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イールドスプレッドで8月29日の米国株市場を先取り!

2022.08.27

 

★NY株式市場では、米主要三指数の全てが大幅反落する展開になった。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長によるジャクソンホール会合での講演を控え、横ばいで寄り付いた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて売買が交錯したあとは大きく値を下げた。パウエル氏はインフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調。金融引き締めの長期化観測が強まり、米景気が一段と悪化するとの見方から幅広い銘柄に売りが広がった。市場では『インフレが早期に収束すればFRBは金融緩和方向に動くとの観測が出ていたが、パウエル氏の発言を受けて金融引き締めが強く意識され、景気が冷え込むことへの懸念が強まった』との声が聞かれた。一方、長期金利は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議での講演で、インフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調すると、金融引き締めの長期化観測が強まり債券売り(利回りは上昇)が進んだ。半面、米景気が悪化するとの懸念から米国株が急落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入ったため下値は限定的だった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が小幅上昇した一方で、主要三指数が大幅反落したことで、イールドスプレッドは三指数全てで拡大する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は21.78から25.56へ上昇した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.228%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/8/17-▲1.845%、22/8/24-▲1.809%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月25日:▲1.837%⇒8月26日:予想▲1.974%(前日比で拡大:割安)

 

8月26日のNYダウが大幅反落した一方で、米長期金利が小幅上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.228%から▲1.254%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.252%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.128%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.567%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.043%下回った。NYダウは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議での講演で、インフレ抑制に強い姿勢を示したことで金融引き締め策の長期化見通しが強まった。一部で期待された早期の利上げ終了や利下げ転換時期の見通しが後ずれしたことでリスク回避が強まった。ほぼ横ばいでスタートしたNYダウは、パウエルFRB議長発言を受けて下落に転じると、終盤にかけて下落幅を拡大し、1008.38ドル安(-3.03%)の32283.40ドルで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.771%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/8/24-▲2.137%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-▲4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月25日:▲2.133%⇒8月26日:予想▲2.298%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が大幅反落した一方で、米長期金利は小幅上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.771%から▲0.473%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.571%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.704%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.881%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.201%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.924%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.730%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/8/5-▲0.647%、22/8/24-▲0.404%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月25日:▲0.412%⇒8月26日予想▲0.538%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが大幅反落した一方で、米長期金利は小幅上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.730%から▲1.192%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.641%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.845%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.960%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.265%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.556%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が小幅低下した一方で、指数が大幅反落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.5%台前半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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