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イールドスプレッドで8月4日の米国株市場を先取り!

2022.08.04

 

★NY株式市場では、主要3指数とも全てで反発する展開になった。ペロシ米下院議長が台湾を離れたことで、米中関係への過度の懸念がひとまず和らぎ株買いを誘った。また、セントルイス連銀のブラード総裁がインタビューで、国内経済が景気後退ではないとしたため、懸念緩和に伴う買戻しに寄り付き後は上昇した。さらに、7月ISM非製造業景況指数が予想外に改善し4月来の高水準となったことも景気への懸念を一部払しょくし一段の買いに繋がった。金利動向も安定し、ハイテク株の買いが続いたことも、相場を後押した。引けにかけ、主要株式指数は上げ幅を拡大した。一方、長期金利は、7月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことで売り(利回りは上昇)が先行したものの、前日に急落した反動で買い戻し(利回りは低下)が入りやすく終盤持ち直した 。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下した一方で、主要三指数が大幅反発したことで、イールドスプレッドは主要三指数は全てで縮小した。そのため、割高感が強まる展開になった。割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は23.93から21.95へ低下した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.235%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/7/20-▲2.073%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月2日:▲2.254%⇒8月3日:予想▲2.237%(前日比で縮小:割高)

 

8月3日のNYダウが大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.235%から▲0.998%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.989%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.865%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.304%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.780%下回った。NYダウは、7月ISM非製造業総合指数(PMI)が予想を上回り、4カ月ぶりに上昇に転じるなど、発表された経済指標が総じて強い結果となり、景気後退(リセッション)懸念が和らいだ。企業の4-6月期決算発表が総じて良好な結果となったことや、ペロシ米下院議長の台湾訪問による米中関係悪化への警戒感が和らいだことも相場の上昇を後押しした。NYダウは上昇してスタートすると、終盤に516ドル高まで上昇し、416.33ドル高(+1.29%)の32812.50ドルで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月2日:▲2.605%⇒8月3日:予想▲2.570%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.204%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.299%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.432%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.609%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.929%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.652%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.736%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/7/20-▲0.769%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月2日:▲0.844%⇒8月3日予想▲0.800%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.736%から▲0.936%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.379%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.583%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.698%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.003%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.294%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下した一方で、指数は反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.8%ちょうどと割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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