★欧州市場序盤の取引では、アジア市場の流れを引き継ぎドルは全面安で取引された。なお、欧州主要株価指数は全面高で推移した。欧州勢本格参入後もドル全面安基調が持続し、週末調整によるドル安圧力が続いた。米長期金利は3.30%付近に小幅低下した。米長期金利が低下となったことを背景に、ドル売り戻しが進行し、一時142円を割り込んだ。米長期金利が3.24%付近へ低下幅を広げるとドル売りが強まった。
NY勢の参入後はドル売りが一服した。買い戻しを誘う新規の材料が伝わったわけではないが、下値を切り上げた。米長期金利が再上昇したほか、NYダウが堅調推移したことで小幅ながらも円安と外貨高がサポートした。新規材料難から様子見ムードが広がり、やや動きが鈍くなった。週末を控えて大きな方向感が出なかった。東京市場と欧州市場に大きく動いたこともあり、NY市場で様子見ムードが強く値動きが小幅になった。ウォーラーFRB理事とカンザスシティ連銀総裁からタカ派的な発言が伝わったが、市場の影響は限定的だった。米2年債利回りが2007年11月以来の水準まで上昇幅を拡大したことを受けて一時142.77円付近まで下値を切り上がった。一方、週末前のNY終盤とあって動意は薄かった。
★欧米主要経済指標
・米・7月卸売在庫改定値:前月比+0.6%(予想:+0.8%、速報値:+0.8%)
★欧米市場イベント
・ドル/円相場は141.45-142.81円のレンジ
・黒田日銀総裁が岸田首相との会談後に円安を強くけん制
・FRB要人のタカ派発言が伝わったが市場の影響は限定的
・米長期金利の動きが落ち着いていることから投資家心理改善
・下げのきつかったハイテク株中心にショートカバー強まる
・VIX指数は23.61から22.79へ低下