇒9月15日:予想▲1.810%(前日比で縮小:割高)

 

9月15日のNYダウが反落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.222%から▲1.412%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.416%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.292%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.731%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.207%下回った。NYダウは、強弱まちまちとなった経済指標を受けて、金融引き締めへの警戒感や景気後退懸念が相場の重しとなったほか、大型買収が嫌気されたアドビ(-16.79%)の急落もハイテク株の重しとなった。NYダウは142ドル高まで上昇する場面もあったが、終盤に253ドル安まで下落し、173.27ドル安(-0.56%)の30961.82ドルで終了した。終値で7月14日以来の安値となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.768%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/8/24-▲2.137%、22/9/6-▲2.199%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月14日:▲2.095%⇒9月15日:予想▲2.112%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.768%から▲0.656%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.757%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.890%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.067%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.387%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.110%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.724%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/8/24-▲0.404%

              22/9/1-▲0.414%、22/9/6-▲0.410%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月14日:▲0.300%⇒9月15日予想▲0.308%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.724%から▲1.416%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.871%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.075%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.190%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.495%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.786%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価指数が反落したことで前日比ではわずかに拡大した。イールドスプレッドは平均値の1/5まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.3%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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