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日米欧のびっくり指数から市場動向を探る!

2022.09.09

 

シティグループが算出しているエコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)は、各種経済指標と事前予想との食い違い(かい離幅)を指数化し、ゼロ(予想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス)で示した指数である。雇用や生産などの各種経済指標が事前の市場予想と比べてどうだったかを指数化したもので、実績が予想を上回れば指数は上昇、逆に下回れば下落する仕組みとなっている。

この指数は市場の期待値に対して上回るものが多いのか、それとも下回るものが多いのかを示す指数である。市場の期待値に対して上回る指標が多ければ当然に株価や通貨が高くなりやすい。一方で、市場の期待値を下回り続けると、市場参加者が景気の先行き懸念が生じることから、遅行して株価や通貨などが下落しやすい。

9月8日付のびっくり指数で日米欧を比較してみると、米国(黄線):▲14.6欧州(緑線):▲14.8日本(赤線):▲4.6になっている。

米国は4月19日の+64.8がピークとなり米FRBの金融引き締めが強まるなか、6月23日には▲74.8まで悪化する展開となった。しかし、その後は金融引き締めが継続されるなか、びっくり指数は改善傾向にある。このままプラス圏まで戻すようなら、ドルや米国株が強含み推移しる可能性がある。

欧州は2月25日の+72.6がピークとなり、上げ下げを繰り返しながらも下落基調が継続し、7月28日には▲105.0まで落ち込む展開となった。その後は、欧州圏ではインフレが高進するなか、ECBも金融引き締めで利上げを実施するも、持ち直す展開が継続している。

日本は、直近6月13日には+47.4で推移していたが、急落して7月8日には▲66.1まで落ち込んだ。しかし、そこから急速に持ち直す展開となり、8月31日には+30.2とプラス圏まで急騰した。しかし、再び下向きとなりマイナス圏へ落ち込む展開になっている。

米欧の『びっくり指数』は回復基調となっている一方で、日本だけが下向きになり悪化傾向となっている。そのため、このままの展開が続くと日本が最弱となり、再び円売り圧力が強まりやすい展開になる。ただ、日本のびっくり指数は急落・急騰する特徴があることから、注意してみていく必要がある。

9月8日までの数値では、日本が一番強く米国、欧州の順番になっており、円がやや強い展開になりやすい。日本株もびっくり指数がマイナス圏に入ってきていることで、先行き上値が抑えられる展開になりやすい。

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