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イールドスプレッドで9月8日の米国株市場を先取り!

2022.09.08

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで反発する展開になった。9月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%の利上げ確率上昇を警戒した売りに寄り付き後は下落した。その後、NY原油先物が1月来の安値を更新、さらに長期金利の低下で、物価を巡る警戒感の緩和に伴い買戻しが強まり、上昇に転じた。連邦準備制度理事会(FRB)の副議長が過剰な利上げリスクに言及したほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)でも7月以降の経済活動が横ばいと下方修正され、物価上昇ペースも鈍化が報告されたため金利がさらに低下し相場を一段と押し上げた。引けにかけた上昇拡大に繋がった。米長期金利の低下を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株には買い戻しが広がった。一方、長期金利は、天然ガスや原油などエネルギー価格が大幅に下落したことで、インフレ懸念がやや後退し債券買いが優勢となった。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で『物価はなお高水準にあるものの、9地区で上昇率がある程度緩やかになったと報告された』と伝わると、利回りは一時3.2482%前後まで低下した。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下した一方で、主要三指数は反発したもののイールドスプレッドはNYダウとナスダック総合指数がわずかに拡大したものの、S&P500指数は縮小する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は26.91から24.64へ低下した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.225%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、 22/8/17-▲1.845%

                22/8/24-▲1.809%、22/9/6-▲1.900%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・9月6日:▲1.900%⇒9月7日:予想▲1.908%(前日比で拡大:割安)

 

9月7日のNYダウが反発した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.225%から▲1.317%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.318%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.194%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.633%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.109%下回った。NYダウは、金利や原油価格が低下したことでインフレ高進懸念が和らいだ。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、先行きの経済成長見通しが弱いとされたことや、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長が利上げのリスクに言及したことも、金融引き締めへの過度な警戒感の後退につながった。NYダウは朝方に50ドル安まで下落したものの、435.98ドル高(+1.40%)と3日ぶりに反発して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/8/24-▲2.137%、22/9/6-▲2.199%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・9月6日:▲2.199%⇒9月7日:予想▲2.182%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発した一方で、米長期金利が低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.770%から▲0.588%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.687%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.820%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.997%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.317%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.040%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.727%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/8/24-▲0.404%

              22/9/1-▲0.414%、22/9/6-▲0.410%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・9月6日:▲0.410%⇒9月7日予想▲0.413%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが反発した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.727%から▲1.314%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.766%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.970%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.085%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.390%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.681%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下した一方で、指数が反発したものの前日比ではわずかに拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.4%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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