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イールドスプレッドで8月19日の米国株市場を先取り!

2022.08.19

 

★NY株式市場では、米主要三指数の全てが小幅反発する展開になった。利益確定売りなどに寄り付き後は下落した。しかし、週次失業保険申請が予想外に減少したほか、8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想外のプラスに改善する良好な経済指標を好感し買戻しが強まった。ハイテク株も主要企業の良好な決算や長期金利の低下を受けて買い戻しが目立ち相場を一段と後押しした。引けにかけて主要株式指数は上昇に転じ終了した。一方、長期金利は、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて債券買い(利回りは低下)が入ったものの、米連邦準備理事会(FRB)高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言が相次ぐと売り(利回りは上昇)が優勢となり上げ幅を縮めた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利は低下した一方で、主要三指数が小幅反発したものの、イールドスプレッドは三指数ともにわずかに拡大した。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は19.90から19056へ低下した。VIX指数は19台後半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.234%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/8/17-▲1.845%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月17日:▲1.845%⇒8月18日:予想▲1.861%(前日比で拡大:割安)

 

8月18日のNYダウが小幅反発した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.231%から▲1.370%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.365%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.241%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.680%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.156%下回った。NYダウは、強弱まちまちとなった決算や経済指標をにらんでもみ合った。前日に6日ぶりに反落したNYダウは18.72ドル高(+0.06%)と小幅に反発した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.772%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月17日:▲2.149%⇒8月18日:予想▲2.157%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が小幅反発した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.772%から▲0.615%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.712%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.845%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.022%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.342%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.065%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.732%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/8/5-▲0.647%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月17日:▲0.475%⇒8月18日予想▲0.486%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが小幅反発一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.732%から▲1.246%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.693%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.897%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲2.012%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.317%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.608%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下した一方で、指数は小幅反落したものの前日比でわずかに拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.4%後半と割高感が非常に強まっている。そのため、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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