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イールドスプレッドで9月2日の米国株市場を先取り!

2022.09.02

 

★NY株式市場では、NYダウとS&P500指数は反発したものの、ナスダック総合指数は小幅続落する展開になった。先週分新規失業保険申請件数が予想外に前回から減少し労働市場が依然健全である証拠となったほか、8月ISM製造業景況指数も予想を上回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の力強い利上げが続くとの警戒感に売られ、寄り付き後は大きく下落した。中国が四川省成都市の都市封鎖を実施したため世界経済の減速懸念もさらなる売り圧力となり、下げ幅を拡大した。その後、景気後退の回避が可能との楽観的な見方が強まったほか、雇用統計の発表を控えた買戻しが強まり、引けにかけてNYダウは上昇に転じた。長期金利の上昇でハイテク株は引き続き売られ、ナスダック総合指数は終日軟調推移し小幅安で終了した。一方、長期金利は、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が強まる中、前週分の米新規失業保険申請件数や8月米ISM製造業景気指数が予想より強い内容だったことが分かると債券売りが広がった。利回りは一時3.2932%前後と6月21日以来の高水準を付けた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅上昇した一方で、主要三指数は続落したものの、イールドスプレッドは三指数全てで縮小する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は25.87から25.56へ低下した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.226%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/8/17-▲1.845%、22/8/24-▲1.809%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月31日:▲1.979%⇒9月1日:予想▲1.885%(前日比で縮小:割高)

 

9月1日のNYダウが小幅に反発した一うえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.226%から▲1.341%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.341%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.217%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.656%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.132%下回った。NYダウは、金利上昇やエヌビディアの大幅安を受けて軟調にスタートしたが、翌日の米8月雇用統計の発表を控え、取引終盤に買い戻しが優勢となった。NYダウは朝方に290ドル安まで下落後、前日終値を挟んでもみ合ったが、終盤に167ドル高まで上昇し、145.99ドル高(+0.46%)で終了した。S&P500もほぼ終日マイナス圏で推移したが、0.30%高で終了した。NYダウとS&P500はともに5日ぶりの反発となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/8/24-▲2.137%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月31日:▲2.290%⇒9月1日:予想▲2.205%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が小幅反発したうえ、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.770%から▲0.565%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.664%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.797%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.974%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.294%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.017%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.728%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/8/5-▲0.647%、22/8/24-▲0.404%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月31日:▲0.480%⇒9月1日予想▲0.420%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが小幅に続落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.728%から▲1.308%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.759%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.963%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.078%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.383%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.674%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、指数が小幅続落したものの前日比では縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.4%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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