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イールドスプレッドで8月24日の米国株市場を先取り!

2022.08.24

 

★NY株式市場では、米主要三指数の全てが続落する展開になった。8月製造業・サービス業PMIが予想以上に悪化したため景気減速懸念に売られ、寄り付き後は下落した。その後に発表された7月新築住宅販売件数も2016年来で最低となる低調な経済指標がさらなる売り圧力となった。金利の低下でハイテク株は一時上昇に転じるも、ジャクソンホール会合を控え金利が再び上昇するに従い戻りも鈍く、終日軟調に推移した。株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がった。一方、長期金利は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議での講演で、インフレ抑制のため利上げを続ける姿勢を改めて示すとの見方から債券売りが優勢となった。米2年債入札が『やや低調』と受け止められたことも相場の重しになった。ただ、予想を下回る米経済指標が相次いだことで債券買いが強まる場面もあった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利は上昇した一方で、主要三指数が続落したものの、イールドスプレッドはNYダウはわずかに拡大した一方で、S&P500 指数とナスダック総合指数は縮小する展開になった。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は23.80から24.11へ上昇した。VIX指数は再び24台へ上昇したことで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.229%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/8/17-▲1.845%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月22日:▲1.875%⇒8月23日:予想▲1.877%(前日比でわずかに拡大:割安)

 

8月23日のNYダウが続落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.229%から▲1.352%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.349%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.225%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.664%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.140%下回った。NYダウは、週末のジャクソンホール会議を控え、積極的な利上げ継続への警戒感が続いた。朝方に発表された米8月製造業・サービス部門PMI速報値や米7月新築住宅販売件数などの経済指標が総じて弱い結果となったものの、景気減速による利上げペースの減速期待はさほど高まらなかった。前日に643ドル安と6月16日以来の大幅安を記録したNYダウは、一時74ドル高まで上昇したものの、154.02ドル安(-0.47%)で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.771%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月22日:▲2.219%⇒8月23日:予想▲2.208%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が小幅続落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.771%から▲0.563%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.661%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.794%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.971%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.291%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.014%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.731%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/8/5-▲0.647%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月22日:▲0.492%⇒8月23日予想▲0.470%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが小幅続落一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.731%から▲1.261%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.709%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.913%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.028%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.333%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.624%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、指数は小幅続落したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.4%後半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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