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イールドスプレッドで9月15日の米国株市場を先取り!

2022.09.15

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで反発する展開になった。前日の大幅下落の反動で買われたほか、8月生産者物価指数(PPI)で若干改善が見られたため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速懸念が緩和し買戻しが先行し、寄り付き後は上昇した。しかし、FRBの大幅利上げ計画は変わらずとの見方から長期金利が続伸すると再び売りに転じ、一時210ドル超下落する場面があった。引けにかけ、金利の上昇が一段落するとハイテク株の買いが相場を支え、主要株式指数はプラス圏を回復し終了した。一方、長期金利は、足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買い(利回りは低下)が入った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が小幅低下した一方で、主要三指数は反発したことでイールドスプレッドはNYダウはほぼ横ばいになった一方で、S&P500とナスダック総合指数は縮小する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は27.27から26.16へ低下した。VIX指数は20台半ばで推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.222%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、 22/8/17-▲1.845%

                22/8/24-▲1.809%、22/9/6-▲1.900%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月13日:▲1.842%⇒9月14日:予想▲1.843%(前日比で横ばい:横ばい)

 

9月14日のNYダウが小幅反発した一方で、米長期金利が小幅低下したことでイールドスプレッドは前日比でほぼ変わらず(米国10年債金利に対して米国株は前日比で横ばい)だった。平均値の▲3.222%から▲1.379%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.383%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.259%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.698%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.174%下回った。NYダウは、前日に1200ドル超の急落となったNYダウは、171ドル高まで上昇後、終盤に219ドル安まで反落したが、30.12ドル高(+0.10%)と小幅に上昇して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.768%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/8/24-▲2.137%、22/9/6-▲2.199%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月13日:▲2.109%⇒9月14日:予想▲2.098%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発した一方で、米長期金利は小幅低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.768%から▲0.670%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.771%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.904%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.081%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.401%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.124%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.724%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/8/24-▲0.404%

              22/9/1-▲0.414%、22/9/6-▲0.410%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月13日:▲0.318%⇒9月14日予想▲0.298%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反発した一方で、米長期金利は小幅低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.724%から▲1.426%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.881%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.085%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.200%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.505%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.796%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価指数も大幅反落したことで前日比では拡大した。イールドスプレッドは平均値の1/5まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.2%台後半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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