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イールドスプレッドで9月14日の米国株市場を先取り!

2022.09.14

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで大幅下落する展開になった。8月消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速懸念に売られ、寄り付き後は大きく下落した。長期金利の急伸でハイテクの売りも加速し、相場をさらに押し下げた。同時にFRBの過剰な利上げによる景気後退入り懸念も浮上し、サービスや小売りなどを中心に売られ、一段安となった。引けにかけても売り止まず、ポジション手仕舞いの売りも巻き込み主要株式指数は大幅安で終了した。一方、長期金利は、8月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まり、債券売り(利回りは低下)を促した。利回りは一時3.4564%前後と6月16日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時3.7895%前後と2007年11月以来の高水準を更新した。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇した一方で、主要三指数は大幅反落したことでイールドスプレッドは主要3指数全てで拡大する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は23.87から27.27へ上昇した。VIX指数は20台後半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.223%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、 22/8/17-▲1.845%

                22/8/24-▲1.809%、22/9/6-▲1.900%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月12日:▲1.664%⇒9月13日:予想▲1.814%(前日比で拡大:割安)

 

9月13日のNYダウが大幅下落した一方で、米長期金利が上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.223%から▲1.409%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.412%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.288%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.727%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.203%下回った。NYダウは、寄り前に発表された米8月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強い結果となったことで、インフレのピークアウト期待や金融引き締め緩和期待が後退した。9月20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%の大幅利上げが確実視されていたが、強いCPIを受けて1.00%の利上げの可能性も意識された。NYダウは300ドル以上下落してスタートすると、終盤に1362ドル安まで下落幅を広げ、1276.37ドル安(-3.94%)の31104.97ドルで終了した。下落幅は2020年6月以来の大きさとなった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.769%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/8/24-▲2.137%、22/9/6-▲2.199%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月12日:▲1.927%⇒9月13日:予想▲2.109%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が大幅下落した一方で、米長期金利が上昇したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.769%から▲0.660%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.760%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.893%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.070%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.390%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.113%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.725%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/8/24-▲0.404%

              22/9/1-▲0.414%、22/9/6-▲0.410%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月12日:▲0.198%⇒9月13日予想▲0.334%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが大幅安した一方で、米長期金利が上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.725%から▲1.391%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.845%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.049%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.164%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.469%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.760%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価指数も大幅反落したことで前日比では拡大した。イールドスプレッドは平均値の1/5まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.3%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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