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イールドスプレッドで9月9日の米国株市場を先取り!

2022.09.09

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで続伸する展開になった。週次の失業保険申請件数が予想外に減少し強い労働市場が証明されたほか、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がインフレを目標値まで引き下げるまで力強く行動すると公約したため金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。また、欧州中央銀行(ECB)が過去最大規模の利上げを実施したほか、追加利上げの可能性が指摘されたため警戒感から伸び悩んだ。その後、国内の大幅利上げにもかかわらず景気後退入りが回避できると軟着陸期待に伴う買いが強まり上昇に転じた。引けにかけては買戻しに拍車がかかり上げ幅を拡大し終了した。一方、長期金利は、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げに踏み切り、タカ派姿勢を明確にしたことで欧州債相場が下落し、米国債にも売り(利回りは上昇)が波及した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインフレ抑制のため強く行動することを改めて表明したことも相場の重しになった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したうえ、主要三指数も続伸したことでイールドスプレッドは主要3指数全てで縮小する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.64から23.61へ低下した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.224%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、 22/8/17-▲1.845%

                22/8/24-▲1.809%、22/9/6-▲1.900%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月7日:▲1.911%⇒9月8日:予想▲1.823%(前日比で縮小:割高)

 

9月8日のNYダウが続伸したほか、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.224%から▲1.401%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.403%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.279%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.718%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.194%下回った。NYダウは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派的スタンスが嫌気され軟調にスタートしたが、終盤は前日からの反発の流れが続いた。パウエルFRB議長は講演で、インフレ抑制にあらためて強い姿勢を示し、早期の利上げ終了や利下げの可能性を否定した。NYダウは193.24ドル高(+0.61%)と2日続伸した。朝方に259ドル安まで下落後、202ドル高まで反発。その後、前日終値を挟んでもみ合ったが、終盤は買いが優勢となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.769%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/8/24-▲2.137%、22/9/6-▲2.199%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月7日:▲2.188%⇒9月8日:予想▲2.096%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.769%から▲0.673%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.773%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.906%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.083%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.403%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.126%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.726%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/8/24-▲0.404%

              22/9/1-▲0.414%、22/9/6-▲0.410%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月7日:▲0.403%⇒9月8日予想▲0.326%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.726%から▲1.400%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.853%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲2.057%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.172%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.477%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.768%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、指数も続伸したことで前日比では縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.3%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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