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イールドスプレッドで8月9日の米国株市場を先取り!

2022.08.09

 

★NY株式市場では、NYダウは小幅続伸した一方で、S&P500指数とナスダック総合指数は小幅に続落する展開になった。強い7月雇用統計を受けた景気後退懸念緩和に伴う買戻しが続き、寄り付き後は上昇した。高値からは今週半ばに発表が予定されている重要インフレ指標を警戒した売りに抑制され、上昇も限定的となった。上院がインフレ削減法案を可決し成立する見込みが強まったことも一部プラス材料となり、NYダウはかろうじてプラス圏を維持した。ナスダック総合指数は半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の下落に押され、小幅安で終了した。一方、長期金利は、前週末に大幅下落した反動で持ち高調整目的の買いが優勢となった。市場では『10日の7月米消費者物価指数(CPI)を前にポジション調整目的の買いが入った』との声が聞かれた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したことで、主要三指数がまちまちの動きになったものの、イールドスプレッドは三指数ともに拡大した。全般的に割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は21.15から21.29へ上昇した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.234%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/7/20-▲2.073%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月5日:▲2.087%⇒8月8日:予想▲2.158%(前日比で拡大:割安)

 

8月8日のNYダウが小幅続伸した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.234%から▲1.076%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.068%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.944%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.383%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.859%下回った。NYダウは、上昇してスタートしたものの、半導体のエヌビディアが5-7月期の売上高が会社見通しを下回ると警告したことでハイテク株を中心に売りが優勢となった。NYダウは朝方に306ドル高まで上昇後、29.07ドル高(+0.09%)と小幅高で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月5日:▲2.451%⇒8月8日:予想▲2.532%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が小幅続落したうえ、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.774%から▲0.242%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.337%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.470%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.647%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.967%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.690%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.735%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/8/5-▲0.647%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月5日:▲0.647%⇒8月8日予想▲0.727%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが小幅続落したうえ、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.735%から▲1.008%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.452%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.656%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.771%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.076%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.367%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下したうえ、指数は小幅続落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.7%前半と割高感がやや鈍化した。ただ、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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